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平本蓮「RIZIN王者になった時に俺の時代が始まる」朝倉未来を超えMMA競技者の頂点へ!【単独インタビュー】

ORICON NEWS / 2024年8月10日 12時0分

『超RIZIN.3』で朝倉未来に勝利した平本蓮 【撮影/池本史彦】 (C)ORICON NewS inc.

 格闘技では15年ぶりとなった「スタジアムバージョン」のさいたまスーパーアリーナに4万8000人の観客が集まり、PPVでも日本中の格闘技ファンが観戦した『超RIZIN.3』のメインで、朝倉未来に1ラウンドKO勝利した平本蓮。長い因縁の果てに想像を絶するプレッシャーを乗り越えて勝利した平本は、リング上だけではなくリング下でも仲間と抱き合いながら涙を流して喜びの雄叫びをあげ、その瞬間から日本の格闘技界は新たな時代の幕が開いた。

【インタビュー動画】平本蓮「RIZIN王者になった時に俺の時代が始まる」朝倉未来を超えMMA競技者の頂点へ!

 朝倉未来を超えた今、平本蓮は何を思い、次に何を見据えているのか。運命の激闘から1週間、ORICON NEWSはそれを聞くために単独インタビューを実施。ギプスを付けた痛々しい左手の負傷や試合前にケガをした右膝の状況、これからの展望、大健闘した安保瑠輝也、そしてフェザー級ファイターからBreakingDownまで、じっくりと語ってくれた。



■「朝倉未来戦のおかげで、練習量とか本当のプロ意識とかに目覚めた部分が大きくあった」

――試合から1週間が経過したタイミングで、お伺いしたいことはたくさんあるのですが、まずは試合勝利おめでとうございます! 試合から少し時間が経ちましたが、今の心境は?

【平本】ありがとうございます。そうですね、1週間が経ったので、熱も冷めてきた感じがあって、少し落ち着いてきました。試合直後はけっこう興奮していて、3日くらい寝られませんでした(笑)。

――ギプスを付けている左手は、試合直後には脱臼と説明されていましたが…?

【平本】脱臼じゃなくて親指の付け根が折れていました。拳が折れたのは初めてで、それぐらい思いっきり殴ったってことですね。折れた瞬間は全然覚えていなくて、試合が終わってから折れてるって気づいて。少し固定するので時間がかかるんですけど、面倒くさいですね。風呂に入るにも左手だけカバーをして濡れないようにして、シャンプーも右手だけでやらなきゃいけないので。

――体を動かす練習の再開は、少し先になりそうでしょうか?

【平本】拳以外のケガはないので、徐々にできる範囲で始めています。激しい動きはできないですけど、シミュレーションしたりトレーニングにもいろいろなやり方があって、動けない時期にも技術確認とか格闘技の研究ができる。言ってしまえば家でも練習はできるので、今回の試合で得た自信とか感覚を忘れないうちに自分の技術として落とし込むために、また再確認している感じです。

――快勝だった朝倉未来戦も振り返るところはあるんですね。

【平本】そうですね。自分の中でのいいマインドの持っていき方とか、動きだったり、今回は本当に絶好調だったので、キャリアを積むことで調整方法も磨かれてきたのかなって思います。

――この試合に向けて最高の準備で臨み、最高の勝ち方をされましたが、試合後インタビューでは「いろんなパターンの必殺技を作ってきた」と語っていました。

【平本】準備してきたけど出していない技がほとんどなので。1個ずつ技術を洗練していって磨いていけたらいいし、次に戦うときのためにもっとさらに武器を増やしていきたい。たぶん「次はグラップラーとやれ」とか言われるだろうし、違った種類のファイターと戦ったときに真価が問われると思うので、いろいろと見せたいですね。

――また、今回の試合前に右膝を負傷していたことも明かされていました。

【平本】靭帯と前十字を痛めちゃってて、ちょっと長引いて試合前でも練習できない時もありました。試合も終わって、ちょうどいい機会なので少し安静にして完全にケガを治そうと思っています。試合前は本当にけっこうな不安要素でもあったので、早い段階で仕留められて良かったです。ラウンドが進んだらけっこうマズいと思っていたんですよ。1~3ラウンドくらいまでは動けるけど、4、5ラウンドになってくると疲労とともに負担が膝にかかってきて、動けなくなる感じもかなりあったので。「ピンチはチャンス」じゃないですけど、そういうピンチがあったからこその集中力もあったのかなと。

――対戦相手が朝倉未来さんだったからこそ、集中力も研ぎ澄まされた。

【平本】それは間違いありません。朝倉未来戦のおかげで、練習量とか本当のプロ意識とかに目覚めた部分が大きくあって、やる気を与えてくれたのは間違いないので、自分が1つ上のステージに上がれた感じがします。

――未来さんとは試合後にコンタクトは取られたのでしょうか?

