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“全米一の物価高”ハワイに永住は夢物語? 移住者に聞く「なんとかなる!」では生きていけない実情

ORICON NEWS / 2024年8月7日 6時30分

”憧れの国”ハワイへ永住は夢物語なのか…その実情は

 長引く円安や上昇しない賃金、ジェンダーギャップなどの社会的問題を背景に、日本を出て海外で暮らす人たちが増えている。外務省の海外在留邦人数調査統計によると、2023年10月時点での海外永住者は、過去最大の57万人にものぼったという。アメリカ、タイ、カナダなどが移住先の筆頭だが、中でも日本人の憧れとなっているのは、世界有数のリゾート地“常夏の楽園”ハワイ。とはいえ、現在ハワイは物価が超高騰中。芸能人やリタイアした富裕層でなくても、ハワイに移り住んで暮らしていくことはできるのか? ハワイ在住13年のYURIさんに聞いた。

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■アメリカの物価高騰は日本以上、一人暮らしで節約してもひと月の食費に最低6万円以上必要? 

 YURIさんはシングルマザーだった38歳のときに、知り合いもいないまま、子連れでハワイへ移住。苦労と努力を重ね、ワイキキで起業し、現在は「ハワイで暮らすようにステイ」をコンセプトに、バケーションレンタル(貸別荘)の『ALOHA MY HOME』を運営。13年間のハワイ生活で、再婚、出産を経験。子育てに、ビジネス…“憧れの地”で奮闘してきた。そんなYURIさんの目から見た、今のハワイはというと……。

――世界中でインフレが加速する中、アメリカの物価高騰は日本の約3倍、中でも島で観光地のハワイは全米一の物価高と言われています。実際生活されていて、どのように感じていますか?

「すべてにおいて、値段は大きく変わりました。あまりの物価高騰に、日本に帰国したり、アメリカ本土に引っ越しされた方も多く、ハワイに残っている人はどんどん少なくなっている状況です」

――たとえば今、単身でハワイで暮らそうとしたらひと月いくらくらいかかるのでしょう?

「スタジオルームの家賃平均が、でだいたい1500ドルくらいから。食事は、朝食でも30ドルくらいなので、自炊するなどして節約したとしても400ドル位はかかると思います。それらにプラスして、日用品や通信費など生活に必要な諸経費も加えて、ざっくり、最低年間3万ドルは必要だと思います。あと、健康保険の問題もあります。アメリカは医療費が高いので、民間の保険に入っておかないと大変なことになります。保険料はひと月500~1000ドルかかります。それを会社が持つのか、自分で払うのかでも変わってくるでしょう」

――それらの金額をまかなうだけの仕事は、容易に得られるのでしょうか?

「特別なスキルを持っていなかったり、就労経験の少ない若い子の場合は、心地よく稼げるほどの収入はほとんど得られないと思います。こちらで働くためには就労ビザが必要ですが、その取得は非常に難しいです。そんな中、比較的容易にとれるものにJ1ビザという、ワーキングホリデーと同じような有給インターンシッププログラムがあります。ただこのビザは非常に賃金が安く、労働時間が長い。さらに、12ヵ月~18ヵ月いう期限付きです。なので、その後は就職活動などをして別のビザに切り替えられればいいですが、それができなければ日本へ帰国するしかありません」

■「なんとかなる!」では生きていけない場所、それでも移住を成功させるには 

――働くのも暮らすのも大変なんですね。

「在住13年になりますが、帰国せざるを得なくなってしまった人たちを沢山見てきました。正直、ハワイで稼いで暮らしていくのは大変なことだと実感しています。その一方で、ハワイ暮らしを夢見て移住してくる日本人も多いと感じます。『グリーンカード(アメリカでの永住権が保証され、就業も自由にできるビザ)の抽選に当たったから来た』という人も複数人いました。アメリカ本土よりハワイは気候も良く、アジアの方・日本食・日系企業や店舗も多いこと、日本語が通じやすいこと等から、住みやすくて良いと考える人はやはり多いようです」

――YURIさんのようにハワイ移住を成功させるためには、どんなことが必要なのでしょう?

「今は、私が移住した頃のように『どこでも生きていける“根性”さえあれば大丈夫』という時代ではなくなったと感じています。とくにハワイは『なんとかなる!』では生きていけない場所です。貯金や、きちんと収入が得られる自分の武器や術を持っていないと、悲しい結果が待っていると思います」

――ハワイは“楽園”に例えられますが、外国人が生計を立てるとなると、日本以上にメンタル的なタフさも求められる気がします。

「よく私は『スーパーポジティブ』と言われるのですが、それもハワイ移住には必要なことだったのかなと感じています。日本と違ってアメリカは主義主張の強い人たちの集まりですから、日本のように“右へならえ”の気持ちでは暮らしていけません。言葉の壁や文化の違いはもちろんあります。謙虚さと、常にチャレンジする精神を持ち、前に進んでいく強い心が必要だと思います」

――最後に、ハワイ移住を夢見る読者にメッセージをお願いします。

「現状を考えると正直、私と同年代の方に対しては、今の日本のすべてを捨ててまで、ハワイに移住をするならば、入念な下調べをすることをオススメします。または、3ヵ月位の滞在を何度か行い、自分に合うか肌で感じてみるのも良いかもしれませんね。ただ、20代の若い世代だったら『失敗してもいいから Just do it!』と思います」

(文:河上いつ子)

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