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『デッドプール&ウルヴァリン』乗り遅れた人のための鑑賞ガイド【ネタバレあり】

ORICON NEWS / 2024年8月18日 15時0分

映画『デッドプール&ウルヴァリン』(公開中)(C)MARVEL 2024

 映画史上最も破天荒なR指定ヒーローコンビ、デッドプールとウルヴァリンが暴れまわる、過激で笑えるアクション・エンターテイメント超大作『デッドプール&ウルヴァリン』が、世界的に大ヒットしている。

【動画】加瀬康之&山路和弘からコメントも到着

 マーベル・コミックおよびそれを原作とする映画やドラマを愛してきたファンにとっては、デッドプールやウルヴァリンが登場した「X-MEN(※下段に説明あり)」映画シリーズの要素や「MCU」(※下段に説明あり)映画シリーズとリンクする小ネタがこれでもか、というほど詰め込まれていて、1度観ただけでは追い切れないほど。字幕版だけでなく、吹替ならではの仕掛けも満載で、リピート鑑賞する人も続出している。



 しかし、マーベル作品に「完全に乗り遅れた」と思っている人の中には、まだこの映画を見ることを躊躇(ちゅうちょ)している人もいるのでは?そこで、マーベル作品一見さんでも楽しめる、押さえておくべきキーワードを紹介する(※ネタバレ要素を含みます)

■デッドプール/ウェイド・ウィルソン

 不治の病を治療するために受けた人体実験で、自らの容姿と引き換えに不死身の肉体を手に入れた元傭兵。自分のことを“俺ちゃん”と呼び、下品すぎる下ネタ、薬物ネタを平気で言い、ほかの映画やスターたちをイジリ倒し、第4の壁(映画の世界)を越えて観客に向かって話しかける、しゃべり過ぎのお調子者。二本の日本刀と二丁拳銃を使いこなす、「ぶっちゃけただの人殺し」。

 演じているのは、ライアン・レイノルズ(吹替:加瀬康之)。彼が演じるデッドプールが初登場したのは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)。16年からスタートした『デッドプール』シリーズでのプロデュース&主演で大ブレイクした。『デッドプール』シリーズ3作目となる本作では脚本作りにも参加している。『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』での共演を経てから、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンとは家族ぐるみの付き合いをしており、インタビューやSNSでいじりあう(じゃれあう?)ほどの仲。

■ウルヴァリン/ローガン

 驚異的な治癒能力の不死身の肉体を持ち、世界で最も硬い超金属アダマンチウムを全身の骨に移植する改造手術を受けたことで最強の生物兵器として覚醒。冗談が通じず、必要最低限のことしか話さない。獣のような闘争本能と人間としての優しい心の間で葛藤しながら、すべてを斬り裂く超金属の爪を武器に「X-メン」の一員として世界の平和のために戦ってきた。『LOGAN/ローガン』(17年)で致命傷を負い、息を引き取った。

 2000年に『X-MEN』で抜てきされて以来、同シリーズでウルヴァリンを演じてきたのは、ヒュー・ジャックマン(吹替:山路和弘)。『LOGAN/ローガン』をもって、ウルヴァリン役からの卒業を宣言していたが、ライアン・レイノルズたっての希望で復帰を果たした。

 本作の冒頭でデッドプールが掘り返すのは、『LOGAN/ローガン』で亡くなったウルヴァリンの墓。これとは別アースのウルヴァリンが本作には多数登場する。詳細は下段に掲載。

■MCU

 マーベル・シネマティック・ユニバース(Marvel Cinematic Universe)のこと。数々のマーベル・コミックのキャラクターや設定が、同一の世界観でクロスオーバーする、マーベル・スタジオ製作の映画・ドラマ。2008年公開の『アイアンマン』から始まる。

■X-MEN

 MCUが始まる以前から、マーベル・コミックの映画化は行われており、2000年から20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)では「X-MEN」映画シリーズが作られてきた。「X-MEN」とは、突然変異で特殊な能力を持って生まれた、生まれながらにしての超能力者集団。人類からの敵視におびえるミュータントの若者たちを集めたプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアによって結成された。

 ウルヴァリンは、プロフェッサーXの誘いでX-MENの一員に。X-MENとは別のミュータント傭兵集団「チームX」の一員だったデッドプールは、『デッドプール』でX-MENのスカウトを受け拒絶し、自身のミュータント軍団「Xフォース」を結成する。デッドプールもウルヴァリンも20世紀フォックス版「X-MEN」映画世界の住人だった。

