『アンメット』原作者が三瓶&ミヤビ&ろうそくに込めた思い「誰もが身近な影に寄り添い、心の灯を分かち合えるよう」
ORICON NEWS / 2024年6月25日 13時10分
俳優・杉咲花が主演を務める、カンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(毎週月曜 後10:00)が、24日に最終回(第11話)を迎え、大反響となった。原作者の子鹿ゆずる氏は、自身のXを通じ、感謝を伝えた。
【写真】『アンメット』杉咲花、ミヤビ役に込めた思い800字超 チームの仲間&「若葉くん」へ、また「会いたい」
同作は、講談社『モーニング』で連載中の同名漫画(原作・子鹿氏/漫画・大槻閑人氏)を実写化。“記憶障害の脳外科医”川内ミヤビ(杉咲)が患者を全力で救い、自身も再生していく医療ヒューマンストーリー。原作から主人公を変更し、ドラマ化された。
最終回を見届け、子鹿氏は「#アンメット 視聴者の皆様、米田孝P、脚本家の篠崎絵里子(※崎=たつさき)さん、Yuki Saito監督をはじめスタッフの皆様、杉咲花さん若葉竜也さんはじめキャストの皆様、拙い原作に生命を吹き込んで下さり有難うございました。誰もが身近な影に寄り添い、心の灯を分かち合えるような、そんな共生社会が訪れますように!」とつづった。
『アンメット』は、元脳外科医としての子鹿氏の思いが詰まったもの。ドラマ開始にあたっての米田孝プロデューサーとの対談では、三瓶&ミヤビに通ずる自身の経験を伝えていた。
「僕が育ってきた昭和の日本社会では、重度の障害を抱えた人は施設などに入れて保護することを良しとしてきました。実は、僕の兄にも重度の障害があり、当時は施設に入所するしかなかったのですが、入所の際の兄の悲しみを目の当たりにし、母も僕もずっと罪悪感を感じて生きてきました。『アンメット』は、そんな僕の経験が原点になっているんです」
「年月が経ち、今では施設入所以外の福祉サービスも増え、共生可能な社会になりつつありますが、いまだに、後遺症で苦しむ人や障害を抱えた人に無関心な人が多いと思います。ドラマを見てくださる方には、『アンメット』に登場する患者さんのような方たちの存在を知ってほしいですし、決して他人事だと思わずに、少しでも理解していただけたら。そして、本当の意味で共生社会の大切さが伝わり、後遺症と闘う人やそのご家族、医療関係者の方に、少しでも希望の光を注ぐことができたら幸いです」
子鹿氏のXには、原作で『アンメット』のタイトルを回収した、ろうそくのシーンが固定されている。ろうそくの灯りは「心の灯」そのもの。ドラマでは、これが杉咲&若葉竜也によって見事に再現され、鮮烈なラストとなった。
※以下ネタバレあり
ミヤビは、事故の後遺症で過去2年間の記憶を失い、今日(きょう)のことも明日(あした)には忘れてしまう。毎日日記をつづり、朝に読み返す日々。丘陵セントラル病院で看護助手として働いていたが、アメリカ帰りの医師・三瓶(若葉)が赴任してきたことから、再び脳外科医としての道を歩みはじめた。
記憶障害の原因は、脳の中の「ノーマンズランド」(医学的に人がメスを入れてはならない領域)にあり、手術を成功させるには「ノーマンズランドにある0.5ミリ以下の血管を2分で縫う」ことが必要だと判明。
最終回では、倒れたミヤビに再発が認められ、脳梗塞が完成して命に関わるのも時間の問題というなか、ついに意識もなくなり、チーム一丸となって手術へ。一方で、ミヤビと三瓶の出会い、南アフリカでの秘話も描かれた。
そしてラスト、ミヤビが目を覚ました。三瓶「わかりますか?」、ミヤビ「わかります」。その二言だけで、すっとエンディングを迎えた。
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