17~27歳の子宮頸がんワクチン接種率5割未満、約6400人の命が失われる可能性 11月28日までに「接種を」強調
ORICON NEWS / 2024年10月3日 16時3分
エムスリー総研は3日、都内で開催した「子宮頸がんワクチンに関するメディアセミナー」において、子宮頸がんワクチン接種率が未だ5割に満たず、320万人が未接種であるという同社独自の調査データを公表した。公費負担の期間中に3回の接種が終えるために、11月28日までにワクチンの初回接種を呼びかけている。
【全身ショット】ふわふわワンピで登場した古村比呂
国立がん研究センターによると、子宮頸がんの年間新規罹患者数は約1万人、年間死亡者数は約3000人に上る※。子宮頸がんを予防するHPVワクチン接種は12~16歳は定期制度対象となっている。それを過ぎた17~27歳に対して費用を公費負担とするキャッチアップ制度が設けられているが、その期間が2025年3月で終了する。
セミナーでエムスリー総研所長の外海実氏が、HPVワクチン接種の現状に関して説明。エムスリー総研の調査によると、今年8月末時点で17~27歳のワクチン接種率が49.5%であるとのデータを提示した。接種率が80%程度のオーストラリア・カナダなどに比べて「非常に低い」とし、将来的に約6400人の命が失われる可能性があると警鐘を鳴らした。
HPVワクチン接種には、1~3回の間に半年間の間隔が必要とされていた。そのため、キャッチアップ制度期間中で3回の接種を行うには、9月末が初回接種の期限だった。しかし、外海氏は「医学的には4ヶ月の間隔であれば、医師の判断で3回接種できる」とし、公費で3回の接種ができる11月28日までの接種の必要性を強調した。
また医師で「みんパピ!」副代表の木下喬弘氏は、接種後にワクチン接種により子宮頸がんのリスクが約60%低下し、17歳までの接種では約90%低下するという海外のデータを紹介し、ワクチンの効果について解説。ワクチン接種後に起きる有害事象は、接種と未接種で頻度は変わらないとのデータを提示。さらに“有害事象”はワクチン接種との因果関係が不明な事象も含むものであるとし、用語について正しく認識する必要性を訴えた。
そのほか、子宮頸がんで闘病中の俳優・古村比呂も登壇。木下氏とのトークセッションを行った他、その後の囲み取材に応じた。古村は子宮頸がんの予防について、「予防と検診の違いを理解したほうがいい。ワクチンは予防、検診はあくまで早期発見。その違いがわかっていれば、予防と検診の受け止め方は違う。私たち患者も予防と検診の違いについて学び直ししたい」と語り、予防の重要性について語った。
※国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)より
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