加藤浩次“MC”の極意は「全部聞く」 テレ東新人・古旗笑佳アナに金言「社長もADも一緒！」

BSテレ東『いまからサイエンス』の模様（C）BSテレ東

　BSテレ東『いまからサイエンス』（毎週水曜　後10：00）では、きょう10日の放送から、須黒清華アナの後を引き継ぐ形で4月入社の新人アナ・古旗笑佳が2代目MCに就任する。このほど行われた収録後、加藤浩次と古旗アナが取材に応じた。

【番組カット】古旗アナに笑顔で目線を向ける加藤浩次

　5月にアナウンス部に配属になり、アナウンサー研修では、デビューに向けてボイストレーニングやニュースの原稿読み、リポートのほかアナウンサーとしての心得を学んでいる中、先日の「テレ東ミュージックフェス2024夏」で地上波デビューも果たし、BSテレ東で放送中の「いまからサイエンス」が、初レギュラー番組となった。

　この日の収録を終え、加藤は古旗アナについて「バッチリじゃないですか。最初ちょっとびっくりしましたけど。最初めっちゃゆっくり、間違わないようにしゃべっていたからびっくりして『もう1回！』って言いましたけど（笑）。そこからは全然慣れたものというか、度胸あるなと思いました」と賛辞。古旗アナは「前日から少しずつ、だんだん緊張感が高まってきて、スタジオに入るということ自体も初めてで、すごく緊張するなと思いながら、先輩方から『チャレンジして失敗するのはいいから』と言っていただいていたので、とにかくやろうと思って臨みました」と初々しく語った。

　初の収録を振り返り「20点でお願いします」と辛口の評価をした古旗アナに対して、加藤が「そんなできるの（笑）？」と呼びかける一幕も。古旗アナも「確かに（笑）。これからの伸びしろを持たせすぎましたかね。やってみてわかったこと。こういう風なことをしたらいいのかなと思って、想像していたこととはやっぱり違ってうまくいかないことがたくさんあったので、そこを含めるとちょっと20点と思っています」と恐縮しつつ意気込んだ。

　加藤の印象について、古旗アナは「私はテレビで見ている側として、よくゲストの方とか研究者の方のような、しゃべりのプロではない方とも一緒にお話しされながら『でも、ここってどうなんですか？』っていう聞く力みたいなところを感じていました。それが目の前で体現されているというような1日だったので、これからもたくさん学ばせていただきたいなと思っています」とコメント。加藤は「何も考えてないんだけどね（笑）。何の組み立てもなく始まってるのよ」と打ち明けながら、自身の心得を説いた。

　「組み立て、まったくないんですよ。聞くってことだよ。自分が言葉を発するんじゃなくて、相手の言葉を聞いて浮かぶものじゃないと意味がないでしょう？樹木希林さんが『私が答えている最中に、もう次の質問を考えているインタビューは最悪だ』って言っていたことがあって。『僕どうですか？』って聞いたら『あんた聞いてる』って言われて、その時に言われたことを常に守っているだけ。全部聞く。『そこでこうなんですか？』とかってなっていく。よくさ、心配だから質問用意してきて、質問に対して答えている時に『なるほどです。続いて…』って人いるじゃん。あれ最悪だからね。オレが言っていることを聞いてないんだもん。ちゃんと聞く、そしたら質問が絶対出てくると思うよ」

　これまで、さまざまなアナウンサーと仕事を行ってきた加藤さんに「愛されるアナウンサーの秘けつは？」との質問が飛ぶと、加藤は「やっぱり、人に公平だってことですね。水卜（麻美）ちゃんとか、高島（彩）さんとか、公平ですよ。ADに対しても、プロデューサーに対しても、演者の大御所に対しても、若手芸人に対しても、ちゃんと公平であるっていうのは、みんなが見ているから、みんなそこを見ると思いますよ」ときっぱり。「大御所の方にペコペコしたりとか、若手芸人にはぞんざいな扱いしてたら『うわ、何こいつ』って思うじゃないですか。そこの単純な、人としての公平性だと思います。だから、下の人も上の人も一緒ということで、社長もADも一緒（笑）」と呼びかけた。

　番組の魅力について話す場面でも、加藤の真摯な言葉が飛び出した。「じっくり1時間、1人の話を聞くって、今のテレビではありえないと思うんですね。BSだからというのもあると思いますけど、今のテレビって、テンポアップとか、わかりやすさとか、そういういうところに比重が高く置かれていると思うんです。この番組を通して、最先端なんだけど、その先にはまだわからないこともいっぱいあるんだということがわかるというのがすごい大事かなと思います。わかったような気になっちゃうじゃないですか、今のテレビの作りだと。でも、それが決して正しいことではないんだろうなということを、科学を通してわかる番組です」。

【古旗笑佳】
2000年5月10日生まれの24歳。北海道・札幌市出身。血液型AB型で、出身大学はKnox College（アメリカ合衆国イリノイ州）。趣味は目的地のない散歩・読書で、過去に小説を書いて販売したこともある。モットーは「未知の世界はおもしろい、だからなんでも挑戦してみる！」。