亀梨和也、40歳目前で「自分が抜けていることをやっと納得し始めました」
ORICON NEWS / 2024年6月5日 8時0分
東野圭吾のベストセラー小説を連続ドラマWで実写ドラマ化した『ゲームの名は誘拐』。本作で、主人公である広告代理店の敏腕プランナーを演じたのが亀梨和也だ。亀梨にとってWOWOWドラマで主演を務めるのは、2022年放送の『連続ドラマW 正体』以来2度目となる。徹底的にこだわり抜くスタッフに「感謝しかない」という亀梨が、撮影を通じて感じたことや自身の役へのアプローチ方法、さらには俳優としてのスタンスの変化などを語った。(取材・文:磯部正和)
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■人って計り知れない側面があると思う
亀梨演じる佐久間駿介は、広告代理店の敏腕プランナー。手掛けていた大型プロジェクトの途中で突然降板させられたことを機に、自分をプロジェクトから引きずり下ろした大企業の副社長に一矢報いるため、誘拐ゲームを仕掛ける。
亀梨は連続ドラマでありながら、結末までの脚本を渡されての撮影に「最後まで分かったうえで作品に入ると、キャラクターを構築するうえでいろいろなプランを立てられる」と、より作品を俯瞰して役柄にアプローチできるメリットを挙げる。
さらに『連続ドラマW 正体』で、WOWOWの制作チームと時間を共にしたことも、亀梨にとっては大きかったようだ。「『正体』のときに、監督を含めスタッフさんと本当にいろいろな話をさせていただいたんです。今回もそれは同様で、キャラクターの髪形一つもそうなのですが、どういう服を着ているのか、どういう車に乗っているのかなど、僕もいろいろとアイデアを言わせていただいて、親身に寄り添っていただけたので、初日からスッと佐久間という人間になれた気がします」。
やり手の広告プランナーという役柄。亀梨自身もCMの撮影などで、広告代理店の人間と接することも多い。亀梨は「ビジュアルなどを共有する意味で、こういう人……みたいなイメージはありましたが、特別誰かをモデルにして役を作っていった感じではないですね」と語ると「なんとなく自分のなかで、相手にモノを伝える部分で、ボディランゲージではないのですが、手の動きは意識しました」とワンポイント加えていたことを明かす。
また佐久間は理不尽にプロジェクトから排除され、プライドを傷つけられ、復讐という行動に出る。亀梨は「人って計り知れない側面があると思う」と切り出すと「世の中に起こる様々な事件を目にしたとき、自分がその状況だったらどうなるんだろうということは考えます。例えば目の前に自分が頼んでいないご飯があるとします。もちろん手は付けません。1週間何も食べていなかったら……それでも我慢する。でも1か月何も食べていなかったら、それを我慢できないかも……と想像するんです。そんな弱さは持っているだろうな……と」と人の多面性に触れる。
人間としての弱さを自覚したうえで、亀梨は「ではそういう状況にならないようにどうしたらいいのかという工夫はしていかなければいけないなと思っています」と想像力の大切さを述べる。丁寧に想像することで、佐久間という人物に寄り添い形作っていったという。
■本来子供っぽくてお調子者なんです
亀梨演じる佐久間と共に副社長・葛城に一矢を報いるパートナーとなるのが、葛城の娘である樹理。演じるのは見上愛だ。見上は亀梨との共演で「おちゃめな人」とコメントを出している。
亀梨は「おちゃめですか……」と笑うと「20代の俳優さんと共演すると、『学生時代に観ていました』とか『CD買いました』とか言われるんですよ。なんとなく距離があるというか、テレビ等のパブリックイメージで無口に思っている方が多いんですよね」と語る。
しかし亀梨は「でもこういった取材をしてくださっている方は分かると思いますが、決して無口ではないし、結構ボケたがりでもあるんですよね」とパブリックイメージとの違いを述べると「僕自身はそちら側で生きているつもりなのですが、あまり届いていないんですよね。どちらかというと大勢の人の前では斜に構えているというか、鎧(よろい)を着てしまう習性はあったかもしれません。本来僕は結構子供っぽいというか、お調子者だと思うので、自分ではあまり意識しておちゃめに振る舞っている感じではないんです。あとは40歳を目前にして、自分の抜けているところに少しずつ気づき始めたというか、もともと気づいてはいましたが、やっと納得し始めたというところですかね」と語っていた。
■計画通りにいかない人生!それでも最近は「ちゃんとプランを立てよう」
作品やキャラクターについてしっかりとディスカッションしながら撮影に臨めたという亀梨。一方で、現場で生み出されるリアルな感覚も作品には取り入れられている。
亀梨は「演じるという意味ではしっかりとプランを考えて臨みますが、基本的に日常の生活ではあまり計画通りに生きられないタイプなんです。結構行き当たりばったり。料理をするときもレシピ通りに作るというよりは、結構アバウトで。何が起きるか分からない方が本質的には好き」と笑うが「最近のテーマとしてちゃんとプランを立てて生きることを意識しているんです」と語る。
本人が「行き当たりばったり」と語った自身の生き方。そのことについて「亀梨君は自信があるんだよ」と言われることが多いと言うが「決して自信があったわけではなく、僕の人生のなかで思いがけないことが起こることが多くて、あまり決め込んで生きていると、対応ができなくなってしまうストレスに抗うための手段のような気がするんです」と自己分析していた。
原作は2002年に刊行された物語。そこから20年の歳月を経た実写化は、さまざまなシチュエーションで、令和の時代にアップデートされている。亀梨は「時代の変化はありますが、僕が演じる佐久間というキャラクターの行動が、普遍的なものとしてどう受け入れられるか。プライドと恋愛という二つの軸でしっかり表現できるように丁寧に演じました」
と語っていた。
◆【第1話まるごと無料配信】連続ドラマW 東野圭吾「ゲームの名は誘拐」
主演・亀梨和也
配信期間:2024年5月28日午後7:00~7月8日午前11:00
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