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タイ移住した“エヴァ芸人”夫婦、「言葉の遅い息子」の育児のため…円安直撃するタイの育児事情は?

ORICON NEWS / 2024年8月15日 9時10分

YouTuber「りおなり」とエヴァ芸人「パッタイ早希」の”りおなり夫婦”(画像提供@rionari)

 20年間連続で増え続けているという日本人の海外移住。外務省の発表によると、昨年度は海外在留邦人数が過去最高にのぼったという。人気の移住先はアメリカ、オーストラリアと続くが、中でも最近注目を集めているのが、東南アジアのタイだ。一年中温暖な気候で、物価も安く、親日国であることから日本人には住みやすいと言われているのだが、実際はどうなのか? 昨年3月より、首都バンコクに移住した“エヴァ芸人”でお馴染みの 「パッタイ早希」とYouTuber「りおなり」の夫婦に話を聞いた。

【写真】こんなに大きく…3人の笑顔が素敵すぎる! 息子とグランピングを楽しんだという、りおなり夫婦

■育児のしやすさで選んだタイ、阪神で被災した妻は「大きな地震がこないこと」もマスト



 YouTuberの「りおなり」と、アニメ『エヴァンゲリオン』のアスカのものまねで知られるお笑い芸人の「パッタイ早希(桜 稲垣早希)」の”りおなり夫婦”。2019年に結婚、翌年、第一子を授かった2人がタイのバンコクに移住したのは、昨年3月のこと。4歳の息子と5歳の愛猫を連れての新たな旅立ちだった。

――なぜ日本を出て、海外に移住しようと思ったのですか?

【パッタイ早希】 もう10年くらい前になりますが、関西ローカルのバラエティ番組『ロケみつ』で、2年半くらいヨーロッパを横断していたことがありまして、その時期からぼんやりと「いつか海外で生活したい」と思っていたんです。そのことは、おつきあいしている時から旦那にも伝えていたんですけど、ずっと「老後ゆっくり南国で」みたいな気持ちでした。ところがコロナ禍になって、いつかできると考えていたらできなることもあるという現実を目の当たりにして、「老後とか言っている場合ではなく、近い将来実現してみない?」と、旦那に提案したのが始まりでした。息子のトニーが2歳だった、今から2年前のことでした。

――タイを選んだのはなぜですか?

【りおなり】 育児がしやすい国であることを一番の条件に考えて、環境面で馴染みがある東南アジアがいいとまず2人の意見が合致しました。妻が『ロケみつ』での経験から、主食が米の国がいいと言っていたことも大きかったし、妻のトラウマもありました。妻は小学5年のときに阪神淡路大震災に遭い、怖い思いや悲しい思いを経験しました。なので、移住するなら日本のように大きな地震がこない国であることもマストでした。その条件でいろいろ調べたところ、候補にあがったのが、タイ・シンガポール・マレーシアでした。シンガポールとマレーシアは当時ビザの取得のハードルが非常に高かったため、タイを選びました。

■言葉が少し遅い息子、のびのび育てられるタイは「うちの子に合う!」

――その後、タイへ調査も兼ねた旅行に出られました。 “移住”の視点で実際にタイを見てみて、いかがでしたか?

【りおなり】 妻は何度か旅行したことがあったのですが、僕は初めてでした。首都のバンコクは想像以上にすごく都会で、日本の雰囲気に近くて、まずそのことに驚きました。あとは、とにかくタイの人たちが子どもにすごく優しくて、のびのびした国民性であることに惹かれました。物事を“きっちり”よりは“ゆるく”考える僕らの性格に合っているなと思いましたね。

【パッタイ早希】 私が一番背中を押されたのは、幼稚園を見学したときのことでした。バンコクには日本人が通う幼稚園や学校があるんですけど、その幼稚園もタイの国民性が反映されていて、一人ひとりの子どもの個性を尊重してのびのび育てるというコンセプトだったんです。息子は早生まれで言葉が少し遅くて、私としてはちょっと心配を抱えていたので、「ここならうちの子に合う!」と気持ちが固まりました。

■タイでも円安の影響が直撃中、でも日本と変わらない生活ができるのは一番のメリット

――移住から1年3ヵ月が経ちましたが、実際に生活してみていかがですか?

【りおなり】 息子が幼稚園に通いやすく、ペット可の住まいをバンコクの日本人街で探したら、想定していたよりちょっと家賃は高くなってしまいました(苦笑)。でも立地も良く、広さのわりにはかなり安い物件ではあるので、快適に過ごせています。言語に関しても、日本人街はビックリするほどタイ語も英語も喋れなくても暮らせています。

 住んだら少しはタイ語が喋れるようになるかと思っていたのに、1年経ってもまったく上達していません(苦笑)。移住って言葉のハードルがすごく高いと思うんですけど、バンコクはいい意味でハードル低く暮らせると感じています。

【パッタイ早希】 私は日本にいた時はけっこうインドアで、出かけるのが億劫なタイプでした。それがタイに来てからは、毎日のようにInstagramをチェックして、あちこち出かけるようになり、まだ浮かれている状態です(笑)。

――タイに移住して良かったと思うのはどんな点ですか?

