実写版『【推しの子】』壮絶な復讐劇に挑むアクアを演じる櫻井海音の覚悟

実写版『【推しの子】』アクア役の櫻井海音 （C）赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・東映 （C）赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

　実写版『【推しの子】』より、主人公・アクアを演じた櫻井海音のコメントが到着した。大きなプレッシャーを感じながらも「この役は正直僕以外にやらせたくない」とまで言い切って出演を決めたことを明かしている。あわせて解禁となった写真に写る櫻井の真剣な眼差しからもその覚悟がうかがえる。

【画像】撮影現場の櫻井海音の様子

　『【推しの子】』は、赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏のタッグによる、全く新しい切り口で“芸能界”を描いた漫画が原作（2020年より「週刊ヤングジャンプ」で連載中）。23年4月から6月にかけてテレビアニメ化され、ブームを巻き起こした。今年7月からはテレビアニメ第2期が放送中。

　実写版は、Amazonと東映の共同プロジェクト。ドラマシリーズを動画配信サービス「Prime Video」にて11月28日午後9時よりプライム会員向けに世界独占配信、その続きとなる映画を東映配給にて12月20日より全国公開。櫻井のほか、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、成田凌らの出演が発表されている。

　「僕にとって演じることは、復讐だ」。母であるアイ（齋藤飛鳥）の死の真相を巡り、復讐心を燃やして“芸能界”へと潜り込むアクア役に体当たりで挑んだ櫻井。近年は『VIVANT』（23年、TBS）や『アオハライド Season1』（23年、WOWOW）などの話題作に出演し、俳優として着実にキャリアを重ねる櫻井だが、本作への出演には「大きなプレッシャーを感じた」と、胸中を明かす。

　「元々、お話をいただく前から原作を読ませていただいていて、すごく好きな作品でした。『もし実写化するならアクア役をやりたい』と思っていたら、本当にお話をいただけて。大好きな作品だし、ファンもたくさんいる作品なので、めちゃくちゃプレッシャーはありました」と櫻井。

　続けて、「プレッシャーはありましたが、でもそれ以上にアクア役をやりたい気持ちが強すぎて、最初に監督やプロデューサーと話した際、『この役は正直僕以外にやらせたくないです』と、正直な気持ちを伝えさせていただきました」と、オファーを受けた当時の心境を語っている。

　そんな櫻井は、昨年11月から今年の3月まで、4ヶ月以上の長期で行われた本作の撮影期間中、改めて原作を読み込み、徹底的にアクアというキャラクターを自身に落とし込んだという。

　「第一はやっぱり原作への気持ちというか。赤坂アカ先生・横槍メンゴ先生がこの世に生み出してくださったものを、いかに自分に投影させて演じることができるかという気持ちがありました。絶対に原作の持つアクアのイメージを崩したくなかったので、毎シーン毎シーン撮る前に、原作にある同じシーンを見てアクアがどういう表情しているか、どういう動きをしているか、座っているか立っているか、ポケットに手を入れているか、入れていないか、など細かいところまでできる限りやりたいと思って臨みました」と、語る櫻井の言葉には、並々ならぬ覚悟と原作への敬意にあふれていた。

　その覚悟を体現するかのごとく、自身の出番がない日でも撮影現場に頻繁に顔を見せスタッフと密にコミュニケーションをはかっていた櫻井。ほかの演者たちの演技を見て学び、自身の演技に落とし込もうとする真摯（しんし）な姿が目撃されている。

　原作者の赤坂氏、横槍氏も現場に何度か訪れたそうで、「初めてお会いした際は緊張しすぎて、棒立ちでした。後から聞いたのですが、赤坂先生・横槍先生から見ても『めちゃくちゃ緊張してたよ』みたいな感じだったらしく…（笑）それくらい好きで、リスペクトしている作品の先生に会うというのはものすごく緊張することでした。でも、２回目にお会いしたときは、おふたりがフランクに接してくださったおかげで、緊張せずにいろいろと会話をさせていただけました」と、当時の様子も語っている。

　大きなプレッシャーを抱えながらも、充実した撮影を走り切った櫻井は「自分の大好きな作品で、ずっとやりたいと思っていた役をいろいろな人に支えていただきながら、アクアを演じられたのは、俳優としてものすごく貴重な経験。皆で作り上げた実写【推しの子】を、一人でも多くの方に見ていただきたいです」と、手ごたえをにじませた。