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【RIZIN】太田忍「俺はMMAファイターになった」盟友の金メダルで感じた本心 元谷友貴にリベンジし王座挑戦へ【インタビュー】

ORICON NEWS / 2024年8月28日 18時0分

9.29『Yogibo presents RIZIN.48』で元谷友貴と対戦する太田忍 (C)ORICON NewS inc.

 9月29日の『Yogibo presents RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)で、元谷友貴との2年ぶりのリベンジ戦に挑むことが決定した、太田忍。2022年7月の初戦では、プロ4戦目で勢いに乗る太田に対して、元谷がベテランらしい試合運びで実力差を見せつけ、フルマークの判定で勝利した。

【動画】太田忍、元谷友貴にリベンジし王座挑戦へ意欲 井上直樹VSキム・スーチョルの勝敗予想&セルジオ・ペティスに対戦要求も【RIZIN】

 しかし太田はそこからハイペースで試合を重ね、倉本一真、瀧澤謙太、牛久絢太郎と実力者に勝利し、いまやRIZINバンタム級のタイトル戦線では太田のほうがベルトに近いと評されるほど快進撃を続けている。リベンジ戦で雪辱を果たし、一気にベルトを狙う“ニンジャレスラー”に、忖度なしで本音をたっぷり語ってもらった。



■ここ6戦は5勝1敗と好調も「今の自分は強くなっているのか不安になる」

――試合まで1ヶ月ほどですが、現在はどんな練習に取り組んでいらっしゃいますか?

太田 まだいつも通りの練習で、激しめのスパーリングもやるし、技術の確認もするし、そこに元谷選手の対策が入ってきている感じです。

――成長ぶりを証明するために、ファンには前回の元谷戦を見てほしいですか?

太田 いや、見ないでほしいですね。まだMMAを始めて2年目の“小学校2年生”だったから、算数でいったら九九を暗記してる段階ですよ。今は“4年生”になったから、二等辺三角形の面積とか、2桁3桁のかけ算もできるくらいのレベルですから。

――2年生で元谷選手と判定までいったのもすごいことですが、今回は4年生としてリベンジを果たすと。この2年間で強くなっている実感はありますか?

太田 これは本当に難しくて、僕はここ1年半で6試合もしていて、強くなる暇が無いんです。試合が終わって、ちょっと休んで、練習再開したら試合が決まって。いつ強くなるの?って感じで。

――試合に勝つための練習と強くなるための練習は別ということですね。

太田 対戦相手に勝つためには、例えばジャンケンで相手がグーで自分がチョキだとして、ほかの3本の指を広げてパーにするという感じの練習なんです。つまり、相性を良くすれば相手には勝てる。でも、それで自分が強くなっているかといったら、また違う話じゃないですか。勝つためにスキルを上げる練習が多くて、強くなるための練習期間が少ないから、今の自分は強くなっているのか不安になるんですよね。

――直近6試合は5勝1敗と結果が出ていますね。

太田 でも、(去年10月に)佐藤将光選手には負けてしまって、他の試合は普通にやったら負けない選手に勝っているだけなので。

――試合ペースは自分で調整しているのですか?

太田 マネージャーさんが優秀だから、どんどん試合を決めてくれるんです。1年4ヶ月で6試合を決められるって、すごくないですか?

――四季ごとに太田選手の試合を拝見している気がします(笑)。試合が多いのは、強くてキャラクターの濃い太田選手の人気が高まっているからですよね。

太田 ギャラが安いから使いやすいんでしょうね(苦笑)。でも、ありがたいことに使っていただいてますし、自分の試合を見たいって言っていただけるのはうれしいですけど、もうちょっと自分を高める練習期間も欲しいなと。まぁ、試合が終わったあとに休まなきゃいいんですけど、本業の彼女サービスが忙しくて。自分は副業で格闘技をやっているので。だって、そこがうまくいかなかったら、僕は格闘技ができないので。生活があっての格闘技なので、サポートしてくれている彼女に感謝しないといけないですよ。

