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“異世界”“令嬢”系マンガは海外でもバズる? 人気の理由は「どの国も捉え方は一緒」

ORICON NEWS / 2024年8月26日 9時10分

『かたわれ令嬢が男装する理由』のキービジュアル(写真右が海外版) (C)SORAJIMA

 マンガアプリを開くと「転生」や「令嬢」などのタイトルが並んで久しい。アニメやラノベで流行している同ジャンルは、近年マンガのなかでもシェアを拡大している。そんな中、『かたわれ令嬢が男装する理由』(LINEマンガで先行配信中)が 、今年5月に国産webtoon作品として米WEBTOONで配信を開始させた。国内では人気の「異世界」「令嬢」モノは海外でも支持を集めることができるのだろうか。同作の担当編集である澤田夢花さんと線画を担当したMONAさんに話を聞いた。

【漫画】かわいいヒロインが絶叫&号泣の処刑シーン、2度目の人生では男装イケメンに

■加速する国産webtoonのグローバル化、作品の面白さは世界共通



 『かたわれ令嬢が男装する理由』は、国内最多のオリジナルwebtoon作品をリリースするwebtoonスタジオ「ソラジマ」が手掛け、「LINEマンガ」では2022年8月15日より先行連載がスタート。日本でも国内累計閲覧数が9700万ビューを突破(2024年8月時点)する人気作となっている。

 同作は、今年5月に英語版『The Reason for the Twin Lady’s Disguise』として米WEBTOONで配信を開始。北米圏、韓国、台湾、タイ、フランス、インドネシアなど、日本のみならずグローバルで配信されている。米WEBTOONにおける6月月間販売金額では、全体の2位を記録したとのニュースも。これは、「LINEマンガ」における国産webtoon作品の中で、初の快挙だという。

――国産webtoon作品として『かたわれ令嬢が男装する理由』を海外へ展開できた想いを聞かせてください。

【澤田夢花さん】日本で連載開始当初から海外でも本作品は新鮮な印象を与え、受けがいいのでは?と仮説を立てており海外展開を熱望していたので…実現できて感謝の気持ちでいっぱいです!

――MONAさんは、ご自身として初の連載作品が海外でも読まれる作品となりましたね。

【MONAさん】海外でもランキングの上位に載ったり、『かたわれ令嬢』の面白さが海外でも共通で伝わったことをすごく嬉しく感じました!

――海外読者からの反響やコメントなどで、もし届いているものがあればお聞かせいただけますでしょうか。米WEBTOON内で月間販売金額2位を達成したというニュースもありました。

【澤田夢花さん】月間販売金額2位という結果には非常に驚いております! 光栄です。

 韓国、中国、北米…など様々な国の作品コメントを翻訳して読んでいるのですが、各男性キャラ達への感想や評価は日本含めどの国もほぼ変わらないな! という印象ですね。卒直に言うと、(暴君皇太子である)ディランに対しては、連載前半は厳しい評価がそこそこ多いので…(笑)。ただ話数を重ねていくと、海外の読者の皆さまにも心から愛してもらえると確信を持っているので、早く読んでほしいな~とうずうずしています!

■各国の文化や常識とは全く別物の「異世界系」、ヒットの理由は

 同作は、暴君皇太子・ディランの陰謀により処刑された主人公のリナリーが、3年前の世界に戻り、2度目の人生では双子の弟・リアムの代わりに男装してフォルティス学院への入学を決意する。絶対にバレてはいけない男装令嬢と、素直になれない皇太子とのスレ違い異世界学園ラブストーリーとなっている。

――「異世界系」や「令嬢」などは、海外でも反響が大きいジャンルなのでしょうか。

【澤田夢花さん】「異世界系」の作品は、海外展開において各国の文化や常識とは全く別物として読者さんも捉える傾向があるので、「現代物」よりは比較的受け入れられやすいと思っております。

 その前提で個人的には「少女漫画のような恋愛軸での展開」「キャラの強さ」が日本をはじめ海外の読者さんにも新鮮な印象を与え、本作品のヒットに繋がったと考えております。

――本作が海外でも愛されている理由はどこにあると思われますか?

