1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

「“透け”は気になるが、白は着たい!」毎年困る、夏場の“肌着が透ける”問題…紳士服メーカーが打ち出した解決策とは?

ORICON NEWS / 2024年7月4日 9時10分

BODYSHELL(R)EXを使用した婦人服

 薄着の季節になると多くの女性を悩ませる“透け”問題。クールビズや服装自由化の流れでジャケットを着用する機会が減るなか、白や淡い色を基調とした薄手の衣類では、下着のラインが浮いたり、色が見えたりしてしまうのだ。人に不快感を与える恐れがあるほか、不躾な視線やセクハラの餌食になりかねないこともあり、涼しさを犠牲にしても“透け対策”を優先させる女性も多い。そんななか「洋服の青山」を全国展開する青山商事が、医療用白衣と同等のレベルで透けない白Tシャツを発売し、前年比200%の売上で想定以上の伸びを見せている。いま、女性たちが仕事服に求めるものとは? 夏場の“透け”問題、その背景を取材した。

【写真】どれだけ”透けない”のか? 白Tシャツに手を差し込んでみると…



■トレンドのシアー感、ビジネスシーンでは雑音に

 「きちんとした格好をしなければならない、したい、というお客様にとって“透け”は非常に気を使われるポイントだという印象があります」と語るのは、青山商事株式会社商品部の谷本つくしさん。今のビジネスカジュアルにおいて、「透け対策はもはや標準装備」だという。

「弊社がレディース商品を取り扱い始めた当初から“透け対策”は当たり前の品質のひとつで、標準装備されなければならないものでした。例えば、白やベージュなどの明るい色のブラウスには裏地をつけ、二枚重ねにすることで透けを軽減していますし、肌色に近い肌着も販売しています」(谷本さん/以下同)

 シアー感のある服は現在のファッショントレンドのひとつでもあり、普段着や外出着として“透け”は必ずしもNGではない。ただ、“あえて見せている”のではない場合、だらしないと思われたり、性的な視線にさらされたりすることもあり、ビジネスシーンではどうしても雑音となる。

「お客様からも『下着の透けが気になって仕事に集中できない』『白1枚で着るのは抵抗がある』などの声があると聞いています。取引先ではジャケットを着ていてもオフィスでは脱ぐ方も多いので、脱いでも安心なトップスを着たいという意識はあると思います」

 それでは、紺や黒などの濃い色を身に着ければ良いのではないかとも思われるが、白はコーディネートしやすく清潔感があることから、ビジネスシーンでの需要は高い。数種類色の展開がある商品の場合、圧倒的に白が人気で、売り数も倍近くになるという。

 そこで、同社が開発したのは、素材1枚で「透けない」を目指すこと。ビジネスシーンで欠かせない「白Tシャツ」においてそれを実現することだった。「"透けない"白Tシャツ」の生地には、高機能素材「BODYSHELL(R)EX」(東レ株式会社)を使い、医療用白衣と同等のJIS防透け指数93.0を達成している。

「医療品と同等のパーセンテージをとれたことで、自信をもって“透けない”と言い切っています。当素材は、特殊粒子が入っており可視光が透過しにくいため、透けを抑制します。さらに、UVカットや遮熱、汗ジミ抑制機能もあるので、1枚でも安心して着用できます」

■“Tシャツ”であることが売上200%増のカギ

 この新素材を採用したことで、同商品の売り上げは、あっと言う間に前年度比200%となった。

「今回売り上げが伸びたのは、“Tシャツだったから”だと思います。2023年にも同素材のブラウスを販売しているのですが、ブラウスはもともと裏地を重ねることで透け対策ができており、同じ店舗内にライバルが多かった。一方でTシャツは、どうしても中に着る肌着を工夫したり、羽織物とのバランスを見なければならないので、忙しい朝に様々な選択をしなければならない。"透けない"白Tシャツは何も考えずにパッと着られるところに需要がありました」

 同じ“透けない”高機能素材を使用しているのに、Tシャツになって初めて注目された。この理由のひとつに「服装の自由化」の影響もあると谷本さんは考えている。

「全体の風潮的にカジュアル化が進んでいる中で、どこまでカジュアルにしていいのか。Tシャツを着ても大丈夫なのか。ルールがなくなってしまったから余計に難しいというお悩みを抱えているお客様は多くいらっしゃいます」

 例えば、銀行の窓口担当者。制服が撤廃され、自分で仕事着を選ばなければならないが、窓口に来るお客様に失礼があってはいけない。何を着たらよいのか悩み、同社店舗に相談にくるユーザーもいるという。

「弊社は長年“スーツ屋さん”としてビジネスウェアを販売してきたので、信頼感を持って安心して相談いただけた。今回企画したTシャツもビジネスで安心して着られるものとして販売しているので、カジュアル化で服装に悩んだ方が選びやすいのではないかと思います」

 ラフに見えすぎないよう気を配る一方で、着回しや体形の悩みに配慮し、長袖・肘上丈・半袖の3種類を用意。首回りも、程よくデコルテは見えるが、下着の肩紐は出ないギリギリのラインに設定。お辞儀をしても中が見えない深さに抑えるなど、ビジネスシーンを想定したこだわりが詰め込まれている。

「第一印象は数秒で決まるなどと言われますが、ヘアスタイルやメイクだけでなく、洋服も人の印象を決めるポイントの一つ。スムーズにビジネスを進めていくうえで、清潔感や好印象を持たれる服装を選ぶことは大切だと思います。誰かとコミュニケーションする以上、人に不快感を与えない服装を選びたいですよね」

 服装の自由化は、企業側にとっては従業員のモチベーションアップや人材確保などのメリットがあり、働き手側は自分らしさや着心地の良さなどを追求できるメリットがある。その一方で、接客や取引先とのコミュニケーションにおいてどの程度のカジュアル化までなら許されるのか、働き手自身がTPOに合わせて選ばなければならないという難しさもある。

 その“難しさ”に頭を悩ませる人が多いからこそ、専門家お墨付きの“透けない白Tシャツ”が売り上げを伸ばしたのだろう。ビジネスシーンにおける服装の選択肢が増え、最適解を見つける一助となるのではないか。

取材・文/森下なつ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください