ANAとJAL「カスハラ方針」共同で策定 23項目の“行為例”も紹介
ORICON NEWS / 2024年6月28日 14時2分
ANAグループとJALグループは28日、「カスタマーハラスメントに対する方針」を共同で策定したことを発表した。カスハラ該当例として「暴言、大声、侮辱、差別発言、誹謗中傷など」「過剰な要求」「セクハラ」などを挙げている。
【画像】「従業員の就業環境が害される」ANAとJALの声明
発表で「全てのお客さまに安心で快適なサービスを提供しつつ、従業員が安心して働ける環境を守ることを目的とし、また、カスタマーハラスメントの基本方針、定義、該当行為例を整理し明文化しました」と説明。カスハラが社会問題として認知が高まるなか、航空業界においても同様に従業員の働く環境の問題の一つとなっているという。また、カスハラ行為は、対応する従業員だけでなく、周囲の利用客を不快にさせ、本来提供すべきサービスが十分に提供できなくなり「ご迷惑につながる可能性があります」とした。
基本方針(骨子)は「私たちは、安心で快適な空の旅をお届けするため、常にお客さまに寄り添い、質の高いサービスの提供を目指します」とし、「そのため、お客さまのご意見・ご指摘には真摯かつ誠実に対応してまいります」とコメント。一方で、カスハラ行為に対しては「従業員の人権および就業環境を害するものとして、毅然と行動し、組織的に対応いたします」と訴え。「悪質な言動および犯罪行為に対しては、しかるべき機関に相談のうえ、厳正に対処します」とも添えている。
カスハラの定期は「顧客または第三者(取引先など含む)からの優越的な立場を利用した『航空法、その他関連 する法規に反する行為』、及び『これらにつながりかねない行為』、または『義務のないことや社会通念上相当な範囲を超える対応を要求する行為』により、従業員の就業環境が害されること」。
具体的な事例として「『バカ野郎』などの発言」「『SNSで拡散させる』などの脅迫的な発言」、肩を掴む、居座り、「揚げ足取りや執拗な責め立てによる社員の長時間拘束」など23項目を挙げ、「今後は定期航空協会をはじめ、関係各所と連携をしながらカスタマーハラスメントへの取り組みを推進してまいります」とコメントした。
■ANA、JALが発表した「具体的なカスタマーハラスメント行為例」
●暴言、大声、侮辱、差別発言、誹謗中傷など
・大声、言葉遣いが荒い話し方、「バカ野郎」などの発言
・「〇〇(特定の性別を指して)のくせに」「男性の上司を出せ」などの性差別的な発言
・容姿を揶揄する発言、能力を否定する侮辱的な発言
●脅威を感じさせる言動
・「殴ってやる」「殺すぞ」「SNSで拡散させる」などの脅迫的な発言
・反社会的な勢力などをほのめかす発言
●過剰な要求
・規定やルールを超えた多額の補償金やアップグレードなどの特別対応の要求
・「家まで謝りに来い」「土下座しろ」などの実現不可能な要求
・係員の態度が気に入らないなど、理不尽な理由での慰謝料などの金銭の要求
●暴行
・社員を殴るなどの暴力行為
・身体を押す、肩を掴む、手をはたく、ものを投げる、飲み物をかける、傘を振り回すなど、社員が危険を感じる
●行為
業務に支障を及ぼす行為(長時間拘束、複数回のクレームなど)
・居座り、長時間の電話など、正当な理由がない社員の長時間拘束
・話のすり替え、揚げ足取りや執拗な攻め立てによる社員の長時間拘束
・(複数の場所での)同じクレームの繰り返しによる著しい業務妨害、不合理な問い合わせの複数回繰り返し
・常習的な同じクレームの繰り返し
●業務スペースへの立ち入り
・事務所やオフィスへの押し入り・居座り
●社員を欺く行為 ※明らかに事実と異なる言動をするなど
・不正に発券された搭乗券の利用、年齢や氏名を詐称した搭乗、空席確保のための重複予約行為
・お手伝いが必要な内容の虚偽申告、社員への対応の強要
・受託手荷物の破損に関する虚偽申告(元からあった傷を今回の搭乗によるものと主張するなど、明らかに事実と異なる発言)
●会社・社員の信用を棄損させる行為(SNS投稿など)
・事実に反する会社や社員への誹謗中傷のSNSへの投稿
・予約センター・機内・空港などでの対応状況の録音・録画データのSNSへの投稿
・事実ではないことや、事実を誇張した虚偽を含んだ内容の流布・インターネット上での掲載
●セクシャルハラスメント(盗撮、わいせつ行為・発言、つきまといなど)
・性的な言動、つきまといにより身体的または精神的に苦痛と感じる行為
・盗撮
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