【平本】リング上で話しかけたんですけど、ああいう終わり方で何をしゃべってるか分かってない部分もあったと思うので、特別な言葉は交わしていないです。

――過去には平本選手から未来さんへDMを送られたこともあったようですが?

【平本】今回はそういうこともなく、試合が終わってから新作の『BreakingDown』の動画を見たくらいですね。今の僕は『BreakingDown』に出てるヤツ全員に優しくできるし、応援してますよ(笑)。

――試合のジャッジをやってみては?

【平本】いやいや、僕はそういうのは向いてないので。バラエティー向きじゃないですから(笑)。

■「鈴木千裕と戦いたい。やらせてくれないなら外国人と試合がしたい」

――今回の試合に向けて、堀口恭司選手の空手の師匠の二瓶弘宇さんの息子である二瓶卓郎さんと練習されていましたが、その縁で堀口選手と一緒に練習する予定などありますか?

【平本】それはないんじゃないですかね。(堀口の自宅がある)マイアミはすごい好きなので、将来は自分も移住したいなと思いますけど(笑)。選手としてはもちろんリスペクトしていますけど、あくまで自分はセルジオ(・ペティス)の仲間なので。今回も空手のステップと思われていますけど、自分の中のキックボクシングという立ち技の技術を洗練させていくというか、自分の中でマネージメントしていくという部分で空手を取り入れました。
 自分は子どもの頃から格闘技を始めましたが、基本はみんな空手から始めるけど、僕はまったく空手経験がなくキックボクシングだけやってきて、それってすごく珍しいんですよ。今は空手の知らなかった技術を取り入れながら、もともと知ってるボクシングの技術や、新しく学ぶボクシングやキックボクシングの技術を研究して、自分のやりたいようにできるようになってきたので、楽しいですね。時間はかかるかもしれないけど楽しいし、やってよかったなって本当に思います。

――進化した強さを見せたことで、試合後には太田忍選手から“あらぬ疑い”もかけられましたが…。

【平本】太田忍の場合は平常運転なんで、そんなにムカつくこともなく笑っちゃいましたけど(笑)。みんなヤキモチを焼いてるんじゃないですかね。気持ちは分かるんですよ、うまくいってない人が俺にいろいろ言いたくなるのは。でも、自分が頑張ればいいだけですからね。今は勝者のマインドだから、今までイライラして見てたものも全部優しく見られます。それだけ自分の中で欲しかった勝利なのかもしれないし、手に入れたからこそさらなる高みを見られるという感じですね。

――大きな勝利ですが、浮つくことなく次を見据えている姿勢が伝わってきます。

【平本】今でも飛び跳ねたいくらいうれしいですし、毎日最高だなって本当に思っています。噛みしめたいし、しばらく何もしたくないぐらいの勝利ですけど、「朝倉未来の時代を終わらせたぜ」みたいな感じはあんまりないんですよね。試合が終わってすぐに思ったのが、朝倉未来に勝っても自分の望んだ時代を作れたかといったら、ぜんぜん作れていなくて。たぶん本当の新しい時代を作れる瞬間って、俺がRIZINチャンピオンになった時だと思うんです。朝倉未来もなれなかったRIZINフェザー級チャンピオンになった時に、本当の俺の時代が来る。だから、まだ俺の時代とかじゃないですし、始まってもいない。あの試合が終わってすぐに「チャンピオンになりたい」と思って、チャンピオンになって初めて自分の時代が始まるし、絶対に今の俺にはできる。そのためにトレーニングするし、それをやることで絶対に10年後や20年後に笑ってるはずだから。

――達観していますね。

【平本】MMA競技者として本当に一番になりたい、それが欲しいものだって自分も再確認しました。ここで調子に乗ってトントンと進んで満足しちゃう自分が嫌なんで。満足したくない、そういうモチベーションはあるんですけど、寂しさも正直あったりします。でも、これが最終回じゃないし、戦う相手なんていくらでも出てきて物事はずっと止まらないから、また新しく面白い話を作っていこうかなという感じですね。

――今はケガの治療が最優先ですが、ファンは次の展開を楽しみにしています。この前の試合後にはペットボトルの投げ合いという遺恨もぼっ発しましたが…。

【平本】はいはい、一般人みたいなヤツですよね(笑)。ビックリしましたよ、リングにペットボトルを投げちゃダメだろって。俺はリングに投げられたゴミを外に投げ捨てただけですからね。神聖なリングによくもペットボトルを投げられるなと。もちろん鈴木千裕とは戦いたいですよ。試合をやらせてくれるのが一番いいですけど、やらせてくれないと思うから、だったら外国人との試合とかやらせてほしいです。そういうのを超えてこそ、本当の時代になってくると思うので。次はそこなんじゃないですかね。

――春頃にお伺いしたインタビューでは、朝倉未来戦が終わったら結婚式というお話もありましたが?

