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黒島結菜、『夏目アラタの結婚』で見せた怪演のココがスゴい【インタビュー】

ORICON NEWS / 2024年9月12日 8時30分

黒島結菜(撮影:山崎美津留※崎=たつさき) (C)ORICON NewS inc.

 公開中の映画『夏目アラタの結婚』で、死刑囚として服役中の“品川ピエロ”こと品川真珠を演じた黒島結菜。原作漫画(作:乃木坂太郎)で描かれたガタガタの歯並びや太った醜いピエロ姿の再現に挑み、劇中の登場人物だけでなく、観客までも翻弄(ほんろう)する真珠を怪演している。「毎日必死でヘロヘロになっていましたが、すごく楽しかった」と振り返った。

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 元ヤンキーで児童相談員の夏目アラタ(柳楽優弥)は、“品川ピエロ”の異名を持つ死刑囚、真珠(黒島)との初めての面会でいきなり“プロポーズ”する。その目的は、真珠が知っていると思われる消えた遺体の一部を探し出すことだった。毎日1回20分の駆け引きに翻弄されるアラタは、真珠のある言葉に耳を疑う。「ボク、誰も殺してないんだ」。2人の結婚は、やがて連続殺人事件の真相を巡って、日本中を騒がせることになる。



 「原作を読んでいても、脚本を読んでいても、本性が全く見えない、何を考えているか全くわからないキャラクターだったので、本当に私に演じられるのだろうかという不安が最初は大きかったです」。一方で、「やったことがない役だからこそ挑戦してみたいという思いもありました」。

 メガホンを取った堤幸彦監督とは、映画『十二人の死にたい子どもたち』(2019年)や配信ドラマ「SPECサーガ」シリーズを経て、今回が5作目。主演の柳楽とは8年ぶりの共演となる。「お二人がいてくださるなら、難しい役だけれども現場を信頼してチャレンジしようと決めました」。

■ガタガタの歯並びの再現がスゴい

 ただ、動き出してからが大変だった。まず、真珠の特徴的な歯並びをどう再現するか。「最初はマウスピースにするか、CGにするか、いろいろな話があったんです。でも、最終的にはマウスピースを使うことになり、やはり装着すると話しづらさはありましたが、普通の滑舌とは異なる感じになったことで、歯がボロボロであるリアルさが出ました。苦労はありましたが、そういう部分から真珠という役を作り上げていけたのはすごくありがたかったですし、良かったなと思いました」。

■肥満体型のピエロに変身した特殊メイクがスゴい

 連続殺人犯として逮捕されるシーンの太ったピエロ姿も、黒島自身が演じている。クランクインでいきなり太ったピエロ姿になったそうで、現場では3時間かけて特殊メイクを施した。「自分でも初めて見る姿で、まるで自分じゃないようでした。撮影自体は楽しかったと記憶していますが、完成したものを見たらちゃんと私の面影は残っていて、赤黒い返り血もリアルで…怖いと思いました」と、その出来栄えに恐怖を感じたという。

■原作リスペクトがスゴい

 撮影はほぼ時系列通りに進められた。「現場で堤監督が、目線はここ、手の位置はここで、顔の角度はこうで、この台詞のタイミングで寄って行って…と、シーンごとにかなり細かく動きの演出をつけてくださったんです。動きが決まっていたことで、真珠の考えを整理でき、演じやすかったです。監督の演出に100%応えられるように、毎日必死でヘロヘロになっていましたが、すべてが終わって思い返すとすごく楽しかったです」。

 中盤まで柳楽や弁護士役の中川大志らと、撮影の合間に雑談さえしないほど役に没頭していたという。「拘置所の面会室や裁判のシーンは一連で撮ることが多かったので、台詞や細かい演出を覚えるだけで手一杯でした。本番中も面会室はアクリル板で隔てられていましたし、法廷でも一人でポツンといる感じで、常に孤独を感じていました。真珠も寂しかったんじゃないかなって。彼女の言い分に共感できるとは言えないけれど、ちょっとわかるなという気持ちは生まれました。彼女なりに人との関わりの中で、誠実に向き合おうとしているのではないかと感じました」。

 完成した映画を観て、「真珠が面会室のガラスを割るシーンなど、現実離れしたキャラクターの心理状態を表現したシーンが映像でしっかりと描かれていて、原作へのリスペクトを強く感じられる映画ができたと思います。自分で演じたのに、自分ではないような感覚があり、とても不思議な気持ちでした。堤監督、スゴい!と思いました」。

 本作で黒島が新境地を切り開いたことは、疑いようがない。

■女子高生役も「まだいけそう」でスゴい

 「若手登竜門」と言われるアサヒ飲料「カルピスウォーター」のCMキャラクターに抜擢されてブレイクしてから約10年。27歳になり、仕事に対する考え方も変わってきたという。

 「以前は、今よりもっと自分に自信がなくて、『私でいいのかな?』という気持ちが強かったですし、うまくできそうもないものは避けてしまいがちでした。でも、最近は『いらないか、そういうの』って思えるようになりました。朝ドラのヒロイン(2020年前期連続テレビ小説『ちむどんどん』)を経験したことが大きなきっかけだったと思います。長期の撮影を乗り切るために、メンタルや体力の維持を考え、たくさんの共演者やスタッフの方々とのコミュニケーションで鍛えられました」。

 『夏目アラタの結婚』では女子高生の制服のような衣装も披露しており、インタビュー中には「(女子高生役も)まだいけるかな」といたずらっぽく笑った場面も。一方で、これまであまり縁がなかった職業ドラマについても、「教師、医師、弁護士などの役をやってみたいです。昨年は声の仕事にも初挑戦させていただいたのですが、これからもっと幅を広げていけたらいいなと思っています」と意欲を見せていた。

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