■マルチバース

 多元宇宙。複数の次元で宇宙・世界が無数に存在し、それらは別々の世界線で稼働しているという考え方。「平行世界/パラレルワールド」と類似。MCUのストーリーに沿った時間軸は「神聖時間軸(=アース616)」と称している。ほかのバースと干渉し、衝突すると「インカ―ジョン」が起き、どちらか一方が消滅する特性がある。「X-MEN」シリーズと「デッドプール」シリーズは、本作をもって正式にアース616のタイムラインに組み込まれた。

■TVA(Time Variance Authority)

 数多のマルチバースの「神聖時間軸」を監視し、時の流れと歴史の維持のために存在する極秘団体。ディズニープラスのドラマシリーズ『ロキ』シーズン1(2021年)で初めて登場した。マルチバースを巻き込んだ太古の昔の大戦争時に「タイムキーパー」と呼ばれる全知の存在が創設、トップは長官であるミスター・オルタニティ。時間の改ざんができない「ヌルタイムゾーン」と呼ばれる次元に本部を置き、タイムトラベルを許されたパトロール隊員たちが監視に当たる。

 『デッドプール2』(18年)で、デッドプールは殺された妻のヴァネッサを、タイムトラベル装置で過去に戻って救うという“改変”を行っている。そんなデッドプールをTVAのパトロール隊員たちが捕まえようと追ってくるところから、本作は始まる。TVAの管理職、パラドックスが本作の敵役の一人を担っている。

■ポータル

 『ドクター・ストレンジ』シリーズに出てくるA地点とB地点をつなぐワームホール(魔術によるライトポータル)を含む、マルチバースをつなぐゲート。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)のアッセンブルシーンで出てきたポータルゲートは、マルチバースをつなぐポータル。本作でデッドプールとウルヴァリンがカサンドラ・ノヴァと対峙するシーンは、ポータルによって移動した虚無(ヴォイド)世界(『ロキ』に登場するTVAによって破棄されたものが集まる場所)。

■カサンドラ・ノヴァ

 本作のヴィラン。X-MENの創設者、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビアとは双子。テレキネシスとテレパシーの能力を持ち、虚無世界の支配者としてデッドプールとウルヴァリンの前に立ちはだかる。

 演じているのは、エマ・コリン。Netflixシリーズ『ザ・クラウン』(2016年~23年)のシーズン4(20年)で若き日のダイアナ妃を演じて一気に知名度を上げた。

■デッドプール軍団

 劇中に登場するデッドプール軍団の中で、顔が見えるナイスプールのみ映画オリジナルキャラクター。ライアン自身が演じている。レディプール役は、ライアンの妻ブレイク・ライヴリー、キッドプール役は次女イネスちゃん、ベビープール役は長男オーリンくんが演じている。首だけのヘッドプールは、DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』(21年)でT.D.K.を演じたネイサン・フィリオン、カウボーイプールは『ジェントルメン』のマシュー・マコノヒーがそれぞれ声のカメオ出演をしている。ハロルドプール役でMCU版スパイダーマンを演じるトム・ホランドの実弟ハリー・ホランドも出演している。

■別アースのウルヴァリンたち

 「X-MEN」シリーズのウルヴァリンは黒いコスチュームだったが、本作でヒュー・ジャックマンが演じたウルヴァリンはコミック版でおなじみの黄色いコスチュームを着た別アースのウルヴァリン。このウルヴァリンがいた時間軸で何があったのか、“世界を救えなかった過去”が本編で描かれる。

 そのほか、以下のウルヴァリンが登場する。

・コミック版を忠実に再現した(ヒュー・ジャックマンより)背の低いウルヴァリン。
・コミック「X-Men: Alpha」(1995年)の片腕の手首から先がない黒&赤のコスチューム姿のウルヴァリン。
・白いスーツに眼帯が特徴的なウルヴァリンはコミック「Wolverine: Patch」(2022年)に犯罪都市・マドリプールの用心棒バッチとして出てくる。マドリプールは、ディズニープラスのドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(21年)にも登場する。
・老いたウルヴァリンは、コミック「Wolvaline Old Man Logan」(09年)のオールドマン・ローガン。
・頭蓋骨の山で十字架に架けられたウルヴァリンは、コミック『アンキャニィX-MEN』に登場した。
・ウルヴァリンの爪にハルクが映っているコミック「The Incredible Hulk #340」(1988年)の表紙を再現したシーンも。ウルヴァリンは1974年に「ハルク」のコミックでデビューしており、今年が50周年の節目でもある。
・ハルクに対してウルヴァリンが「私は神だぞ!!」と言うのは、映画『アベンジャーズ』(2012年)でロキがハルクに言った台詞に由来。
・ファンがもっとも歓喜した顔の違うウルヴァリンとして、ヘンリー・カヴィルがカメオ出演。ヘンリー・カヴィルは、マーベルと双璧をなすアメコミブランド「DC」の映画でスーパーマンを演じた俳優として知られており、デッドプールが「他の映画会社よりいい条件でどうだ」といじっている。