【平本】いろいろ考えなきゃいけないんですけど、年末にも試合することになったら忙しくなって先延ばしになってしまうので、奥さんに考えてもらわないといけないですね(苦笑)。格闘家は試合が終わったら、すぐに次の試合前になるので。ここで気を引き締めた者が勝つと思うし、浮ついたら怖いなという感じもありますし。今は本当にチャンピオンになりたいので、とにかくそこを目指していきます。

■萩原京平、YA-MAN、安保瑠輝也、ボクシング界隈…RIZINの中心から格闘技界を冷静に見据える

――フェザー級戦線では、9月29日開催の『RIZIN.48』に出場する萩原京平選手が、「朝倉未来の仇(かたき)を俺が取る」と動画で宣言していましたが、平本選手としては望むところでしょうか?

【平本】いやいや、お前は朝倉未来にやられてたやん、プライドないんかって感じですけどね。お前の勝負でいいじゃねぇか。なんでお前が仇を取るんだよ、JTTなのかって感じでちょっと意味が分かんなかったです。たぶん、あの場のノリもあったと思うんですけど、「朝倉未来の仇を取る」って言ったら、なんか違うじゃないですか。

――平本選手としてはMMAデビュー戦の相手ということで、どこかで意識していますか?

【平本】自分が戦った選手なので、もちろん活躍してほしいなって思いますね。高木凌選手との試合も面白そうですし。

――萩原選手と最近同じジムで練習しているYA-MAN選手は、『超RIZIN.3』の試合よりも狙っているキャバ嬢のにじほさんがクローズアップされて、平本選手もSNSでイジってますね。

【平本】どうなんですかね、あれ?せっかく『超RIZIN.3』という大舞台だったのに、YA-MANよりにじほって子の売名に付き合ってるだけじゃないですか。たぶん「モテない」ってブランディングでやってて、ああいうやり取りも全部ネタだと思うんですけど、神聖な場でネタを引っ張り過ぎだし、最初の煽りVくらいでいいのに試合後もずっとあれだから。バズってるからYA-MANも感触がいいと思ってやってるんだろうけど、いいねの数とかインプレッションが多かったとしても、それがずっと続いていくお前のストーリーには絶対にプラスじゃないから。YA-MANには目先のアクセスをすぐに取ろうとするなって伝えたいです。
 面白いストーリーを作るなら寝かす時間が必要だから、なんでもすぐに手に入れようとしちゃダメなのに、YA-MANはすぐその場でできるものをやっちゃうから面白いものが作れない。『FIGHT CLUB』の発表の2週間前くらいに急に朝倉未来と喧嘩してみたり。大事なのは時間だから焦っちゃダメなんです。時間が経てば経つほど人は認知していくので、すぐに出したらもったいないですね。周りの大人が言ってあげたらいいのに。

――相変わらず、さすがの分析力と洞察力ですね。もう一つ、マニー・パッキャオvs.安保瑠輝也戦についても感想を聞かせてください。

【平本】安保が良かったですね。パッキャオも面食らった部分があったと思うんですよ、安保があんなにボクシングができると思ってなかったはずなので。実際、パッキャオも全盛期に比べたら動きが落ちてるのは当然だし、それはメイウェザーだって誰だって落ちてますけど、試合前に「安保には無理」って好き勝手にYouTubeで予想してたヤツらが、試合後には「パッキャオはもうダメだね」とか言ってて。いやいや、お前らパッキャオほどのレジェンドでもねぇクソジジイが黙ってろよ。あれは素晴らしいし「安保が頑張った」でいいじゃないですか。それなのに「パッキャオがダメ」とか言ってて、ほんとにこの世の中はゴミしかいないなって。評論家は黙れって感じです。

――ボクシング界隈は、いろいろ批評していましたね。

【平本】安保のことですけど、自分のことのように腹が立ちましたから。自分たちが作り上げた『超RIZIN.3』って、全体を通してすごくいい興行だったし、関わってもいないカスがうるせぇよって感じですけどね。お前らでこのぐらいの熱狂を作ってみろよって。だから、4万8000人も集まったあの大会は自分も忘れられない大切な思い出になりましたし、第1試合からメインまで出た選手全員にはみんなで一緒に大会を作り上げたっていう気持ちはあります。

◆平本蓮(ひらもと・れん)
2014年11月、高校1年生でK-1甲子園2014優勝を果たし、15年にキックボクシングでプロデビュー。若くして強豪外国人ファイターに次々と勝利するも、18年にK-1を離脱し、20年にMMA転向を表明。同年大みそかで萩原京平相手にMMAデビュー戦を果たすも、MMAの洗礼を受けデビュー戦を白星で飾ることができなかった。

2戦目となる22年3月の鈴木千裕に判定負けするも、その後は鈴木博昭、弥益ドミネーター聡志に勝利しMMA2連勝を飾る。23年4月に斎藤裕に挑みフルラウンドまでもつれ込むがスプリットにより惜敗を喫した。同年大みそかにYA-MANと対戦しフルラウンドの末3-0で勝利。今年7月の『超RIZIN.3』で長年の因縁があった朝倉未来と対戦し、1ラウンドKO勝利を飾った。

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