韓国俳優の役者魂『対外秘』イ・ソンミン、年老いた役を演じるため頭髪の一部を剃って役づくり
ORICON NEWS / 2024年10月27日 13時0分
ガンを飛ばすスンテ(演:イ・ソンミン)=韓国映画『対外秘』(11月15日公開) (C)2023 PLUS M ENTERTAINMENT AND TWIN FILM/B.A. ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.
映画『悪人伝』(2019年)のイ・ウォンテ監督による韓国映画『対外秘』が11月15日より全国公開される。出演は韓国映画界のトップに立つ、『工作 黒金星と呼ばれた男』(18年)のチョ・ジヌン、伝説の存在となった『KCIA 南山の部長たち』(20年)のイ・ソンミン、大注目の『犯罪都市 PUNISHMENT』(24年)のキム・ムヨル。極秘文書をめぐる緊迫感MAXの攻防劇を、一切のタブー無しで描き切り、絶対に予測できない結末へと観る者を突き落とす、息もできない驚愕のサスペンス。
【画像】かわいいイ・ソンミン
舞台は、1990年代の釜山。党の公認候補を約束されたヘウン(演:チョ・ジヌン)は、国会議員選挙への出馬を決意する。ところが、陰で国をも動かす黒幕のスンテ(演:イ・ソンミン)が、公認候補を自分の言いなりになる男に変える。激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した“極秘文書”を手に入れ、チームを組んだギャングのピルド(演:キム・ムヨル)から選挙資金を得て無所属で出馬する。地元の人々からの絶大な人気を誇るヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが戦慄の逆襲を仕掛ける。だが、この選挙は、国を揺るがす壮絶な権力闘争の始まりに過ぎなかった──。
荒々しく粗雑な街で、国と国民に尽くそうとした男が、悪の権力者によって切り捨てられる。リベンジに燃える男は、国家を揺るがす“極秘文書”を手に入れ、自らもダークサイドに堕ちる覚悟で、巨悪への反撃に出る。権力を競い合う表社会の政治闘争と、莫大な金を巡り命まで奪い合う裏社会の死闘が幕を開け、だまし合いと裏切りの心理戦、襲撃と返り討ちの無限ループが始まる。
本作で注目したいのが、“悪の最上級”とも言うべき残酷な支配者・スンテの姿を体現したイ・ソンミン。日本でもリメイクされ話題となったドラマ『ミセン未生-』(2014年)では、よれ切ったワイシャツ姿ながらも部下を守る強さを備えた人間臭いサラリーマン役でその年の演技賞を席巻、『工作 黒金星と呼ばれた男』では冷酷な北朝鮮の高位幹部、『ビースト』(19年)では毛細血管が破れるほどのこん身の演技を披露。これまでに100本近くの映画やドラマに出演し、あらゆる役を完璧にこなし、そのすべてで強烈な印象を脳裏に焼き付ける演技の幅の広さは”韓国一”とも呼び声が高い。
最新作となる本作で演じた“スンテ”は己の正義を信じる主人公、弱小政治家のへウン(チョ・ジヌン)に立ちはだかる悪のカリスマ。陰で政界をも動かす圧倒的なカリスマ性と、歯向かうものは容赦なく抹消する残虐性を併せ持つ権力者だ。物語冒頭では、国会議員になるために自分の下で苦汁を飲み続けたへウンをいとも簡単に失脚させ「世の中は汚く、人生は悲しいものだ」と突き放す。虫ケラのように捨てられたへウンは凶悪なヤクザ・ピルド(キム・ムヨル)と共謀し、裏ルートで手に入れた“極秘文書”を盾に無所属で出馬。地元の人々からの絶大な人気を誇るヘウンは支持率1位を獲得するが、またもスンテが戦慄の逆襲を仕掛ける。終わりのない報復の連鎖にへウンは徐々に狂気と暴力に囚われていく。
イ・ソンミンは自身が演じたスンテについて「スンテこそ『対外秘』です(笑)。僕たちはよくわからないけど、スンテのように見えないところで世の中を動かす人物がいるのでは?とたまに思っています」と一夜にして党の公認候補を覆す力を持っているが、年齢も、職業も、出身も不明なスンテの魅力に触れ、「ミステリアスに見せるため、わざわざ彼のエピソードや過去は作られなかった。キャラクターの歴史をたくさん知っているからといって演技ができるわけではない」と演技に対する自身の哲学を明かした。
『復讐の記憶』(22年)に続き本作でも年老いた役を演じるため、”頭の一部を剃る”という役者魂を見せつけたイ・ソンミン。「年を取るほど、自分について知っていくことになると思う。そうしながら自分を変える能力が身についた。また若いときは役と自分を区分しようと努力していたが、今は気にしない。ひとつになった感じというか。俳優としての自尊心が高まったゆえだと思う」と本作の”スンテ”を通じてさらなる演技の境地を見出したようだ。
正義感にあふれた男ですらいつの間にか“悪”に染め上げる”圧倒的な悪”。キャリア24年、イ・ソンミンがたどり着いた悪の境地は必見だ。
本作は、「第37回東京国際映画祭」特別上映部門へ出品されており、11月3日に日本最速上映となるジャパンプレミアを実施。上映後にはチョ・ジヌン、キム・ムヨル、イ・ウォンテ監督の登壇も決定している。
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