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BMSG代表SKY-HI×UM藤倉尚社長対談 オンラインが普及するほど上がる“オフライン”の価値

ORICON NEWS / 2024年10月23日 17時51分

UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU一周年イベントで対談したユニバーサルミュージック藤倉尚社長とBMSG代表のSKY-HI(C)ORICON BiZ online

 BMSG代表取締役CEOのSKY-HIこと日高光啓氏とユニバーサルミュージック社長兼CEOの藤倉尚氏が10月23日、東京・原宿で開催された『UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU一周年/MARVEL&MAZZEL POP UP STORE開催記念イベント』で対談した。“スーパーファン”“推し活”の熱量の高まりによるオンライン時代の“オフライン”の重要性を熱く語った。

【写真】アンバサダーに就任したMAZZEL、マーベルとのコラボアイテムも

 同イベントは、原宿・竹下通りの「UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU」が開店1周年を迎えたことを記念して行われたもの。ユニバーサルミュージック初のコンセプトストアとして2024年10月20日に開店し、BON JOVI、レディー・ガガ、宇多田ヒカル、HYDE、Ado、ME:Iら国内外のアーティスト18組、映画関連2作のポップアップストアを開き、年間30万人を動員した。



 藤倉社長は「原宿という場所で、海外の方にもすごく来ていただいています。1年間で30万人このお店に来てくれたなんて本当に感動的です」と感激。このショップがあることを理由にアーティストとの契約につながる例もあるとし「本当に一番うれしかったことです。契約の話をしているときに、『ユニバーサルは原宿のストアがあるからやりたい』と言ってもらったのが一番うれしかったです」と笑みを浮かべた。

 BMSGからは今年3月にMAZZELが出展。今回の開店1周年記念のタイミングでは、MAZZELが2度目のポップアップストア開催とともに、開店1周年記念アンバサダーに就任した。

 SKY-HIは「アーティストってモノを作るときに、当然音楽が背骨にはありますが、そこからのアウトプットとしてはCDジャケットやマーチャンダイズもそうですけど、目に見えるものにどうやって残していくか、すごく大切な要素であります。それを存分に発揮させていただける場所があって、お客さんにも存分に楽しんでいただける場所があるっていうのは、すごく夢がある。オンラインが広がれば広がるほど、力を持つオフラインの象徴的な場所だなというふうに感じております」と言葉に力を込めた。

 オープン当初の願いとして、ライブ会場以外でも「アーティストとファンがつながってほしい」と思っていたという藤倉社長は「アーティスト自身がファンと直接つながれる、ファンもアーティストとつながれる、ファンとファンもつながるような場所になったらいいなという思いがありました」と振り返る。

 SKY-HIは原宿という立地について「日本に興味がある海外の方からすると、東京、原宿というのは結構頭の方に出てくると思いますし。原宿はカオティックを作り出さなければいけないみたいな使命感もある場所かなと思います」と話し、「音楽を主軸としたユニバーサルミュージックさんの『UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKU』が存在感を示しているというのは、音楽業界全体にとって明るいニュースであるな、というふうに感じておりますし、そのアンバサダーにMAZZELを指名していただけるというのはこのうえない光栄です。MAZZELは『ほんのりと原宿っぽい』みたいな話をよくするんですけど、存分に原宿を発揮させていただければと思います」と、原宿とMAZZELの相性の良さをアピールした。

 開業2年目に入ったストアについて藤倉社長は「よりアーティストにもファンの皆さん、お客様にもワクワクしてもらえるようなことをやりたい」と意欲的。「ユニバーサルミュージックは日本のアーティスト以外にも、韓国、アメリカ、イギリスなど世界各国のアーティストが強みであって、2年目に入ってももっとワクワクしてもらえるようなことをやりたいなと。この場所じゃないと見れない映像とか、アーティストが何かを残してくれたり、今日みたいにアーティストが来てくれたりとか、ワクワクドキドキをどんどん提供できるような、マンネリ化しないようなお店にしたい」と意気込む。

 オフラインの重要性を強調するSKY-HIは「オンラインでのプロモーションの施策なんてことを我々は年がら年中話し合っているわけですけど、結局、オフラインで楽しめる場所があるっていうことが全ての起源であります。ここで生まれた体験がまた広がって、次の感動とかが興奮を生んだりする。ここでアーティストの何か片鱗を味わって、次はライブで直接会ったりする。体験を直接味わえる場所というものは、エンターテイメントにとってすごく次のキーワードになると思っておりました」と話す。

 藤倉社長はオフラインやアーティストが表現する“モノ”の重要性に同調。「欧米ではストリーミング音楽配信で聞くというのが90%以上で、スマホで軽く聴ける反動で、逆にアメリカではアナログ盤がすごく売れるようになったりとか、アーティストが表現するものがすごく売れ始めています。『これからデジタルの時代』だと言ってきましたけど、逆のことが起きていて、去年のクリスマスにテイラー・スウィフトの音楽とグッズのコラボ商品を作ったんですけど、ものすごい反響でした」と事例をあげる。

 「アーティストに関するものは何でも欲しいとか味方したいという“スーパーファン”、日本でも“推し活”という言葉がありますが、アーティストを感じたい、応援したいというのがますます強まってると思います」と、ファンの熱量の高まりを実感しているという藤倉社長は「そういう中でリテールとかマーチャンダイジングというのは、アーティスト自身も自分のブランドとか、自分がやりたいことを表現できる場所だと思いますし、お客さんもそれを感じられる。非常に大切だなと。我々音楽会社も音だけ、映像だけを売るのではなくて、もっと力を入れてサポートしていかなきゃいけないなと思います」と熱弁した。

 「まさしく」と賛同したSKY-HIは「本当に無限大。クリエイティビティーとか発想しだいで、アーティストのタグがついたものを世の中に生み出せるっていうのは、ビジネスとしても当然可能性がでかいところですが、それよりもっと純粋に楽しい」と目を輝かせる。10月24日から同所で開かれるMARVELとMAZZELがコラボした『MARVEL&MAZZEL POP UP STORE』をひと足早く内覧したSKY-HIは「純粋に楽しかった。あれも欲しい、これも欲しいという気持ちにもなりますけど、純粋に空間自体、体験自体が楽しい。そういうものを作れる場所があるということは、すごく夢があることだと思っております」と声を弾ませた。

 会議室ではマーケティングやビジネスの話が多くなると自戒するSKY-HIは「そもそも小学生とか中学生のときに、好きなアーティストのCDの発売が水曜日なので、(店着日の)火曜日に走ってお店に行ったりであるとか、付随したマーチャンダイズがどんなものが出るのかワクワクしたりだとか、今使えるお小遣いの5000円で、タオルとTシャツを買ったらもうちょっとやばいぞみたいなことを考えながら、ここを抑えてこれを買ってみたいなことを何時間も考えていたあの時間そのものがすごくエンターテイメントだと思いますし、それは忘れてはいけないことだと思います」と原点に立ち返った。

 イベントの最後にSKY-HIは「藤倉社長との対談の中でも何度か話が出てきましたが、オフラインの価値はオンラインが普及すればするほど上がっていくものだと思います。ライブ会場以外でもリアルな場所をいただけるということは大事にしていきたいなと思いますし、全てのアーティストにとってリアルな場所、オフラインの場所というものの価値は今後上がっていくところだなと思いますので、我々も気合を入れて、音楽活動を軸に、楽しい体験を皆様に提供できるように頑張っていきたいなと思います」と総括した。

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