“妻子の存在”を公表した歌舞伎町ホスト、息子への想い「人一倍愛情を注いで育てる」

ワンオペ育児も完璧にこなす現役ホストのうみさん（TikTok：＠umi_cruiseより）

　事業が失敗し、借金返済のために東京・新宿歌舞伎町のホストクラブで働くうみさんは、TikTokで妻子の存在を公表。日常の様子を動画投稿し、いかに家庭と仕事をまわしているのか発信している。日中仕事の奥様に変わり、ワンオペ育児、家事をこなしながらも、日々心配しているのは息子の将来のこと。成長した時に本人が悩むことのないよう、できる限りのことをしたいと想いを明かしている。子育てや仕事への考え方について話を聞いた。

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◆親がホストだからと言われないように…人一倍愛情を注いで育てている

――子育てだけでなく、料理や洗濯、掃除と家事もしっかりされています。どのように仕事、育児、家事を両立させているのでしょうか？

【うみさん】　現在、週3～4日勤務に減らしています。育児には休みがないので、お互いを思いやって妻と分担できている気がします。特に担当はありませんが、妻は朝から仕事なので、夜中の授乳はなるべく私が対応しています。妻が仕事中の昼間の家事は私がやって、夜できることは妻がやってくれたり、意外と分担できています。それに妻も同じで、自然と気を遣ってくれている部分があると思います。

――ご夫婦での育児や家事の決まり事はありますか？

【うみさん】　決まり事は、「料理はオレがやる」というくらいで特にありません（笑）。

――「ホストとかの前に、普通にいいパパ！素晴らしいです。そして、羨ましい…うちのも見習ってほしいなぁ」という声もありますが、夫・親として日頃どのようなことに気をつけていますか？

【うみさん】　自分が辛い状況であっても、子どものことを最優先することです。世間的にホストの仕事は、普通の職業ではなく、あまり良く思われていない印象があります。いまはまだ、私の仕事内容がわからない年齢です。ですが成長した時に、「ホストをしていた親に育てられたから…」などと周りに言われ、本人がそれを悩んだり…そうならないように、人一倍愛情を注いで育てています。

◆奥様やお客様の心の内は…？「私の状況を理解し、純粋に応援してくれています」

――妻子がいることを公表してホストの仕事に影響していますか？

【うみさん】　お客さまが求めるものも人それぞれ違います。恋愛感情を持ってホストを応援したいと思う方が一定数いるので、既婚者ということで選択肢から外す方も少なくありません。ただ、私の存在を知る人を増やしていけば、そのマイナスも補えると考えています。

――子育てパパであることが、ホストの仕事にプラスになっていることはありますか？

【うみさん】　あります。TikTokを見て指名でご来店される方もいます。私と同じようなホストがいないので、印象に残り、以前より認知が上がっていることを実感しています。あと、ホストは業務時間外でもお客さまに誘われたり、誘ったりしないと来店してくれない方もいますが、そういったお客さまがいなくなりました。現在指名してくださるお客さまは、私の状況を理解し、純粋に応援してくれています。

――一般的には、30歳くらいでホストを引退すると言われています。

【うみさん】　私も30歳までには引退し、過去に失敗した経営の道での再挑戦を考えています。そのための資金を稼ぐことが、今の目標の1つです。

――子育てをしている姿がとても微笑ましいです。幸せを感じる瞬間はありますか？

【うみさん】　息子が寝ている姿を見て癒やされ、幸せを感じます。あとアニメを観てゆっくり過ごす時間も大切にしています。綺麗事のように聞こえてしまうかもしれませんが、息子や妻、身近な人はもちろん、お客様の笑顔を見ることに幸せを感じています。

　以前は、こんな風に思えなかったのですが、子どもが産まれてから自分自身も精神的に大人になったように感じています。あと妻の好きなところをよく聞かれるのですが、笑顔が素敵な魅力的な人です。息子もよく笑うので、妻に似たのかもしれません（笑）。

――「奥様とちゃんと連携とれてなきゃできない諸行だと思うので、奥様共々尊敬でしかない」という声もあります。職業柄、奥さまが心配したり、不安になることもあるのでしょうか？　

【うみさん】　妻がなるべく心配しないように、自分自身の言動に気をつけています。それでも、帰りが遅くなってしまうのではないのか、酔い潰れてしまうのではないのか、などと心配に思う時があるのかもしれません。ですが、そんな素振りを見せず、私の将来の目標のために応援してくれる理解のある良い妻です。