村上春樹氏、自身のラジオ番組恒例ライブ開催 国内外の豪華メンバー集結で感激「生の音楽を聴くのは、心に残るんです」
ORICON NEWS / 2024年6月29日 23時38分
きょう29日、東京・すみだトリフォニーホールにて、TOKYO FM主催のライブイベント『村上春樹 produce 村上JAM vol.3~熱く優しい、フュージョンナイト』が開催。約1800人のファンが集まり満席となった。
【写真】満員の会場で盛り上がるライブの様子
同イベントは、作家の村上春樹氏がDJを務めるラジオ番組恒例のライブ「村上ジャム」で、今回で3回目。村上いわく「題して『熱く優しい、フュージョン・ナイト』。 大西順子をピアニスト、音楽監督に迎え、アメリカからギターのマイク・スターン、ベースのジョン・パティトゥッチなどを始めとする一流メンバーを招き、かつての“フュージョン・フィーヴァー”を東京で熱く優しく再現する内容。
オープニングトークに村上氏と坂本美雨が登場すると、会場は大きな拍手に包まれた。3回目の開催にあたり、村上は「だんだん会場が大きくなってきて光栄です。次はマジソンスクエアガーデンかな?と夢が膨らみます」とコメント。そして、バンドメンバーを紹介した。
バンドメンバーは、ギターにマイルス・デイヴィスのプレイも支え演奏した名ギタリストのマイクスターン、ベースにチックコリアのバンドメンバーで、グラミー賞に3度輝いているジョン・パティトゥッチ、サックスに「オールウェイズ・ラヴ・ユー」のソロサックスでお馴染みのカーク・ウェイラム、ドラムスにジャズドラムの歴史を集約したエリック・ハーランド、トランペットにNYを拠点として国内外で活躍しホセジェイムズのアルバムにも参加した黒田卓也が務めた。
前半で4曲が披露され、村上氏と坂本は「ギターのマイクがソロの後にニカっと笑う姿を見ると、こちらもつられて笑ってしまいますよね」と笑顔を見せた。前半のいきいきとした演奏が印象的だったと振り返りながらも「感想を語り合いたいところですが、かなり時間が押しておりまして…(笑)。後半に参りましょう」とトークを終えると、会場からは笑いと拍手が起きた。
続いて後半4曲の演奏が終わるとすぐに、会場ではアンコールの拍手が響き渡った。拍手と大歓声の中、スペシャルバンドが再登場し、アンコールがスタート。アンコールもすべて終了すると、観客からはスタンディングオベーションが送られた。
アンコール終了後には「アフタートーク」として、村上氏と坂本から、大西率いるスペシャルバンドへ質問が投げかけられた。
村上氏はミュージシャンに会うと必ず「練習は好きですか?」と質問するそう。村上いわく「なぜかというと、文章を書くのは練習しなくていいから楽なんですよ。僕が練習が嫌いだから、ミュージシャンの皆さんに聞いてみたいと思っている」と笑って話した。
マイクは「練習は好き。やり続けることで勢いを落とさずに進んでいける。毎日少しずつやるのが良いんです」とコメントした。また、ジョンは「1人で向き合って練習するプロセスが好きです。常にうまくなりたいという気持ちをもって、前に進み続けていると感じられるので好きです」と話した。一方で、大西が「練習は歯磨きみたいな感じ。やらないといけないものだから、好きではないかも…(笑)」とはにかむ場面もあった。
続いて大西から「昨日初めて会って今日の本番を迎えましたが、とてもスムーズにいった」と裏話が明かされると、村上氏と坂本は「昨日初めて会ったとは思えない、熱くて素晴らしい演奏でした」と感動をあらわにした。
最後に、坂本は「世界では戦争が起こっていて、そんな中でもこんなに遠くからいろいろな国籍の方が集まって、息を揃えて、見つめ合って、心を一つにして演奏して、それを肌で感じる事ができて大きな喜びを噛みしめました」とコメント。村上氏は「生の音楽を聴くのは、心に残るんです。僕も長い人生でたくさんコンサートを聴いてきたけど、みんな少しずつかけらなって残っていて、すごく大事なものになっています。みなさんも、今日の音楽のいくつかのかけらを胸にしまっておかえりください」と観客へメッセージを伝えた。
■セットリスト
前半
1、Jean Pierre (guitar, trumpet, sax)
2、Tipatina's (guitar, piano, drums)
3、Ana Maria (sax, bass, piano)
4、Spain (flute, bass, piano)
後半
5、Direction (trumpet, sax, guitar, drums)
6、Cantaloupe Island (piano, guitar)
7、Wing and a prayer (guitar, bass)
8、Chromazone (trumpet, guitar, bass, piano, drums)
アンコール
Some Skunk Funk (everyone)
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