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“漫才師”ミキの漫才への矜持 ブレない主軸で『M-1』とも程よい距離感に「気が楽になりました」 6連覇中『岡-1』への本音もチラリ

ORICON NEWS / 2024年6月27日 7時0分

ミキ (C)ORICON NewS inc.

 兄弟でしゃべくり漫才を行っている、お笑いコンビ・ミキ(昴生・亜生)。2012年の結成以降、16年には『第1回上方漫才協会大賞』新人賞に輝き、17年と18年には『M-1グランプリ』のファイナリストになるなど、順調にキャリアを積み上げている。そんな2人が今最も力を注いでいると言っても過言ではないのが、全国ツアー『ミキ漫』だ。芸歴を重ねていく中で賞レースへの向き合い方にも変化が訪れたという2人に、今の心境を迫った。

【写真】主軸は『ミキ漫』!今年も全国各地を回っていくミキ

■年始早々から新ネタ!自分たちだけで2時間の舞台「今でも足が震えます」

 『ミキ漫』は、28日の東京・有楽町よみうりホールを皮切りに、北海道から沖縄まで全国11ヶ所12公演を行うが、昴生は「やっぱり、普段NGK(なんばグランド花月)やルミネtheよしもとには来られないお客さんもいっぱいいて。見たくても見れへんお客さんがいるので、じゃあこっちから出向こうかっていうのが、3つ目くらいの理由で(笑)。1つ目の理由ですか?おいしいものを食べることです」と笑顔を見せる。2人が『ミキ漫』にかける思いは強い。



亜生「今年は、1月2日か3日ぐらいから寄席始まっていたんですけど、それぐらいから新ネタ下ろしていたので、みんながびっくりしていました」

昴生「もう全部、これに向けてです。去年の暮れからずっとです」

亜生「みなさん、その後の予定があって、それが狂うといけないので、先にお伝えしておきますと、公演時間1時間半となっていますが、それよりも長いです。1時間半で終わったことないです(笑)。途中で帰らざるを得ない人もいらっしゃるので。巻くことはないです」

昴生「散歩が好きなので、公演前に会場の近くを歩いたりするんですけど、そこで見たこととかをオープニングトークで話していたら、ついつい30分とかなっちゃうんです(笑)。漫才も全公演違いますし、同じ公演はないので、ぜひいろんなところに来てください!」

 舞台は、観客の声がダイレクトで返ってくる。昴生が「こんなにしびれる仕事ないです」とかみしめるように語る。「寄席はチームプレーなので、例えば僕らがあんまり良くなくても、後で師匠たちが何とかしてくれる。でも『ミキ漫』は始まってしまえば、1時間半から2時間は自分たちがどうにかしなければいけない。このプレッシャーは、今でも足が震えます。刺激があって楽しいです。成長もさせてもらっています」。

 毎年、ここに向けて新ネタを作るというのもかなりのプレッシャーのように思えるが、昴生が淡々と、しかし力強い言葉を紡いだ。「でも、それが日常生活というか、僕らのお仕事ですからね。みなさんが定時に出勤して…っていうのと一緒の感覚で、それをやらんかったら漫才師やないなと思っているので」。

■賞レースともいい距離感に「僕らは寄席の漫才師になりたい」 昴生が老害の最若手に?

 『ミキ漫』の先に見据えるのは、賞レースなのか。そんな疑問をぶつけてみると、亜生が「やっぱり地方に行った時に、一番言われるのは『賞レース頑張って』ですね」と明かし、昴生は「その気持ちに応えたい気持ちはめっちゃありますけど、2人の中で『よっしゃ、やったんで!』が100%ではないですよ…っていうか。言い方が難しいですけど、若手ほどがめつくはいってないかも」と率直な思いを口にした。その真意を迫った。

昴生「僕らは、ちゃんと毎日の舞台を大切にしようというタイプなので、賞レースだけに向けて、この舞台で試そうとかはまったくしないです。よう言うじゃないですか、賞レースに向けての調整とかって。その気持ちはわかるけど、お金払って見てきてくれているお客さんの前で調整すんなよって思いますよね。賞レースに対する気持ちはありますけど、毎日漫才やっていたら結果は出るんじゃないかなと思っています。『M-1』出る前とかは、やっぱり『M-1』に向けて…とかやっていて、そういうのもいいんですけど、そればっかりやっていたら、普段の漫才がおろそかになっちゃう気がして。僕らは寄席の漫才師になりたいと思ってやっているので、そこをベースに、その流れで『M-1』もうまくいけばいいなという感覚です」

亜生「『M-1』に向けて調整していると、やっぱりスピードとか、寄席のお客さんとまったく合わへん、噛み合わへんまま終わってしまうのが悲しいというか…。なので、最近はそうではなくなっています」

昴生「もちろん、テンポ速い漫才もいいんですけど、僕らはありがたいことに舞台があって、毎日そこに立たせてもらえる機会があるので、目の前のお客さんをまず…っていう。それをおろそかにしている芸人が多い」

