映像化困難な作品をどのように実現させたのか?『七夕の国』メイキング映像&写真を公開 細田佳央太・山田孝之・三上博史らのコメントも
ORICON NEWS / 2024年8月16日 12時17分
ディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」のコンテンツブランド「スター」にて独占配信中のオリジナルシリーズ『七夕の国』より、映像化困難といわれた岩明均氏のSF漫画の実写化をメイキング映像とともに振り返る、特別映像が解禁となった。10分ごえの見応えたっぷり、充実した内容とないる。
【動画】『七夕の国』キャストとともに振り返る撮影の裏側
原作が連載されたのは1996年から99年。瀧悠輔監督やプロデューサーはリアルタイムでその衝撃に触れたというが、主演の細田佳央太をはじめ、藤野涼子や上杉柊平といった若手俳優陣は、連載が終了してから作品に触れた。「あまり時代感を感じなかったというか、現代風にアレンジするとなっても違和感はないと思った」と細田が話すように、時代を超えても普遍的な魅力を放つ漫画『七夕の国』。
物に触れずに物体に小さな穴を開けられるという役に立たない“超能力”を持つ平凡な大学生の主人公・南丸洋二(通称「ナン丸」)が、「ビルや人が、謎の“球体”にまるくエグられる」という世間を騒がず衝撃的な怪奇事件と同じ“球体”を操る力であることを知り、自分のルーツである“丸神の里”の秘密に迫っていく。
藤野は原作漫画を読み終えて、その衝撃に脱力をしてしまったという。また、学校の図書室で原作と出会ったという上杉は、当時の作品への印象と、大人になってから読み返したときの印象が大きく違ったようで、作品のもつ複数の魅力に触れたそうだ。
一方、連載当初から原作のファンであった監督とプロデューサーの実写化への思いは相当に強かった。「脚本自体も原作からそのまま本に起こしたよう」と細田が感じたように、丁寧に作りあげられた脚本は、配信が開始されると、原作ファンからの評価を多く集めた。特に瀧が意識したのが、原作のトーン。「ダークなトーンとナン丸のキャラクターのライト感。マイナーな空気感をなくさないように心掛けた」という。
また、原作の個性的なキャラクターたちを実写として表現するうえで、役者陣はキャラクターのもつ要素を多面的に捉えていったという。
“あらゆる物に小さな穴を空ける”という何の役にも立たない超能力を持つ平凡な大学生、南丸洋二:通称ナン丸は、楽観的で他人に流されやすい性格の主人公。演じた細田自身の性格とはすこし離れていたというが、共演シーンの多かった藤野は「人を包み込むような優しさや、人の立場になり行動を起こしてくれる人という要素は似ている」と話す。
藤野が演じる東丸幸子は、丸神の里に住み、悪夢に苦しむという役どころ。里に囚われた女性の苦悩の中に隠れる柔和な性格を、撮影現場で監督と引き出していった。さらに、幸子の兄・東丸高志を演じた上杉は、去勢を張る奥で常に持つ弱さを意識して撮影に挑んだという。
そして、本作の登場人物を語るうえで外すことが出来ないのが、山田孝之演じる丸神頼之。●の力で日本中を恐怖に包む謎の男である頼之は、特殊メイクを施すことで山田の素顔が一切見えない風貌での芝居となった。顔の表情を演技に用いることが難しい中では演じきる山田の姿は、主演の細田をはじめ共演したキャスト陣にも大きな感銘を与えたという。監督は「全員が飲まれた瞬間がある。すごい奇跡を見た。化学反応が巻き起こっていく2~3週間だった」と当時の事を振り返っている。
刺激的なストーリーと、魅力的なキャラクターが揃った中で行われた撮影は、VFXの技術を最大限に活かした壮大なものだった。三上は「『スター・ウォーズ』を見ていて大変だろうなと思っていたことが、自分に降りかかってきた」と語る。
グリーンバックを使用しての撮影、触れたもの全てがエグられる●(謎の球体)が登場するシーンは、目に見えないものを撮り、その前で役者は演技をするという、難しさをはらんでいる。その中で監督と役者陣が言葉や模型などを通じてそのイメージを共有していく。本映像ではその一部が映されているが、例えば山田と上杉が監督と共に、●の大きさや進む速度などを詳細に話し合っていくようすは、役者陣とスタッフに生まれた厚い信頼関係が、作品の完成度を高めていくことを感じさせる。
配信開始とともに大きな話題を集めていった本作は、物語が進むにつれて明かされる謎の数々と、すべての事件の首謀者である頼之の目的、そしてナン丸と頼之、同じ能力をもちながら、全く異なる選択をした2人が見どころ。監督は「2人の真ん中にいるのが日本人。ナン丸と頼之は日本人の両端にいるイメージ」で撮影したと明かしている。
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