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「理解されない、誰か助けて」発達障害当事者の声、負の連鎖から抜け出してくれたのは“愛犬”だった

ORICON NEWS / 2024年7月31日 16時30分

特性のひとつ「認知の歪み」で苦しんだという発達障害当事者の春野あめさん(@AmeHaruno)

 発達障害の当事者として、SNSで自身の体験談を漫画にして発信している春野あめさん(@AmeHaruno)。2月には、自身の特性を分析した著書『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』(竹書房)を発売。今回は春野さんに「自分の特性との向き合い方」について聞いた。

【漫画】「自分はダメな人間…」すべてをネガティブに捉え大切な人を傷つけてしまうことも

■愛犬が負の連鎖から救ってくれた「自分を見直すきっかけになった」

――本の中で「発達障害当事者は自分の特性とどう付き合うかが生きやすさに関係します」と話されていますが、春野さんがこの考えにたどり着くまで時間はかかりましたか?

【春野あめさん】そうですね、20代半ばまでは「理解されない、誰か助けて」という他人任せな考えだったので、とても時間がかかったと思います。前作である『さよなら、死にたいぼっち』(竹書房)に詳しく描いているのですが、私はトラウマの治療を受けたことでいろんな気づきを得て、それ以前に比べると精神的にはずいぶん安定していたのですが、生活する上でどうしてもミスが絶えず、そのせいでまた極度に落ち込んで…という負の連鎖は続いていました。



――そんな負の連鎖を抜け出させてくれた存在がいたとか?

【春野あめさん】その頃、迎えることになった犬の存在が、自分を見直すきっかけになりました。その犬は問題行動の多い子だったのですが、その子の不安や性質などを知って環境や対応を見直していくと、目に見えて落ち着いていきました。同時に、私も愛犬と似たところがあると自覚して、もっと自分を安定させるには、自分で自分を知る必要があると思うようになったんです。

 そこでやっと自分が特性の対策を全くしていなかったことに気づき、真剣に自分の特性と向き合って対策していくうちに、精神面も生活も安定していきました。そうした経験から、自分のトラウマももちろんですが、特性を含めた“自分”を知ることがいかに大切かわかったのです。

――今回出版された『発達障害が理解されにくいワケを自分で考えてみた』(竹書房)は、特性をケース別に紹介されていますが、ご自身で「一番ここはなくなってほしい」と思う特性はありますか?

【春野あめさん】連絡に時間がかかってしまうことですね。これは“連絡に時間がかかる特性”というわけではなく、いろんな特性によって結果的に連絡に時間がかかる、ということなんですが。

 情報を整理してまとめるのにとても時間がかかるし、優先順位をつけるのも苦手なので、時間がかかりすぎて後回しにしてしまって、忘れて…ということがあって…。自分も困るし、周りにも迷惑がかかるので、もう少し早く連絡できるようになりたいです。

――大人になってから「発達障害」と診断されて苦しんでいる人、診断を受けようか悩んでいる人など、人間関係のトラブルや生きづらさを感じている人もいるかと思います。最後にそういった方々へメッセージをお願いします。

【春野あめさん】「発達障害かな」と悩んだら、すぐに受診するのがいいと思います。そのくらい、医療とつながったことは私にとって大きなことでした。

 たとえ発達障害ではなくても自分を知る材料になりますし、発達障害やグレーゾーンだった場合でも解決策はたくさんあります。もちろん解決しないこともありますが、そんな時は当事者同士で笑い話にしたり、慰め合ったりすることもいいんじゃないかと思います。

 慰め合うことは度々非難されますが、私は全然いいと思います。話を聞いてくれる人や似た境遇の人はたくさんいます。助けになる本もたくさんあります。無責任かもしれませんが…生きるのを諦めないでほしいなと思います。

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