『アンメット』真の“タイトル回収”とは ミヤビ・三瓶・原作者・プロデューサーの言葉を振り返る
ORICON NEWS / 2024年6月17日 19時45分
俳優・杉咲花が主演を務める、カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜 後10:00)の第10話が、きょう17日に放送されるのを前に、第9話とタイトルに込められた意味をあらためて見つめたい。
【第10話先行カット】『アンメット』くまなく照らすためにまい進する登場人物たち
同作は、講談社『モーニング』で連載中の同名漫画を実写化。“記憶障害の脳外科医”ミヤビが患者を全力で救い、自身も再生していく医療ヒューマンドラマ。アメリカ帰りの医師・三瓶(若葉竜也)の後押しで、ミヤビは再び脳外科医としての道を歩みだした。
前回のクライマックスでは、ミヤビと三瓶が涙を流し、抱き合った。このシーンは14分間にわたる長回し一発撮りで行われ、その場にいるスタッフも最小限の人数に減らして臨むという渾身のカットになった。
演じた杉咲は「忘れられません。いつまでもああしていたい14分でした」と語り、若葉は「撮影前のリハーサルでは数十人のスタッフが輪になって芝居を確認して、1カットのために1時間以上セッティングして全員緊張してカメラがまわる。最高に贅沢な時間でした」と明かす。
2人が丁寧につむいだセリフの一端はこうだ。互いの家族について語る中で、三瓶は重度障害者だった兄について告白した。自分も含め家族は施設に入れることが最善だと思ったが「兄はずっと泣いていた」と明かした。
三瓶「世の中も僕も兄のためって言いながら、ただ遠くに、見えないようにしてただけなのかもしれないですね」「僕はまだ光を見つけられていません」。ミヤビ「光は自分の中にあったらいいんじゃないですかね。そしたら多分、暗闇も明るく見えると思います」「三瓶先生は私のことを灯してくれました」。
ドラマタイトルの『アンメット』は、直訳すると「満たされない」という意味。第6話の回想シーンで、三瓶がろうそくを見ながら「できた影に光を当てても、また新しい影ができて、満たされない人が生まれてしまう。どうすればくまなく照らして、アンメットをなくせるのか。その答えを探しています」と語り、ミヤビが「こうすると影が消えます」と示していた。
また、米田孝プロデューサーは制作にあたり「人や社会は光の当たる場所に目を奪われ、その光によってできた影を見過ごしてしまいがち。影の部分で満たされなさを感じる人たちにいかに寄り添い、共生していくか。この原作のテーマに深く共鳴し、おこがましいようですが少しでもその影を希望の光で照らせたら。このドラマにそんな思いを込めています」とコメント。
原作の子鹿ゆずる氏は「僕が育ってきた昭和の日本社会では、重度の障害を抱えた人は施設などに入れて保護することを良しとしてきました。実は、僕の兄にも重度の障害があり当時は施設入所するしかなかったのですが、入所の際の兄の悲しみを目の当たりにし、母も僕もずっと罪悪感を感じて生きてきました。『アンメット』は、そんな僕の経験が原点になっているんです」と伝えている。
真の“タイトル回収”へ、どうすればアンメットをなくせるのか、残り2話、視聴者もともに考えたい。
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