漫画家・三好銀の傑作「海辺へ行く道」シリーズ、横浜聡子監督・脚本で初映画化
ORICON NEWS / 2024年9月25日 17時49分
知る人ぞ知る孤高の漫画家・三好銀(1955-2016年)の最高傑作と名高い「海辺へ行く道」シリーズ(全3巻)が、初めて映画化されることが発表された。監督・脚本は、『ジャーマン+雨』『ウルトラミラクルラブストーリー』『俳優 亀岡拓次』『いとみち』でその都度、話題を巻き起こして来た、横浜聡子が務める。来年(2025年)晩夏に公開予定。
【画像】横浜聡子監督のポートレート
アーティスト移住支援をうたうある海辺の街が舞台。何やらあやしげな“アーティスト”たちが行ったり来たりするこの街でのんきに暮らす14歳の美術部員・奏介とその仲間たちは、大好きなモノづくりをしながら、縦横無尽のイマジネーションでどこまでも世界を愉快にする。
横浜監督は「2010年に『海辺へ行く道』に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)」と、愛して止まない漫画の映画化に挑んだ。
続けて、「三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう」と、コメントを寄せている。
原作者の息子でアーティストの三好風太氏は「原作をなぞるわけでも、かといって蔑(ないがし)ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とてもうれしく思います」と、映画化を歓迎している。
なお、横浜監督は、「第37回東京国際映画祭」(10月28日〜11月6日)アジアの未来部門の審査委員をつとめることも発表された。
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