1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

スーツをめくれば、裏地に“推し”がチラリ…『ラブライブ!』コラボで新規ユーザーを獲得、進化するオーダースーツ

ORICON NEWS / 2024年9月6日 9時10分

スーツ裏地に『ニジガク』高咲侑がチラリ

 誰にでも“推し”がいる時代…スーツに推しキャラを忍ばせるオーダースーツの取り組みが話題になっている。これは「洋服の青山」を展開する青山商事と『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(以下『ニジガク』)のコラボにより実現したもので、同作に登場するキャラクターたちが着用するスーツをイメージしたオーダーメイドの『ニジガクブラックスーツ』(期間限定・数量限定)の受注を開始したところ、受注の新規顧客率が約6割を占め、“スーツ離れ”している若者層への認知に寄与している。箱推しのために“キャラクター集合カット”、控えめにアピールするために“校章カット”など、様々なバリエーションがスーツの裏地にプリントできるという。コラボの背景や本企画を進める上で心がけたことを同社担当者に聞いた。



【写真】”箱推し”必見、スーツ裏地に『ニジガク』メンバー全員が揃うと…?

■推し活には“さりげなさ”も肝心、推しの露出具合を調整できる仕様に

 同スーツは、同社が展開するオーダースーツブランド「SHITATE(シタテ)」を通じて提供されるサービス。「同じように見える」だけど「みんな違う」というキャッチコピーで展開され、大量生産の既製品ではなく、一人ひとりの体形や趣味趣向に合わせて仕立てることができる。一見すると普通のブラックスーツのようにも見えるが、「NIJIGASAKI HIGHSCHOOL IDOL CLUB」という文字がさりげなく刻印されているオリジナル刻印ボタン(800着限定)や、裏地にはキャラクターのイラストやネームがプリントできるなど、人によって推しの露出具合を調整できる個性豊かなスーツとなっている。スーツの裏地に推しキャラを忍ばせることで、大事な場面で背中を押してくれる“支え”になったり、推し活の場に着用することもできるとあって、これまでオーダースーツになじみのなかった層にもリーチしている。

 スーツの裏地は、好きなメンバーのイラスト、ネームとアイコンがすべて入った「フルカスタムセット」(計13種類)、好きなメンバー、もしくは校章、グループロゴのネームとアイコンが入った「シンプルカスタムセット」(計15種類)、そしてメンバーの集合イラストが入った「同好会カスタムセット」から選ぶことができる。これまでの購入者の中には、複数オーダーした人もいたという。

■「作品の世界観や推しを知っているということで、楽しさを感じてもらいたい」

 同社では、これまで裏地にイラストを入れる商品を手掛けたことがなかったため、商品化にあたっては、商品部とともに試行錯誤を繰り返しながら、念入りな調整を行った。裏地には、イラストが映えるということと、オールシーズン着用しやすいということで、ブラウンのカラーを採用。裏地を複数用意して、バリエーションを複雑にするよりも、イラスト以外の項目はシンプルに選びやすくということを心がけたことが、オーダースーツ初心者にも好評だったという。

 さらにキャンペーンが始まれば、多くのファンが来店することが予想されたため、全店舗の社員に向けた研修を実施。『ラブライブ!』や『ニジガク』がどういうコンテンツか。それぞれのキャラクターの説明といった共通認識を全国の店舗スタッフに浸透させていった。「私もアーティストのグッズを買うことがあるのでわかるのですが、一番悲しいのは受け止める販売員とお客様の間に“熱量の違い”があるときですよね。その差がありすぎると、途端に購買意欲も下がる。販売員も作品の世界観や推しを知っているということで、楽しさを感じてもらいたいと思いました」(販促部 河本部長)。

 そうしたポリシーは、フレッシャーズスーツの広告に2年連続でINIをイメージキャラクターに起用した経験が生かされているという。INIといえば若年層に人気のグローバルボーイズグループ。「まずは11人のメンバーについて勉強しましょうというところからはじめて、そこからフレッシャーズ商戦に入りました。INIのファンの方は女性が多いんですが、お父さまを店舗に連れてきてくださったこともありました。お母さま世代のファンの方は息子さんを連れてきてくださって『メンバー着用商品のコーディネートでお願いします』という具合に、名指しで購入くださったこともありました。やはり推し活をされているお客さまに対しては、受け入れ側もしっかりと準備をしなくてはいけない。その下地があったからこそ、『ニジガク』においてもすんなりと入ることができたと思います」(河本氏)。

■「スーツが仕立てられる目安を知っていただく良い機会になった」

 ビジネスウエアの分野も、近年はカジュアル化の傾向が強まってきているが、それでも以前は高価だったオーダースーツに価格競争が起き、徐々に安価になってきている現状がある。だからこそ、大事な商談、入学式、卒業式、結婚式など、ここぞという時に着用できるような場面では、個性やこだわりを求めるオーダースーツの需要が高まっていると同社営業部の小山氏。「弊社もオーダースーツに関しては後発なのですが、市場のリサーチを踏まえて、コストパフォーマンスの良い商品、そして納期も短く改善してお届けするようにしています。さらに全国682店舗のどこでもオーダーできるので、はじめてのオーダースーツを体験するきっかけにしていただければと思います」(小山氏)。

 「洋服の青山」の客層については、就活、入社といったタイミングでの若い層のニーズはあるものの、基本的なボリュームゾーンは40代、50代。そこで若い世代にオーダースーツをもっと身近に感じてもらおうと企画されたのが今回のコラボとなる。そしてその施策は見事にはまり、SNSなどでも「推しと一緒に働くことができる安心感」「仕事のモチベーションも上がる!」など、大きな反響を呼んだ。

 コラボをきっかけに、これまでの客層とは違う、女性客や、若い年齢層の顧客の来店も増えているという。「スーツはもちろんですが、同時期に販売がスタートしたグッズを目当てにご来店されるお客さまも多かったですね。池袋東口総本店では限定の装飾を展開しているのですが、池袋はアニメの街なのでアニメショップに行った流れで、こちらに立ち寄っていただくお客さまも多いです。『洋服の青山』は全国に682店舗を構えていますが、それでもまだ知らないというお客さまもいらっしゃるので、そういった面でコラボを実現させることができて良かったですね」(河本氏)

 コラボグッズの取り扱いは、47都道府県の中で必ず1店舗はグッズを取り扱うようにと調整が行われた。もし仮に近くの店舗での取り扱いがなかったとしても、オンラインストアで購入できるようフォローも万全となっている。またグッズ購入者の中で、3割の顧客が再来店しているというデータもある。

 そんな「ニジガク」とのコラボは10月末でいったん終了となる。「やはりオーダースーツというのは少々ハードルが高いと思います。その中で、洋服の青山であればこれくらいの予算でスーツが仕立てられる、といった目安を知っていただく良い機会になったと思います。自分の身体に合ったサイズ感、自分に合った特別な一着、というところは販売員がしっかりとご案内できます。今後、自分だけの一着を探したいと思った時に、スーツを仕立てるならば洋服の青山で、という流れにしていけたらと思っております」と意気込む河本氏。今後も意欲的なコラボ企画が用意されているということで、どのような展開となるのか、今から期待がふくらむ。

取材・文/壬生智裕

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください