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トコジラミに“260ヶ所刺された” 「皮膚がボコボコ」激しい痒みに耐え…仏帰国男性の“パニック”体験談

ORICON NEWS / 2024年6月21日 8時0分

トコジラミの被害を語った山口和幸さん(写真右)(写真提供:Pressports.com)

 世界各地で被害が問題になっているトコジラミについて、家に持ち込まない方法や駆除する方法、刺された時の対処法などをわかりやすく解説する『家に入れない! 刺されない! トコジラミ完全対策BOOK』(宝島社)。同書から、フランスから帰国したとたんに体の異変を感じ、その後260ヶ所刺された被害に遭ったというスポーツジャーナリスト・山口和幸さんの実体験について書かれた内容を、一部抜粋して紹介する。

【写真】山口さんが宿泊したフランス・ホテルのベッド

■ツール・ド・フランスの取材を終えて帰国したとたん異変が…

 とある夏、ツール・ド・フランスの取材で滞在したフランスでトコジラミの被害にあっていた山口さんには、日本での悲惨な日々が待っていました。



 「ホテルでダニに食われたのかな?」と皮膚科に駆け込んだのは、23日間の自転車レース、ツール・ド・フランスの取材を終えて帰国してからだった。診察してくれた先生に、「フランスから帰国したばかりで…」と言った途端、先生がニヤリとしたような気がした。

 「トコジラミですね」と先生。専門医の間でフランス・トコジラミ事情は知れわたっていることがそのことだけでうかがえた。

 寄生生物トコジラミの「先進国」は世界随一の観光大国フランスだ。フランス語でプー「Poux」と、なんともかわいい語感だが、スーパーにはトコジラミ駆除関連の商品棚があり、流行していることは明らかだ。

■枕カバーの中に数十匹!

 実は最終日のパリのホテルのベッドシーツに何かがうごめいていたのは目視している。先生によれば、「ダニは見えないので見えていたのならトコジラミ」という。就寝中、首筋に何かが這うような感触があり、電気をつけてみると乳白色の小さな生物を見た。

 また前夜に他の宿泊客の血を吸った個体もいて、枕カバーの中に数十匹がいて、カバーを開けると床のカーペットにバラバラと音を立てて落ちていった。

 「いやな虫だな」と目についた個体をベッドシーツの上から払い落として、再び就寝したのだが、これが大失敗だった。翌朝に腕や胸、首筋、太ももなどに赤い小さな穴を発見。2日ほどは痒みもなく帰国するのだったが、3日後にはこれまで経験したことのない疾患にさらされていることを悟る。

■数えたらなんと260ヶ所!

 真っ赤な腫れで皮膚がボコボコになり、治癒して元の状態に戻るのかなと不安になった。

 処方されたのは、アレルギーを抑える飲み薬と塗り薬。患部に塗りながら数えたらなんと260ヶ所。かきむしりたい衝動は、きれいに治すためにひたすら我慢し、当時は流通していたステロイド軟膏を使っていると、激しい痒みも収まった。

 告白すると、旅行バッグの中にパリのトコジラミがまぎれ込んでいたようで、日本の自宅にトコジラミを持ち込んでしまった。新しい虫刺され痕に気づき、トコジラミの存在を疑ってベッドをひっくり返すなど徹底的に捜査してみると、数匹が潜伏していたのである。すぐさま押しつぶして根絶。

 フランスで900泊はしているがこんな災難は初めて。しかも20年近くお世話になっているパリのプチホテルで被害にあっただけにショック。翌年からホテルを変えたのは当然だ。今も毎年7月にツール・ド・フランス取材に旅立つが、日本から副腎皮質ホルモン系塗り薬を携えて万一に備えている。

■トコジラミに遭遇~発症~完治まで
罹患:フランス取材を終え、最後のパリの定宿で刺される。
2日目:帰国へ。違和感なく飛行機に搭乗。
3日目:記者会見に出席。皮膚の虫刺されあとが気になる程度。
4日目:痒みと発疹が徐々に強くなる。
5日目:美容室で首筋などのひどさを指摘される。
6日目:朝一番で皮膚科へ。トコジラミ罹患と断定。処方薬を購入。
7日目:持ち帰った旅行用品・ベッドシーツを温水殺菌・廃棄。
9日目:新たな虫刺されに気づき、ベッド裏にトコジラミ3匹を発見し駆除。
12日目:対面者に「どうしたんですか?」と聞かれるものの薬の効果で収束へ。
15日目:虫刺されあとはまだ残るがほぼ治癒。

■大変だったこと
・電車に乗るときも人目が気になるほど肌が異常な状態で、真夏でも長袖・襟のある服装で皮膚の露出を避けた。
・仕事先や友人にはトコジラミに罹患したことを隠すことなく告白し、接触感染しないことを理解
してもらった。
・家族やペットに移す心配があった。トコジラミは人間なら人間だけ、犬なら犬、猫なら猫にしか寄生しないと聞いて安心。
・流行源のフランスからトコジラミを日本に持ち込んでしまったという責任を感じた。蔓延しないように必死で駆除した。

山口和幸さん(文&写真)
ツール・ド・フランス取材歴30年のスポーツジャーナリスト。東京中日スポーツ、ダイヤモンド・オンラインなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)、講談社現代新書『ツール・ド・フランス』。

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