【りおなり】 育児を優先している僕らとしては、日本と変わらない生活ができていることが一番のメリットだと思います。日系のスーパーには必要なものがほぼ揃っているので、日本のものが簡単に手に入りますし、外食もビックリするくらい日本のチェーン店が多いので、食事に関しては日本に住んでいるかのように不自由がありません。もちろん、日本のものを買うとなると、日本の1.5倍から2倍、ものによっては3倍するものもあります。今は円安の影響もありますし、正直、日本で暮らしていたのと同じような暮らしをするとなると、日本より高くなってしまいます。

 ただ、高くても手に入れることができるという選択肢があるのがタイのいいところだと思います。住むエリアをバンコクの中心部や日本人街ではないところにして、買い物や食事もローカルな店を利用すれば、安く済ませることもできますしね。あと、気候がめっちゃ暑いか、暑いかのどちらかで一定なので、子どもが季節の変わり目に体調不良を起こすということがないのもいいなと思っています。

■屋台でもQR決済ができるほど、キャッシュレス化が進んでいる

――タイで暮らしていて、日本より進んでいるなと実感することはありますか?

【りおなり】 キャッシュレス化がすごく進んでいることです。例えば、ローカルな小さい屋台でも、QR決済ができます。しかもバンコクの銀行はQR決済に対応しているので、銀行のアプリでQRコードを読み込めば、そのまま銀行口座から引き落とされて、手数料もかかりません。外出時には現金もいちおうは持ち歩いてはいますけど、ほとんど触りません。

――早希さんは今年6月、深夜にじんましんと息苦しさで救急車で搬送され、1日入院されました。病院はいかがでしたか?

【パッタイ早希】 バンコクの日本人街にある大きな病院で、深夜でも日本語の通訳さんがいてくださったので、コミュニケーションにはまったく困らず、細かいニュアンスまで伝えることもできて本当に安心でした。しかも、病院は日本の医療施設と遜色ないくらいすごくキレイで、もちろん、その分高くはなってしまいますけど、万が一の子どもの病気のことを考えても、こういう病院があるのは安心だと実感しました。

――医療費はどのくらいかかったのですか?

【りおなり】 保険に入っていなければ、救急車代から診察代、薬代、入院代等経費すべて込みで3万7000バーツ(約16万円)ぐらいかかってしまうところでした。タイは日本とは違い、国民健康保険に加入する義務がないので、皆さん、会社の社会保険か、自分で民間の保険に入るか、保険に入らず、病気になったら自費で払うかになります。ただ、タイは、日本では病院でしか処方できないような効果の強い薬が薬局で買えて、しかも安いんです。なので、多少の風邪とかは薬局のお薬で効くし済むのはいいところだと思います。薬剤師さんも日本人街には日本語が話せる人がいますので。

――治安についてはいかがですか?

【りおなり】 僕らが住んでいるバンコクの日本人街は治安が悪いと思ったことはないです。もちろん、安全な場所や危ない場所があるのは、世界共通です。日本と同じように、多少の緊張感を常に持っていることは大事だと思います。

■「なんとかなる」で生きていける、失敗を恐れずに行動に移してほしい

――日本人の移住先として人気のタイですが、移住してくる人は多いと感じていますか?

【りおなり】 基本、日本企業の駐在さんが多いんですけど、現地サイトで現地採用の求人を見つけてタイに移住されてきている方もたくさんいます。日本で犬のトリマーをやっていた方が、タイの求人募集を見て移住してきたという話も聞きました。

――お2人は、とりあえず1年暮らしてみようでスタートしたタイ生活ですが、今後のプランは?

【りおなり】 将来的にはタイと日本の2拠点生活ができたら理想だなって思います。どちらの良さも感じているので、基本はタイで、行きたい時に日本に行けるというようにフランクに行き来できたらいいなと。ただ、円安がこのまま続くと生活費を圧迫してくるのが懸念材料なんですけどね(苦笑)。

――最後に、タイに住みたいと考える人へアドバイスをお願いします。

【りおなり】 大好きな言葉の中に、「マイペンライ」というタイの言葉があって、「なんとかなる(大丈夫)」という意味なんです。タイは日本に比べると、衛生面も、生活のルールもゆるいし、そういうことを気にする人はすごく疲れてしまうと思います。だけど「マイペンライ」の精神で、自分の中のハードルを高くしないでいられる人であれば、すごく楽しめる国だと思います。

【パッタイ早希】 とりあえず住みたいと思ったら、失敗を恐れずに、行動に移してほしいですね。いつ何が起こるか、いつまで健康を維持できるかもわからないですから、「行けるときに行く」ことが本当に大事だと思います。失敗しても、経験として刻まれるのですから。気持ちがあったら、ぜひチャレンジしてほしいですね。

(文:河上いつ子)

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