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顔半分に白斑・アザを持つ女性たちの戸惑いと葛藤、あえて“晒す”ことでコンプレックスを強みに

ORICON NEWS / 2024年10月27日 13時10分

白斑愛リストあんさん

 顔半分アザを持つあんさんとRICACOさん。あんさんは後天的に白斑に罹患、RICACOさんは生まれつき単純性血管腫を持っている。状況は違えど、顔半分アザを持つことへの戸惑いや葛藤はあったと二人は語る。彼女たちが、それぞれどうやってアザと向き合っていったのか。それぞれのエピソードをあらためて振り返る。

【動画カット】すっぴんから激変…白斑を巧みに隠していく、アイリストあんさんの休日メイク

「TikTokを始めるまでは、自分を正直受け入れることができていなかった」SNS投稿が好機に

 4年前に、白斑を発症したあんさん(@an_na07050)は、「きっかけは何もなく、ある日朝起きたら、おでこの真ん中あたりに10円玉くらいの大きさの白斑ができていた」という。



「症状も本当に皮膚が白くなるだけです。診断された当時は、やっぱりそうかという気持ちでした。その病院では治療法がないとのことだったので、一生この顔なんだ…とすごい絶望感に襲われたのを覚えています。とにかく、人目が気になりました。すっぴんで外を出るとジロジロ見られたり、仕事中に『顔どうされたんですか?』と聞かれていた当時は、どう言ったらよいのか分からずおどおどしていました」

 そんなあんさんが白斑を隠すメイク投稿をするようになったところ、「メイクしたら全くわからなくなった、すごい!」「白斑関係ないくらい可愛い」などの多くのコメントが寄せられた。SNS発信によって白斑への捉え方は変化したのだろうか。

「TikTokを始めるまでは、自分を正直受け入れることができていなかったと思うのですが、皆さんが温かいコメントをくださるので、自分のことを少し好きにはなれたと思います。でも正直、まだ受け入れられていないというか、白斑を許しているわけではないですね(笑)。ただ、私の場合は周りに恵まれました。専門学生の時に症状が出たのですが、周りの友達は私の顔がどんどん白くなっていっても、いつもと変わらず普通に接してくれたり、逆に笑いに変えたりしてくれたので助かりました! 逆に大人になってから社会に出て、家族や友人じゃない方たちからの目線や言動が少し寂しかったです」

 現在は白斑を治したいという想いから、今年の4月に皮膚移植をした。

「完全に皮膚に色がつくまでに、1~3年はかかるそうです。正直、移植後はしばらくすっぴんで仕事にも行かないといけないので、自分の見た目について見慣れてきたと思いつつも、メイクする時はやはり一生懸命白斑を隠してしまうので、白斑じゃなかったらどんなに楽か…といつも思います」

■「他の誰とも違う、私にしかない個性」そこに至るまでの2度の転機と母の愛情

 生まれつき顔に大きな赤アザのあるダンサーで振付師のRICACOさん。TikTokではダンス動画のほか、あざを生かした遊び心のあるメイクやカバーメイクを発信。エンタメ精神あふれる明るいキャラクターとポジティブなメッセージは多くの視聴者を惹きつけ、2022年は資生堂のCMに出演した。そんなRICACOさんは単純性血管腫を持ち、顔の左側に赤いアザを持って生まれた。

「子どもの頃から人前で何かをするのが大好きで、小学校でもよく友だちと漫才とかダンスをしていました。口の悪い子に『赤ピーマン』とあだ名を付けられても、ひるまず言い返してましたね。勝気な性格は親譲りだと思います」

 転機が訪れたのは、小4の時。ミュージカルスタジオに入所したものの「発表会に出たくない。大勢の知らない人にアザを見られるのは嫌」と拒むRICACOさんに、講師がカバーメイクを施してくれたのだ。

「とにかく“みんなと同じ”になれたことがうれしくてうれしくて。そこからカバーメイクを研究するようになり、中学校に上がってから大学を卒業するまでずっとアザを隠してきました。SNSで初めて素顔を投稿したときには、同級生も『知らんかったわ!』と驚いてましたね」

 大学卒業後、憧れの企業へダンサーとして就職したことでまた転機が訪れた。そこで働く条件は「スッピンで活動できること」だったのだ。

「何年もアザを隠してきたので、最初は悩んだんです。それでもダンスを仕事にしたいという気持ちが強くて、エイヤッとスッピンで初出社しました。そしたら、誰もアザのことをジロジロ見たり言ったりしなくて。いわゆる“大人の対応”だったと思うんですが、そのときに気づいたんです。『アザ=ネガティブなものと思い込んでいたのは自分だったのかも?』『コンプレックスで自分を縛ってたのは自分だったのかも?』って」

 その気づきは素顔で投稿したSNSで確信に変わった。

「ありのままの自分でいることが、こんなにも人を前向きにできるんだと知ってから、コンプレックスだったこのアザが誇りに思えるようになりました。他の誰とも違う、私にしかない個性なんだって」

 現在RICACOさんのもとには自らのアザがある人のほか、「子どもにアザがある」という親からの相談も多く寄せられるという。

「実は私も1歳のときに1回、小5~中1にかけて5回、レーザー治療をしています。ドシッとした親でしたが、やっぱり心配してくれてたんだなと思いますね。当時と比べて今は治療器もよくなってると聞きますが、アザの種類によっては消すのが難しいケースもあるようなので、アザを取っても取らなくても、自分を認めてあげるのが大事なような気がします」

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