亜生「これ、ややこしい師匠みたいですよね(笑)」

昴生「ニッポンの社長・辻から“老害”って言われているんですよ、同学年やのに!ルミネの楽屋にいても、若手が誰もしゃべりかけてくれへん(苦笑)」

亜生「老害の最若手なんです(笑)」

昴生「でも、これは言っていかんと!みんな『M-1』って言っているけど、それだけがすべてじゃないから。最終、どうなりたいか。『M-1』チャンピオンになりたいであれば、それでもいいと思うんです。漫才ちゃんとやりたいっていうのであれば、ちゃんと目の前のお客さんのことを考えてやっていった方がいいと思う。僕らは今、気が楽ですね。みんな『M-1』の時期しんどいと言いますけど、僕らはまったくしんどくないです。しんどい時期ありましたけど。『M-1』予選と『ミキ漫』の時期が被っているので、マネージャーから『どうしましょう?』って言われるんですけど『気にせんで大丈夫よ』って言うんです。マネージャーも、心の中で『老害やな』って思っているかもしれないですけど(笑)」

■ミキ昴生『岡-1』に本音「自分の中でも風物詩に」 漫才以外のかわいい目標も

 ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』(毎週木曜 深1:00)における、岡村隆史のちょっとクセの強い審査とそれに翻ろうされる『岡-1グランプリ』では、ミキ昴生(女子高生のイントネーション)の呼称で親しまれ、前人未到の“6連覇”を達成しているが、賞レースへの肩の荷がおりたのは、そのゆとりもあるのだろうか。『岡-1』では、毎年準決勝止まりで、ラジオを聴きながら実況投稿を行っている亜生がすかさず「それはめっちゃでかいですよ!ありがとうございます、ようやく本題に入りました」と体をグッと前のめりにした。

昴生「本題ちゃうて!(記者に対して)あなたとは1年に1回って決めてるやん、会うの。でも、ホンマどこでも言われるようになりました。この間、渡辺いっけいさんに『岡-1』のこと言われましたよ。なんで、渡辺いっけいさんまで聴いているんですか(笑)」

亜生「人気コンテンツですから。『M-1』落ちても、その後にすぐ『大丈夫、岡-1があるから』っていうコメントが…」

昴生「もう、なんか1年中、僕の中でサブリミナル効果みたいに『岡-1』が刷り込まれているんですよ。みんなが、それに絡めてコメントするから(笑)。SNSにご飯を載せただけやのに『これ食べて、岡-1頑張ってください』って、関係あらへんのに。そんなこと言いながら、なんか、自分の中でも風物詩になってきました。『岡-1』で毎年ひとり漫才やって、それが終わって、帰りに真夜中のタクシー乗っている時、外の景色を見て『今年も終わりやな』って感じて…あれで、年末感じたくないねん(笑)!」

亜生「だから、この『ミキ漫』でも、お兄ちゃんが今年の『岡-1』でどのネタを出すか、それを占っているかもしれないです。『岡-1』でやるネタの2人バージョンを、このミキ漫では見られるかもしれない(笑)」

昴生「ホンマ、ひとり漫才やってみ(笑)?マジで大変。落語よりもテンポ速いから。けいこせな無理。漫才のネタ、1分半くらいまで覚えていくんやけど、岡村さんとかがそれを見越して、もっとやらそうとするから、オレは覚えてない…。ナインティナインさんは、ニヤニヤしながら見ていて」

亜生「愛されている証拠ですよね。ありがたいです。僕はラジオを聴きながら『お兄ちゃん、こうやで!』って口ずさんでいるんですよ。届けばいいなって」

 2人のかけあいがさく裂したところ、改めて『ミキ漫』について向けてみると、昴生が訴えた。「ミキ漫がめちゃくちゃ軸です。メインです。完全にここに合わせてやっているので、寄席の集大成だと思っていただいたら。今のミキを見たいってなるんやったら、ミキ漫。絶対にここです。ここでしか、本当の自分たちは見せない。『岡-1』なんて偽りの姿です、あんなもん(笑)。ナインティナインに踊らされているだけ!僕たちの本業はミキ漫だ!『岡-1』なんて聴くな(笑)!渡辺いっけいさんにも見に来てほしいですし(『THE MANZAI』での厳しいコメントが話題となった)たけしさんにも来てもらえたらうれしいです」。

 今回のツアー最後はNGKだ。昴生は「NGKでやる漫才は、やっぱり別格。大阪の皆さんに愛されてここまでやってきたので、感謝の意味も込めて、最後はNGKでやります。普段の寄席でも、NGKの香盤(出演順)をうしろの方に持って行くのが、僕らの最大の目標ですし、それと舞台のギャラを上げる!やっぱり、漫才で食べていけるようになりたいんですよ。今でも漫才で食べさせてもらっていますけど、漫才を主軸として、漫才師だっていうところを見てほしいので、そこは大事にしたいです」と言葉に力を込めた。

 最後に「ミキ漫以外で、今年成し遂げたいもの」を聞いてみた。昴生が「僕は常々言っているんですけど、朝ドラと大河ドラマに出たいんです。朝ドラも大河も大好きで、欠かさず見ているんですけど、人生で朝ドラと大河に出られたなっていう思い出を持っておきたいなと(笑)。いろんなところで言っているんですけど、全然伝わらない…。NHKさんと仕事がしたいです。パペットとか人形劇とかの声をしたいです」と語ると、亜生も「僕は今、家で金魚を育てているんですけど、それがなかなか大きくならないので、金魚を大きくしたい!金魚って一番難しい魚とされていて、育てるのがすっごい難しいんです。毎日水換えして、いろいろ…(金魚にまつわるナダルとのエピソードトークを熱弁したが割愛)。なので、僕は金魚!」と宣言するなど、ほほえましいトークとなった。賞レースの重圧から解き放たれた2人が見せる漫才に注目したい。

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