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「エイリアン」シリーズの何が人の心を引きつけるのか 最新作フェデ・アルバレス監督を直撃

ORICON NEWS / 2024年9月6日 10時17分

映画『エイリアン:ロムルス』(公開中)(C)2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 本日(6日)より劇場公開が始まった『エイリアン:ロムルス』。1979年に公開された『エイリアン』(リドリー・スコット監督)から始まるSFホラーの名作シリーズの最新作で、7作目となる。45年も続いている「エイリアン」シリーズの何が人の心を引きつけるのか。フェデ・アルバレス監督に聞いた(オンラインインタビュー)。

【動画】映画『エイリアン:ロムルス』日本版予告

 大型宇宙船の中でエイリアンに次々と襲われる恐怖を描いた、1作目『エイリアン』。寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する宇宙最恐の生命体“エイリアン”は、映画史上もっとも独創的なクリーチャーと称され、その不気味なデザインや、主演のシガーニー・ウィーバーらキャストたちによる閉鎖された宇宙空間での凄絶な死闘が話題を呼び、「第52回アカデミー賞」視覚効果賞をはじめ数々の賞を受賞。「エイリアン」という言葉を、地球外生命体を表す言葉として定着させた。



 以来、「エイリアン」シリーズは、作品ごとに毛色が異なるものの、一貫した世界観で世界中の人々を魅了。最新作『エイリアン:ロムルス』も、先に公開を迎えた全米をはじめ、中国、イギリス、スペイン、韓国など、多くの国と地域で初登場1位を獲得し、「エイリアン」シリーズに求心力があることが証明された。

 アルバレス監督は「やっぱり世界観の大きさですよね。このユニバースの中でたくさんの物語を語ることができる。『スター・ウォーズ』のように観客に響くものがあるんだと思います。『エイリアン』も同じように作用するんじゃないかと。キャラクターだけではないんですよね。誰もが『エイリアン』の世界観に心ひかれ、またあの世界に戻りたいと願うのだと思います」と、同じ時代を歩んできた「スター・ウォーズ」シリーズを引き合いに出して、「エイリアン」シリーズの魅力を語った。

 続けて、「僕にとって『エイリアン』は、『スター・ウォーズ』のダークサイドの双子の片割れみたいな感じがするんです(笑)。公開時期も『エイリアン』は『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977年)の1年ちょっと後で、とても似ている美的センスを持った、ある種のアンサー・フィルムみたいな感じだったじゃないですか。より大人向けで、ダークで怖いトーン、そして『スター・ウォーズ』にはなかったスリルとホラーがあった。『スター・ウォーズ』が元気な間は『エイリアン』も元気に生き続けると思うんですよね」と、2大ビッグタイトルの類似と差異が魅力を増幅させていると持論を展開した。

 また、本作には、『ブレードランナー』(1982年、リドリー・スコット監督)の要素も感じられる、と指摘すると、アルバレス監督はそれを認め、「だって避けては通れないですからね。どちらもリドリー・スコットのユニバースであるわけで、僕たち多くのファンにとっては、『エイリアン』のユニバースと『ブレードランナー』のユニバースの境界線は曖昧(あいまい)だと思う。だから、監督として僕がオマージュを入れていなくても、『ブレードランナー』好きなアート・ディレクターやセット・ディレクターたちがイースターエッグをたくさん仕込んでいるのは知っています(笑)」と暴露。

 監督が気づいたイースターエッグは「『ブレードランナー』に出てきた折り紙です。今作のコックピットの中にも出てくるのでチェックしてみてください。ほかにもいろいろあります」と教えてくれた。

 もちろん、オリジナルである『エイリアン』とのつながりも。「オリジナルを知っていれば『おー!そう来るか!』と思ってもらえると思うし、観ていなくても楽しめるようになっています。僕を含めファンとしてスクリーンで観たいものもある。過去作とのつながりとか、たまらないですよね」。

 一方で、「過去シリーズをどれも観たことがない新しい観客の作品の理解を大きく損ねるようなことだと不公平だと思うんです。オリジナルを観ていない若い世代が冷めるようなことにはしたくなかった。新しい観客に(過去作でかつての観客が得られたような映画体験を)提供したい、そう思っています」と話していた。

 最新作『エイリアン:ロムルス』の舞台となるのは、人生の行き場を失った6人の若者たちが、生きる希望を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション“ロムルス”。専門知識もなければ兵士でもない等身大の若者たちが、宇宙最強にして最恐の生命体“エイリアン”に遭遇し、<生存率 0%の絶望>を味わうこととなる――。

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