――パートナーを大切にする姿勢は、久保優太選手と一緒ですね。

太田 久保選手も実力が急上昇しているし、パートナーの存在は大事です。格闘技や日本に限らず、女性の方が強いほうが絶対にいいということを僕は31歳にして学びました。彼女にはいつも支えてもらって、本当にありがとうございます。……ここの発言は絶対に使ってくださいね(笑)。

■「今のRIZINで一番強い外国人ファイターのセルジオ・ペティスと戦いたい」

――前戦は6月にアイルランドで開催されたベラトールでの試合で、対戦相手が1週間前に変更になるバタバタもありましたが、初めての海外での試合はいかがでしたか?

太田 僕はコンディションを整えて試合をするだけなので、日本でも海外でもやることは変わらなかったけど、サポートしてくれるメンバーが日本とは違うことがあるから大変そうでした。お客さんは外国人だけど、ケージの中に入ったら2人だけだから気にならなかったんで、もっと海外でやってみたいしもっと強い選手と戦いたいと思っています。

――SNSでは戦いたい相手として、セルジオ・ペティス選手の名前もあげられていました。

太田 6月の堀口恭司選手との試合を見て、セルジオ・ペティスってやっぱり強いなって思いました。めちゃくちゃ強い堀口選手とあんな試合ができて、初戦のペティスのKO勝利も必然だったなと思わされたし、今RIZINに来るバンタム級の外国人ファイターで一番強いのがペティスだから、試合をやりたいですね。

――ファンとしても楽しみなカードなので、次の元谷戦で勝利してリングからマイクでペティス戦をアピールしたら、大みそかに向けて盛り上がりそうですね。大みそかに戦うとなると、またまた試合がハイペースとなりますが…。

太田 そこの覚悟はできているので、1年間で4試合まではやります。5試合となったらちょっと考えますけど、今年最初の牛久戦が4月末で、5ヶ月で3試合目ですから。去年と同じペースですけど、去年はこの時期の試合で佐藤将光選手に負けているので、ここは鬼門だからしっかり元谷選手に勝ちます。

――対戦カード発表会見では、その佐藤選手が横にいて、前の席には去年10月に対戦が決定しながら負傷で試合が中止になった井上直樹選手が座っていました。

太田 自分と試合をしていないんだから、ベルトに挑戦するのは井上選手じゃなくて自分じゃないかっていう気持ちもありましたが、自分は将光選手に負けて、井上選手は将光選手に勝ったのでしょうがない。敗者は語るべからずですし、井上直樹vs.キム・スーチョル戦は、僕は日本人に勝ってほしいから井上選手を応援します。

――大みそかに井上選手とタイトルマッチという可能性もありますね。

太田 お互いに連戦になるので、どうなりますかね。自分は大みそかに外国人ファイターと戦って来年の春にタイトルマッチをやりたい気持ちと、大みそかにタイトルマッチをやりたい気持ちが半々です。RIZINの意向やファンの声、自分の気持ちなども含めて、みんながWIN WINになればいいかなと思っています。

■「僕がMMAで成績を残さないと、レスリングから転向しようと思う選手が減ってしまう」

――『RIZIN.48』は牛久絢太郎vs.佐藤将光などバンタム級の試合が多く、結果や試合内容によって次のタイトルマッチに絡んでくる展開となりそうです。

太田 自分は牛久選手に勝ってるから、この試合も牛久選手に勝ってもらったほうがありがたいですよね。牛久vs.佐藤と自分vs.元谷を並べてるってことは、いい勝ち方をした方が次の挑戦者になる可能性が高くて、牛久選手が勝てばたぶん次は間違いないだろうし、僕と将光選手が同じような勝ち方をしてしまったら、どっちが次の挑戦者になるかわからない。だから、僕はしっかりフィニッシュして、「次の挑戦者は太田だ」って文句無しでいわれるような試合をしなきゃいけないと思っています。

――個性豊かな選手の多いRIZINバンタム級ですが、相関図を作ったら太田選手が中心にいそうですね。

太田 良くも悪くもですね。自分が将光選手に勝っていたら、実績がともなって中心にいられたんですけど。しかも名実ともに中心にいた朝倉海選手が抜けた状態ですから、ちょっと情けないですね。僕は目立っているけど将光選手に負けているので、ちゃんと元谷選手に勝って、みんなが認める挑戦者になります。

――太田選手のバックボーンといえばレスリングですが、パリ五輪では日本人選手たちがメダルラッシュでした。特に太田選手が東京五輪の代表を争った文田健一郎選手の金メダルは、喜びもひとしおだったのでは?

太田 本当にうれしかったですよ。健一郎が金メダルを取る瞬間まで、自分がどんな気持ちになるかわからなかったんですけど、うれしくて感動して。悔しさみたいな感情もあるのかなって思っていたけど、一切なくて。「よくぞやってくれた!」って心から祝福できたことで、「俺はMMAファイターになったんだな」って思えました。レスリングにちょっとでも未練があったらそう思えなかったかもしれないけど、感動してありがとうって思えることが再確認できて、そういう意味でも感謝しています。

――RIZINに文田選手をスカウトする可能性は?

太田 健一郎はもう1回オリンピックを目指すんじゃないですかね。まだ28歳だから次のロス五輪もいけるだろうし、逆に今からMMAを始めるのもちょっと厳しいかもしれない。(グレコローマン77キロで金メダルを獲得した)日下尚は23歳で若いし、彼はMMAが好きだから、可能性はあるかもですね。

――太田選手の活躍を見て「自分もやってみたい」と刺激を受けている選手もいますよね。

太田 いるでしょうし、「もっとできるだろ太田忍、負けてんじゃねえよ」って思ってる選手もいるかもしれない。僕がMMAで成績を残せないと、今後レスリングから転向してこようと思う選手も減ってしまうと思うんです。僕はそれを左右しかねない位置にいることを自覚しているので、そういう意味でもしっかり結果を残していかないといけないですよね。

◆太田忍
幼少期からレスリングを始め、2016年8月のリオデジャネイロ・オリンピックでグレコローマンスタイル59kg銀メダル獲得。その後東京オリンピック出場の道が閉ざされると、MMA挑戦を決意。20年大みそかにRIZIN初参戦にし、プロMMAデビュー戦ではベテラン・所英男に得意の腕十字を極められ一本負けした。

 22年7月に元谷友貴に判定負けすると、23年4月から倉本一真、瀧澤謙太に連続KO勝利。同年10月に佐藤将光に判定負けするも、大みそかに芦澤竜誠、24年4月に牛久絢太郎に連勝した。今回の『RIZIN.48』では前戦では苦杯を喫した元谷を相手に、着実に成長を遂げているMMAの技術とスタイルを見せつけ、リベンジと同時に次期タイトル挑戦へのチャンスをものにしたい。

●9月29日『Yogibo presents RIZIN.48』対戦カード
(さいたまスーパーアリーナ)
・ライト級タイトルマッチ
【王者】ホベルト・サトシ・ソウザ vs. 【挑戦者】ルイス・グスタボ
・バンタム級王座決定戦
井上直樹 vs. キム・スーチョル
・スーパーアトム級
伊澤星花 vs. 浅倉カンナ
・フェザー級
萩原京平 vs. 高木凌
・バンタム級
元谷友貴vs.太田忍
・バンタム級
牛久絢太郎vs.佐藤将光
・バンタム級
金太郎vs.秋元強真
・フライ級
新井丈vs.エンカジムーロ・ズールー
・ライト級
矢地祐介vs.宇佐美正パトリック
・フェザー級
カルシャガ・ダウトベックvs.木下カラテ

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