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声優事務所のコトリボイス営業終了で解散 不渡りや債務超過は否定で業界の現状説明

ORICON NEWS / 2024年9月2日 15時41分

声優事務所のコトリボイス営業終了で解散

 声優事務所・コトリボイスが、8月31日をもって営業終了し、解散したことを発表した。アニメ『金田一少年の事件簿』七瀬美雪役の中川亜紀子、『デジモンアドベンチャー02』井ノ上京役の夏樹リオらが所属しており、移籍先も説明した。

【写真】50歳に見えない!所属していた声優『金田一少年』美雪役の中川亜紀子

 公式サイトでは、「株式会社コトリボイスは令和6年8月31日を以て営業を終了し、解散致します。創業より十年の永きに渡り、皆さまには大変お世話になりました」と報告。

 解散理由については「不渡りや債務超過があったわけではありません。キャッシュに余裕のある状況での解散です。お仕事をお願いし、ご請求書を頂いた方には、間違いなく対価をお支払い致しますのでご安心ください」と説明した。



 「法人自体は来年の夏頃まで存続し、残された業務の整理にあたります。何かございましたらば、引き続き代表の子吉もしくは”info(アットマーク)kotori-voice.jp”までご連絡をいただければ幸いです」と呼びかけた。

 また、7月末時点で契約していた声優の移籍先も報告。下記にて記載がない声優はフリーとして活動し、仙川の録音スタジオは株式会社オトバンク様に移譲したことも発表した。

 また、公式サイトでは各事業や経営について説明している。

■タレントの移籍先
・中川亜紀子 mitt management
・夏樹リオ アプトプロ
・水桐けいと ラブトラックス
・夏代めぐみ クロコダイル
・根岸耀太朗 クロコダイル
・笹島かほる INSPIONエージェンシー(業務提携)

■声優プロダクション事業について
祖業ではなく、また売上の中心でもありませんでした。しかし株式会社コトリボイスは、声優の活動をバックアップする会社、声優プロダクションを目指しスタートしました。一番大切な事業です。声優プロダクションとして、フラットな人間関係を重視してきました。創業当時には昨今ほどパワハラが問題視されておらず、所属する事務所と声優、また声優間の間に強い力関係があることは当然とされていました。その状況に一石を投ずべく、努力を続けてきました。弊社と所縁のあった皆さんが、この習慣を受け継いでくれることを願います。

また、養成所やワークショップの経営には手を出さないと決めていました。出演料による売上ではなく声優志望者から徴収するお金で事業を支える風潮が業界にはあり、それに挑戦したかったからです。最後まで貫きましたが、やはり声優プロダクション事業単体で十分な利益を得ることは困難でした。しかし、この挑戦に悔いはありません。

■音声制作事業について
「声優」という産業は情報が十分に公開されておらず、ゲームや動画作品に音声を入れたくても、どこに相談したらよいのか分かりません。その上アマチュアや個人制作の場合は、門前払いされるケースも多かったようです。

コトリボイスでは、こうしたクリエイターの皆さんを支援することに取り組んできました。インディーゲーム、インディーアニメ、個人や小規模なチームでの作品のためにキャスティングや収録を手伝いました。

その後、コロナ禍では宅録も一般化し、ネット上で簡単に依頼できる業者も増えました。10年前に比べると、随分とハードルは下がったと思います。弊社がお手伝いしたインディー作品を見て、音声を入れてみようと思われた方もいらっしゃるでしょう。このミッションでは、一定の役割を果たせたと思います。

■企業として
完全フレックス、在宅勤務、各種休暇制度、保育料補助や短時間正社員制度を導入し、多様なライフスタイルの方が働き易い会社を目指してきました。採用では未経験者を選び、これまでの慣習に捉われない企業文化を目指しました。業界水準を上回る待遇は実現できましたが、他業種を含めた国内一般の給与水準には及びませんでした。近年の賃上げの潮流に乗ることも出来ませんでした。力及ばず、無念です。

声優プロダクション事業、音響制作事業はいずれも、お客様から頂いたご依頼に対応します。競争が厳しく値下げ圧力が強い状況で、これらの受託事業頼みになってしまったことが経営上の敗因です。自らコンテンツを制作・運営する事業の構想も進めましたが、残念ながら開花するには至りませんでした。

会社とは、起こすことは容易いが、閉じることは難しいものと心得ています。確かに私が知る限りでも、会社が無くなる=倒産は多くの混乱や恨みの源泉になってきたようです。弊社の解散はちょうど一年前から検討に入り、半年前にあたる二月の末には決断、社員を始め関係者の方々への説明、業務の引継ぎに時間を割いてきました。決して余裕があったとは言えませんが、最低限の務めは果たせたかと思います。

これからは愛娘との時間を大切にし、また別の形で社会に貢献する仕事をしたいと思います。本当にこの十年余の間、お世話になりました。皆さまお元気で。また会いましょう。

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