■ヒューマン・トーチ

 MCU以前からマーベル・コミックを映画化した作品も愛好してきたファンが歓喜したのは、クリス・エヴァンスが2005年の『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』のヒューマン・トーチとして登場したこと。ヒューマン・トーチは自分の身体を炎でまとい、操る能力を持っており、変身する時の掛け声「フレイム・オン」を、本作でも披露している。

 クリス・エヴァンスといえば、MCUにおいて2011年の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』以降のスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ役で知られている。

 公開前にはクリス・エヴァンスがキャプテン・アメリカとして復帰するのではないか、という憶測もあった。コミックでは、デッドプールはキャプテン・アメリカを崇拝している設定(TVAのモニターに映ったキャプテン・アメリカにデッドプールが敬礼するのはそのため)。しかし、ヒューマン・トーチとして登場させるという斜め上のサプライズでファンをより驚かせた。吹替版でも、キャプテン・アメリカ役の中村悠一ではなく、ヒューマン・トーチ役の神奈延年が務めている。

■ガンビット

 虚無世界にガンビット役でチャニング・テイタムが出演。ガンビットは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』に初登場した「X-MEN」のメンバー。この時は、テイラー・キッチュが演じている。その後、2016年の『X-MEN:アポカリプス』でガンビット役にチャニング・テイタムがキャスティングされていたが、出演自体が取り止めになり、テイタム主演でスピンオフ映画が製作されることがアナウンスされていたが、結局立ち消えとなっている。そのテイタム版ガンビットが“破棄されたもの”が集まる虚無世界にいるという皮肉の効いたシーンにファンは大喜び。ガンビットはフランス系移民という設定もあり、吹替版ではその点もわかりやすく表現されている。

■虚無世界

 “破棄されたもの”が集まる虚無世界には、コミックファン、MCUファン、「X-MEN」映画ファンであればあるほど見つけ甲斐がある小ネタがちりばめられている。

 ヒューマン・トーチ、ガンビットのほかにも、カサンドラ・ノヴァの手下として、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年)のパイロ(演:アーロン・スタンフォード)、『X-MEN』のセイバートゥース(演:タイラー・メイン)、カサンドラ・ノヴァと敵対関係にあるレジスタンスとして、『LOGAN/ローガン』のローラ / X-23(演:ダフネ・キーン)、『デアデビル』(03年)に登場した女戦士エレクトラ・ナチオス(演:ジェニファー・ガーナー)などが登場し、当時と同じ俳優が再演している。

 1998年の『ブレイド』に登場したエリック・ブルックス / ブレイド(演:ウェズリー・スナイプス)も登場。2004年の『ブレイド3』にライアン・レイノルズがハンニバル・キング役で出演しており、『デッドプール』シリーズでは『ブレイド』をネタにすることが多い。

 マグニートー、クイックシルバー、パニッシャー、デアデビルといった20世紀フォックスの映画作品に登場したキャラクターたちにも言及している。

■じつは、マーベルの知識がほとんどなくても楽しめる

 監督のショーン・レヴィは、「この映画を観るのに予習はいらない」とアピールしていた。単純に、赤い戦闘服と黄色いコスチュームに身を包んだ2人が、武装集団や謎の組織を相手に激しい戦いを繰り広げるアクション映画として楽しむこともできる。

 また、アメコミの第一人者、杉山すぴ豊氏が、今月1日にTikTokでライブ配信された「ネタバレ完全解禁トークショー」にゲスト出演した際に本作の魅力を次のように語っていた。

 「今回のデッドプールは、大切なファミリー(※)を守るために、世界を守ろうと頑張るストーリー。世界平和とか地球を守るとか、すごく大変なことのように思うけど、そうじゃなくて、自分の身近にいる大切な人を守りたい、と一人ひとりが思うことで、成し遂げられるんだっていうことをまさかデッドプールに教わるとは思わなかった。デッドプールって本当にいい奴だなって心から思える。クソ無責任なんかじゃない。感動しに映画館へ行ってほしい」

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