【澤田夢花さん】従来の異世界転生系webtoonと比較しても「恋愛」「胸キュン」に振り切った作品になっている点、各キャラが良くも悪くも「完璧じゃない」、そして同時に各キャラの「強み」が「弱み」でもある部分が物語に全面に打ち出されている作品なので、不完全な部分も含め、読者の皆さまからキャラを愛していただいていると実感しています。

【MONAさん】テンポのいいストーリーの面白さとキャラクターの魅力、そして「次が読みたい!」と思わせる毎話のラストの引きの強さにあると思います。これはきっと全世界共通なのかなと感じました。

 そこに更に「読みやすさ」という点が加わっているような気がします。多すぎない適度な文字数であったり、見やすいセリフの位置、場面状況のわかりやすさなどです。読みやすさに配慮した構成になっていることも、『かたわれ令嬢』が世界でも愛される理由なのかなと思います。

――今回のヒットで、国産webtoonも本格的に海外展開できる手ごたえを感じましたか? さらに認知を拡大させていくための「課題」は?

【澤田夢花さん】国産webtoonでの初の快挙とのことで、手ごたえを感じると同時に、編集者として面白い作品を全世界へ届けたい気持ちがより一層強くなりました。

 横読みマンガもwebtoonも個人的に大好きな上で、成り立ち、読者層、課金の流れ、キャラの構成など含めて“全く別物”だと捉えています。それぞれの特化した部分を的確に捉えて、ハイブリッド版として国産webtoonに落とし込む戦略は編集者側に必要だと考えていて、その意識が国産webtoonの展望へも繋がるのではないかと思います。

■初の連載作品へ全身全霊で挑んだ約2年

――7月に約2年の連載を経て本編が完結しました。100話を超える作品を描き終えられたお気持ちは?

【MONAさん】「最後まで描き切ることができてよかった」という、ホッとした気持ちが一番大きいです。自分が“一読者”としてものめり込んでしまうくらいに楽しいと感じる作品を、初めての連載で担当できたこと、そして私はとにかく『かたわれ令嬢』のキャラたちが大好きだったので、そんな愛しいキャラたちを100話以上もの長い間描き続けることができて、本当に幸せでした。読者さん、制作に関わる皆さん、家族、たくさんの方達に支えてもらって出来たことですし、感謝の気持ちでいっぱいです。

――線画担当として、苦労された点はありましたか。

【MONAさん】ストーリーも絵も自分で好きに決めて1人で制作するタイプのマンガと違い、原作者の方が物語の中で作った「まだ姿のない登場人物」を自分の線画の表現でその作品のキャラクターらしく原稿に落とし込んでいくという過程に、一番慎重に時間を割いたという点で苦労をしていたかもしれません。

――分業スタイルならではの苦労ですね。

【MONAさん】自分の描くキャラクターが作品の顔になるので責任を感じましたし、絶対に妥協してはいけない点だと感じ、時間を費やしました。表情ひとつ、動作ひとつの僅かな振り幅にも「このキャラクターは本当にこの表現でいいのか?」「もっとこうした方がキャラクターの個性が見えないか?」と常に頭を使っていました。

――MONAさんがこの作品を一番魅力に感じた点はどんなところでしたか?

【MONAさん】主人公の設定である「男装」「双子の姉弟」というワードを見た瞬間に「私の好きが詰まりすぎている!」と魅力を感じて興奮しました。この2つの要素は、私が子どもの頃からたまらなく好きなものだったため、それがギュギュッと詰まった作品のお話が自分に来たことに本当に驚いて、「夢かな?」「夢じゃないなら運命の作品かも…」と勝手に感じてしまいました。

――先日「外伝」の連載もスタートしましたね。

【MONAさん】「外伝」ではディランとリナリーの間に生まれた、双子の娘・オリビアとアリッサが登場します。16歳になった彼女たちが、アラフォーになったカイルとリーチに恋心を抱くのですが、その歳の差をどう攻略するのか見どころです。

 また、ディランとリナリー以外の、本編で結ばれた他のカップル達の子どもも随所に現れるので楽しんで欲しいです。

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