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テレ朝・山本アナ、間近で見た羽鳥アナの“アナウンサー力”に驚き「すごさが詰まっている」

ORICON NEWS / 2024年6月19日 8時0分

テレビ朝日・山本雪乃アナウンサー

 テレビ朝日『グッド!モーニング』でピンク色のジャケットが印象的な山本雪乃アナウンサーが、初のエッセイ本『ホップ!ステーップ!ピンク! -山本雪乃ができるまで-』(ワニブックス)を発売した。失敗だらけの新人時代、「辞めるなら早く辞めたほうがいいよ」と厳しい現実を突きつけられた日々や、『羽鳥慎一モーニングショー』での取材、先輩・共演者からの叱咤激励など、生々しくつづった内容。同書から、番組で共演する大先輩のアナウンサー・羽鳥慎一について語ったエピソードを、一部抜粋して紹介する。

【写真】『べっぴんさん』脚本手掛けた羽鳥アナの妻・渡辺千穂氏

■羽鳥慎一さん

 2020年2月、バラエティー番組のロケVTRに出演した私に羽鳥さんがLINEをくれた。そのLINEの言葉は、これまでもこの先も、私を支えてくれる一生の指針となった。



 「最高だね。今、見た。飾らず、嫌がらず、偉ぶらず、全力でやっていれば絶対誰かが見ていてくれるよ」

 わざわざ連絡をくださることも恐縮するのに、これまで誰からももらったことのない言葉。雷に打たれたようだった。そして出演したものを「見て」くれた羽鳥さんは、「誰かが見てくれている」ことも実感させてくれた。いまだに、私をテレビで見かけると連絡をくださる。忙しいはずなのに、しっかりテレビを見る時間をとっているところも羽鳥さんの影の努力だ。

 コロナ禍でどんどん仕事がなくなり、つらくなった時もだった。「あなたは大丈夫。来る仕事、全力で頑張れ。誰かが絶対見てる」「頑張れ。俺は雪乃ちゃんはいいですねと言いつづけます」間違っても腐ってはいられない。そう思わせてくれる言葉をくれた。「羽鳥さんに頑張っていると思われたい!」──そんな思いは、今もずっとつづいている。

 羽鳥さんはなぜかいつも「あなたの人柄と明るさは素晴らしい」と褒めてくれた。腹黒いところもあるし、正直褒められるほどの人柄は持っていない。でも、そう言ってもらうことで、「羽鳥さんの言葉を真実にしなくては」と、人間性を高めることを意識するようになった。

 その頃だったと思う。誰にでも大きな声であいさつするようになった。それまでも多少意識はしていたが、社内ですれ違うすべての人へのあいさつをなるべく徹底するようになった。

 自分のことなんて社内でも知ってくれている人は少ないだろうとか、冴えないアナウンサーだと思われているだろうなとか、卑屈だった時は、知らない人には会釈や小さな声でしかあいさつできていなかった。技術さん、美術さん、警備員さん、清掃員さん。必ず返ってくるわけではないけれど、あいさつされて嫌な気持ちになる人は少ないし、表情がふっと柔らかくなる人もいて、「今日も頑張りましょうね!」と声をかけ合っている気持ちになる。清掃員のおじさんに駅でお会いした時もあいさつさせてもらって、後日「この前会いましたね~、私服おしゃれですね~」「あの時一緒にいたのはお母さん?」なんて会話をした。顔見知りの警備員さんとは、「あら、まだ仕事?」「ロケ行ってきまーす」と交わす。

 皆さんのお名前はわからないけれど、もし私がドブにはまっていたら、きっと助けてくれるだろう(笑)。あいさつは、信頼関係の始まりであり、その瞬間の活力も笑顔も生む。インタビューの現場でも、その場で会うスタッフの方や関係者の方、他局のアナウンサーさんにもなるべく自分からあいさつする。そんな心がけも、羽鳥さんの「人柄がいい」を体現したいからだった。

 アナウンサーとしてだけではない、人間として自信を持たせてくれた羽鳥さんに本当に感謝している。そしてその感謝は、アナウンサーとしてもっと成長し羽ばたくことで示せるものだと思っている。羽鳥さんから教わったことは山ほどある。視聴者の相槌が聞こえているかのような伝え方。ひとりよがりではない進行はアナウンス技術を超越しているものだった。

 コロナ禍でのオリンピック開催時、私も代役でスタジオにいた。テレビには映らない羽鳥さんのカンペが私にも見えている。コロナのニュースから、オリンピックのニュースに移る際、羽鳥さんはカンペをそのまま読むことなく、自然な間とともに一言付け加えた。

 「テレビでご覧になった方も多いと思います」

 コロナ禍での五輪開催に違和感を持つ人もいた中、その前のコロナのニュースを無視することない、つなぎの一言。なくても番組は進行できるけれど、その言葉で少しだけ緩やかに気持ちを切り替えられる人がいると感じた。私もそのひとりだった。

 難しい言葉ではないが、簡単には出てこない一言。決して暑苦しくなく、気づく人は少ないけれど、確実に視聴者に寄り添った言葉や間に、羽鳥さんのすごさが詰まっている。

 ペラペラしゃべることだけが、アナウンサーの仕事ではない。アシスタントを何度かやらせてもらって、立ち位置や役割を考えることも学んだ。聞かれるかもしれないテーマに向けてコメントを準備して持っておいて、「今だ!」というタイミングで出すか、ひとつも出さないか。しゃべらずとも、どんな表情でそこに「いるか」という「あり方」も考えさせられた。

 自分が言いたいことだけを言えばいいというわけではない。話を展開させる「アシスト」的な一言で議論に奥行きが出るかもしれない。

 「みんなAと言っているけど、Bもこんな点ではありじゃないですか?」と、嘘をつくわけではないけれど、言い方次第でトークが膨らむ。これは盛り上げるための「サービス精神」だと思う。羽鳥さんから学んだサービス精神はインタビューの仕事にも欠かせないものだ。

■プロフィール
山本雪乃/1991年生まれ。岡山県出身。2014年に早稲田大学を卒業し、テレビ朝日入社。『熱闘甲子園』『日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』『羽鳥慎一モーニングショー』などを経て、現在は『グッド!モーニング』『ナスD大冒険TV』に出演。『グッド!モーニング』ではピンクジャケットのインタビュアーとしても知られる。

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