旅にケンカはつきもの? 普通の会社員から“旅に生きる夫婦”になった2人、年300日一緒に旅をしていても円満でいる秘訣とは
ORICON NEWS / 2024年9月13日 8時30分
昔から、「旅にケンカはつきもの」「誰と旅行に行ったとしても最後少しだけイラっとする」とはよく言われることだが、仲良い者同士であっても旅先での衝突はやはり避けられないものなのか。年間約300日、夫婦で旅をし、旅先の魅力をSNSで発信、今や290万人以上のフォロワー数を誇る『くぼたび 旅に生きるアラサー夫婦』の2人に、その現実と、旅先で喧嘩をしないためのルールなどを通じて、一般的な夫婦より長く一緒にいる2人だからこそ語れる夫婦円満の秘訣を聞いた。
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■生活面での不安が多かった初期、学んだのは“相手の大変さを理解すること”
「47都道府県すべてを主役に」をモットーに、年間約300日、夫婦で日本各地を旅しているゆうきさんとまなみさん。その様子を綴った長編の動画や、オススメのホテルやスポットを紹介したショート動画は「地元民からしたら何もない街だと思ってたけど、伝え方一つでこんなに魅力的に映るんだ」と話題になり、今や総フォロワー数290万人以上の人気を獲得している。
2人がこの生活を本格的に始めるようになったのは、結婚3年目の2020年1月のことだった。当時、まなみさんはライター、ゆうきさんは自動車メーカーに勤務しており、会社員生活を送っていたが、お互い旅好きだったことから、人生を旅に捧げたいと思うようになり、夢だった“旅に生きる”一歩を踏み出したという。
時はコロナ禍。会社を退職後、ゆうきさんはプログラミングを学びWEBエンジニアに。リモートワークが増えたことも、2人の決断を後押しする要因となった。極力、節約しながらも車で全国を旅できるため、2人はバンライフができるよう改造した車で旅をスタート。しかし、当初は「生活面での不安は大きかった」と振り返る。
【ゆうき】「フリーランスになったものの、思ったように生活できずに会社員に戻る人がたくさんいる現状を見ていましたので、簡単なことではないとはわかっていました。なので、とにかく2人して、リモートワークを8時間やったら、あと8時間はSNSに費やすとか、継続は力なりじゃないですけど、1年間は“走りながら考える”ことを大事に頑張ろうと話し合いました。ただ、まなみは頑張りすぎてしまう傾向があるので、体調や心を壊してしまうのではないかと心配で。好きなサウナでのんびりできる時間を作るとか、自分が運転している間、助手席でまなみが寝る時間をとれるようにするとか、休ませることを考えていました」
【まなみ】「当時は、とにかく毎日、ひたすら手を動かすことで、不安を解消していたように思います。ゆうきが気遣ってくれて、いろいろサポートしてくれていることは感じていて、ありがたかったですね」
その経験から、「相手の大変さを理解することが円満の秘訣」と笑い合う2人。とはいえ、当時はそこまで思い至ることができず、喧嘩も多かったそうで…。
■“ゆとりを持つこと”と“些細なことでも感謝の気持ちを伝えること”が円満の秘訣
旅中のケンカのエピソードを上げると、“食”対“写真”。海が見えるレストランで、早く料理を食べたいゆうきさんと料理の写真を撮りたいまなみさん。お互いの譲れない部分がぶつかってケンカに。チェックアウト前の行動がケンカの要因になることもあった。睡眠を優先して時間ギリギリに行動してしまうまなみさんと余裕を持って行動したいゆうきさん。1日中一緒にいるからこそ、性格の違いがはっきり出ることも“旅のあるある”だ。
また、予定の詰め込み過ぎもケンカの要因になるという。スケジュールに余裕がないと精神的にも余裕がなくなり些細なことでどんどん衝突するようになる。その状態を打開するために、2人は“できる限り余裕のあるスケジュールを組む”よう旅の方針を転換。時間に余裕を持つことで、精神的なゆとりが生まれ、「それだけでケンカはすごく減った」という。
【まなみ】「目的地だけを決めてあとは自由な状態にしておくと、道中、例えば車窓から見えた滝など、気になるスポットにふらっと立ち寄ったり、普段なら入らないお店に入ってみたり、その場その場で行動することが増えて、思いがけずに美しい景色に出合えたり、美味しいお店に遭遇したり、新たな発見ができるんです。その喜びを2人で一緒に共有できることで、旅の醍醐味をより一層感じられるようになりました」
さらにゆうきさんは、精神的な余裕が夫婦円満の秘訣になったことも明かしてくれた。
【ゆうき】「精神的にゆとりを持てるようになったことで、相手をそれまで以上に思いやれるようになって、お互いを気遣って、片づけにしろ何にしろ、気づいたほうがやって、やってもらったほうは日常の些細なことでもありがとうの気持ちを伝えるといういい関係が築けるようになりました」
「些細なことでも感謝の気持ちを伝え合う」ことを意識し始めた2人。実際、動画を見ていると、帰宅後何か作業をするたびに「ありがとう」「ごめんなさい」を言い合うなど、実に多くの場面でお互いが自然に発し、2人の間には優しい空気が流れていることに気づく。
それでも、「今も3日に1回は喧嘩する」ことがあるという。では、そんなとき、どういうふうに険悪なムードを解消しているのだろうか。
【ゆうき】「お互いちょっとイライラしてきて喧嘩になりそうだなとか、疲れているなと感じたときは、2人して好きなスーパー銭湯やサウナを探して行っています。そこなら男女分かれて過ごせて、適度にガス抜きできますから。旅先によっては、スーパー銭湯やサウナがなくて、どうしても一緒にいなければならないときもありますが、車で移動している場合は、音楽をかけたりしながら、お互い冷静になれるように、あえて喋らない時間を作っています」
■ライフステージが変わっても、仲良く旅を続けていきたい
2人で力を合わせながら、大好きな“旅“に生きる生活を始めて4年。今は夫婦2人だが、今後について、どんな展望を抱いているのだろう。
【まなみ】「私たちは“47都道府県すべてを主役に”と掲げて、地域おこしを大事にしているので、これからもそれを達成できるように、日本全国のいろいろな地域を廻って、日本の素敵なスポットをたくさん伝えていきたいと思います。たとえば、この先、子どもができたとしても旅は続けていきたいと思っています。今は夫婦で旅の思い出をたくさん作っていますけど、子どもができて家族みんなで大好きな旅で思い出を作れたらいいなと」
【ゆうき】「旅は体力勝負な一面もかなりあるので、身体が動く限り力を合わせて、仲良く旅をしていきたいと思います!」
(文:河上いつ子)
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