1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

ハローキティを守る騎士…サンリオの新プロジェクト“フラガリアメモリーズ”、「元キャラの世界を壊さない」パラレルワールドとは?

ORICON NEWS / 2024年8月9日 7時30分

サンリオから人型キャラクター登場、“主”はハローキティ!?(C)2024 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

 サンリオといえば、ハローキティやシナモロール、ポチャッコなど可愛らしく万人受けするキャラクターでお馴染み。そんな同社が、「人型キャラクターで贈る“新世代の本格ファンタジー”プロジェクト」として昨年始動したのが「フラガリアメモリーズ」だ。世には人型キャラクターが活躍するコンテンツが溢れているが、そこに参入したワケは? 既存ファンの反応はどんなものだったのか? 担当プロデューサーに聞いた。

【一覧】まさかの素敵男子ずらり! ハンギョドンやけろっぴ守る騎士って?

■ハローキティを守る騎士? 好調なアニメ作品とのコラボに見出した新たな活路

 「フラガリアメモリーズ」とは、数多くのキャラクターを擁するサンリオが、人型キャラクターで贈る本格ファンタジープロジェクト。登場人物は、ハローキティやシナモロールといったサンリオキャラクターを主(ロード)とする18人の騎士たち。脅威にさらされた世界を救ってほしいという主の願いに応え、冒険の旅をする彼らの騎士道がボイスドラマと楽曲を軸に展開されている。



 プロジェクトの始動は昨年9月、公式Xで公表。最初にビジュアルが発表されたのはハローキティを主とする騎士・ハルリットで、その後は毎日、騎士と主(ロード)のペアが投稿されていった。発表当初は驚きをもって受け止められたところはあるが、これまでにない試みにも関わらず、既存のサンリオファンなどからの反発はほとんど見られなかった。実際、「次はどのキャラクターに仕える騎士がくるの!?」といった予想合戦も巻き起こり、Xは盛り上がった。中でも、ハンギョドンを主とする騎士・ハンギョンが発表されたポストは2186万表示、14万いいねの大バズりを記録したほどだ。

 フラガリアメモリーズのプロデューサーを務める村上一馬さんは、こうした反響を「予想以上でした」と振り返る。

 「近年、サンリオではアニメ作品とコラボさせていただくことが増えており、『両者に親和性があるのでは?』という仮説がありました。アニメなどの等身のキャラクターにサンリオキャラクターが寄り添っているギャップがたまらない、という声もあります。サンリオではこれまでも、『サンリオ男子』『SHOW BY ROCK!!』といった人型キャラクター作品を手掛けてきましたが、それらに続く新たなコンテンツとして企画したのが、既存のサンリオキャラクターのエッセンスを生かしつつ、アニメやファンタジーファンにも楽しんでいただける要素を詰め込んだフラガリアメモリーズです」(村上さん/以下同)

 ハローキティの騎士・ハルリットの帽子に赤いリボンがあしらわれるなど、主のエッセンスを盛り込んだビジュアルもファンを魅了している要素の1つだ。こうした元モチーフの要素を入れた“擬人化コンテンツ”は多いが、フラガリアメモリーズではあえてその手法を取っていない。

 「子どもの頃に買ってもらったハローキティのぬいぐるみを、大人になった今も大切にしているという方はたくさんいます。そうした1人1人の中にある“私とハローキティとの思い出”を大切にしたいという思いがまずありました。擬人化というのは楽しい手法である一方で、そのキャラクターの解釈を1つの定義に押し込めてしまう恐れもあります。なので、サンリオキャラクターはあくまでサンリオキャラクターとして存在させつつ、それに寄り添う騎士という構図にしました。サンリオキャラクターのファンの方々からも、『サンリオキャラクターを守りたい騎士の気持ちに共感できる』とポジティブな反応をいただいています」

 とはいえ、サンリオでは人型キャラクターは数少ないものの、世にはアニメやゲーム、Vtuber、歌い手など、人型キャラクターが活躍するコンテンツはあまた存在する。それとどのように差別化を図ったのだろうか。

 「やはり、主となるのがハローキティやシナモロールなど、多くの人に知られたキャラクターであるのがアドバンテージになるのではないでしょうか。知っているキャラクターがいるからこそ、騎士にも興味を抱きやすくなり、コンテンツに入っていくハードルも下がる。元のサンリオキャラクターを知っていればより情報は多くなりますし、知らなくても楽しむことができます」

■なぜ今「マロンクリーム」がトレンド入り? 「既存キャラクターに還元したい」

 騎士たちの端正なビジュアルもさることながら、細部まで作り込まれたファンタジックな世界観も見どころだ。とはいえハローキティはロンドン郊外出身、シナモロールが暮らすのはシュクルタウンといったキャラクター個々の元設定がある中、同じ世界に存在させる整合性はどのように取ったのだろうか。

 「ある種のパラレルワールドではあるものの、元キャラクターの世界観を壊してはいけません。サンリオキャラクターズを担当する社内のデザイナーなどに入念なヒアリングを行い、設定に齟齬が出ないように気を付けました。一方、中にはメタ的な要素もふんだんに盛り込んでいて。たとえば、クロミ王国の名物が(クロミの好物の)らっきょうだったり、ペックルに仕える騎士・アルペックが気持ちが高まると九州地方の方の方言(※)になったり…(笑)。元ネタがわかるサンリオキャラクターのファンに、クスッとしていただけたらうれしいですね」
※サンリオキャラクターパーク「ハーモニーランド」は大分県にある

 18人の騎士のボイスアクトはオーディションで選ばれた男性声優がボイスドラマ、楽曲ともに務めている。楽曲のお披露目が『アニメイトガールズフェスティバル2023』で行われたことからも、ターゲット層がアニメファンの女性であることは明らかであり、そこに対する細やかな配慮も行ってきた。

 「コンテンツの楽しみ方として、ファンアートは欠かせないものとなりました。しかし特に女性ユーザーは『公式の意に沿わないことはしたくない』という慎重な方が多いです。早い段階でファンアートのガイドラインを提示したのは、個々の表現を縛るためではなく、できる限り自由にのびのびと楽しんでいただきたいという考えからでした」

 8月10日・11日には初の3DCGライブが開催され、配信ライブも決定。新コンテンツとして順調な滑り出しを見せながら、村上さんにはある思いがある。

 「フラガリアメモリーズで、既存のサンリオキャラクターに還元できれば…という思いは強くあります。実際、騎士と主のペアを発表した際に、マロンクリームがXのトレンド入りしたのはとてもうれしかったです。キャラクターとしての歴史もそれなりにあるマロンクリームはXの個別アカウントがあるわけでも、そのタイミングでグッズが発売されたわけでもなく、SNSで目立っていたキャラクターではなかったと思います。それでもトレンド入りできたのは、マロンクリームが多くの方の思い出(メモリーズ)にしっかりと刻まれていた証と言えるでしょう」

 新規ファンを開拓する一方で、既存ファンやキャラクターへの深いリスペクトも込められたフラガリアメモリーズ。今後はボイスドラマ続編をはじめとし、定期的なライブ開催も視野に入れながら、その他にも様々なメディアミックス展開を準備中とのことだ。かわいらしいサンリオキャラクターと、それを守る人型キャラクターたち。これまでにない世界観で、幅広いファンを巻き込んでいきそうだ。

(文:児玉澄子)

(C)2024 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください