「スター・ウォーズ」”ダークサイド”にフォーカスしたイベント 見立て作家・田中達也の新作ジオラマも展示
ORICON NEWS / 2024年10月12日 18時0分
世界的人気シリーズ「スター・ウォーズ」の魅力の一つである“ダークサイド”にフォーカスしたイベント「スター・ウォーズ/ジョイン・ザ・ダークサイド」が、東京・渋谷にあるホットトイズのフラッグシップ・ストア「トイサピエンス」で開催されている(12月15日までの期間限定、入場無料)。
【画像】展示されている田中達也氏のジオラマ作品
撮影で実際に使用されたダース・ベイダー、ダース・モールなど歴代“シス”キャラクターの衣装や、関連キャラクターの1/6スケールフィギュアの展示、イベント限定グッズの販売も行われる。最大の見どころは、世界的に人気のミニチュア写真家・見立て作家の田中達也氏が、同イベントのために制作した新作ジオラマ8点の展示だ。
田中氏は1981年熊本県生まれ。2011年にミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を開始。以後、毎日作品をインターネット上で発表し続けている。2017年にNHKで放送された連続テレビ小説『ひよっこ』のタイトルバックも担当した。著書に『MINIATURE LIFE』や、絵本『くみたて』『おすしがふくをかいにきた』などがある。
大の「スター・ウォーズ」ファンとしても知られ、多岐にわたる作品のテーマの中でも「スター・ウォーズ」関連の作品を頻繁に投稿している。そのきっかけは「祖母の家に『スター・ウォーズ』のビデオがあり、遊びに行くたびに見ていました。特に『帝国の逆襲』が好きで、家に帰ってからも映画の場面を再現して遊んでいました」と田中氏は語る。見立て作家人生の始まりには、「スター・ウォーズ」がベースにあったという。
「元々趣味で始めたことなので、その心を忘れないために作り続けています。スター・ウォーズ作品を立体として展示するのは初めてなので、毎日投稿してきた意味があったと感じています」とにっこり。
そもそも「スター・ウォーズ」映画には、“見立て”の作法が凝縮されている。展示作品の一つ「紙一重の勝利」は、「エピソード1のメイキングを見ると、綿棒に色をつけて並べ、ポッドレースの観客に見立てて撮影していました。今回、そのシーンを色鉛筆で表現してみました」と田中氏。
ミニチュア写真家という肩書き通り、作品の完成形は写真だが、タイトルにもこだわっており、「ミニチュアで制作する立体物は“形”の見立て、タイトルは“言葉”の見立て」としている。ダジャレとは一線を画すタイトルにも注目だ。
「写真では伝わらないサイズ感や情報量があるので、ぜひ実際に見てほしいです。自分で写真を撮ることもできるので、いろいろな気づきがあると思います」と田中氏は語っていた。
■田中達也氏による展示ジオラマ解説
●食らうどシティー
惑星ベスピンのクラウド・シティの風景を表現しています。お米(ごはん)を雲に見立て、ワイングラスをひっくり返して支柱にし、都市の部分は食器を使って、食事に関係するものだけで一つの風景を表現しています。クラウド・シティと、食べ物を「食らう」をかけています。英語のタイトルは「Have a Rice Trip!」にしました。
●紙一重の勝利
『ファントム・メナス(エピソード1)』に登場する、宇宙港都市モス・エスパで繰り広げられるポッドレースのシーンです。映画のメイキングを見ると結構見立てが使われていて、このシーンの観客は綿棒に色をつけて撮影していました。綿棒とは別のものを、と考え、色鉛筆にしました。観客が色鉛筆なので周りの風景は紙で作ってみました。
●惑星ホスで洗濯干す
『帝国の逆襲(エピソード5)』に登場する惑星ホスの戦いのシーンです。惑星ホスは、「(洗濯物などを)干す」と同音なので、洗濯物に関係するものでつくりました。雪の山肌をタオルで表現して、基地の一部を洗濯ばさみで作りました。AT-ATの足にワイヤーを絡めて倒すシーンは印象的な場面だったと思うので、ワイヤーを意識させるモチーフとしてミシン糸をおいています。
●“本”気の戦い
アニメシリーズや映画を通じて多くのファンに印象深いクリストフシスの戦いのシーンです。橋の部分は本、遠くに見える高層ビルが並ぶ景観は定規などの文房具でつくりました。多くの人形を使ったシーンを作りたいと思って作ったのがこの場面になります。ライティングで炎が燃えているように見せる写真でしかできない表現も大事にしています。
●インドアなエンドアの戦い
森林衛星エンドアの木々をブロッコリーで表現しています。木に見立てたブロッコリーはどんな国の人にも通じる僕の代表的なモチーフ。ブロッコリーの花言葉が「小さな幸せ」というところもミニチュアにぴったりだと思っています。
●デス・スター破壊のキー
『新たなる希望』のヤヴィンの戦いのシーンです。デス・スターの破壊が「スター・ウォーズ」の新しい歴史が始まる、まさにキーになっているシーンを、キーボードで表現しました。
●道なかばでリ“タイア”できない
ドラマシリーズ『マンダロリアン』のシーンです。マンダロリアンの名言といえば、「This is our way(我らの道)」がありますが、何か道を表現できるようなものにしたいと思い、ホームセンターで買った一輪車用のタイヤでペリ・モットーの修理屋の格納庫を再現しました。修理屋らしさを出すために、ペンチやニッパーなどの工具もおいてあります。スターファイターとレイザークレストがそろって出てくる本編シーンはないのですが、夢の競演も趣味のミニチュアなら再現できるところが醍醐味です。
●クールなバトル
『クローン・ウォーズ』のダソミアの魔女のエピソードから、アサージ・ヴェントレスというシスの弟子が裏切られて戦艦ごと爆破され、何とかそこから逃げ出すシーンを表現しています。宇宙の移動している戦艦の内側と外側には空気があるかないかの大きな違いがあります。それを中と外では温度差がある冷蔵庫で表現しました。
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