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“人よりアゴが長い”をどうとらえる? 好きになる方法を模索する女性&武器に変えた男性…さまざまな容姿への価値観

ORICON NEWS / 2024年10月28日 6時30分

顎変形症の手術を経験したトカゲさん

 顔の特徴一つをとってもそれが長所として武器にする者もいれば、コンプレックスとして短所として受け止める者も。今回ORICON NEWSでは“アゴ”によって自身の顔への向き合いに変化があった二人に取材。持って生まれた“アゴ”の捉え方によって変化したマインドやエピソードを、あらためて振り返った。

【写真】顎変形症のトカゲさん、激変した手術後…横顔・正面のビフォーアフター

■学生時代男子から心ない言葉に苦しんだ“顎変形症”の女性 手術後も「まだまだ現在進行形でコンプレックスを解消できていない」

 顎変形症を患い、それによって悩んできたというトカゲさん。なかでも「中学時代は顔のコンプレックスが一番助長された時代だった」と語る。



「とくに中学生男子の威力はすごくて、下校時にアゴの特徴のある有名人の真似を後ろからされたり、席替えで隣になった男子に『お前アゴでかいな』と言われたり。

 激しいいじめにあっていたわけでなかったですが、顔に関する陰口は絶対に言われていて、ちょっと浮いていました。グループから浮いていたりハブられていたり、今思えば人間関係の築き方がわからなくて、私のコミュ力も欠落していたと思うので、要因は一つではなかったかもしれませんが、すべて顔がブサイクだからなんだと思っていました。家から帰っては鏡を見て数時間泣いたりすることが多かったです」

 そういった体験から高校時代はアゴへの強いコンプレックスから「3年間必ず顎にマスクをかけていて、絶対に顎を見られないように意識していた」という。

 その後、悩みの種だったアゴは「顎変形症」という病気だったことが発覚。手術を経て「自分のことを最強クラスのブスだと思っていたが、術後は普通になれているかなと感じることも多くなった」と語る。「マスクをせずに外出できるようになったことが何より一番嬉しかった」とも。

 現在は同じように悩む人に向けて自身のことを発信しているトカゲさん。自身の投稿を通して「一人でも多く顔面に対する悩みが緩和されてほしい」と話す一方で、自身の顔に関する悩みはまだまだ尽きない。

「私もまだまだ現在進行形でコンプレックスを解消できていません。もっと自分を肯定できるように、自分を好きなれるように、模索している最中です。同じようにコンプレックスを抱えている方とともに一緒に悩んでいきたいです。そして少しでも改善していって、最終的には顔面に囚われなくなることが目標です。その過程を発信していけたらいいなと思っています」

■アゴの長さでSNS投稿する男性 背景に『アゴが長いのが武器になる』成功体験

 自身の長いアゴをネタにSNS投稿をする城之内さん(@agonagasugi_)。なかでも幼少期から現在まで自身のアゴが長くなるに至った変遷をまとめた動画投稿には、「ここまで面影ないのか」「生まれつきじゃなくて徐々に伸びている」「どこかで別人と生まれ変わった?」など、困惑と驚きのコメントが多く寄せられているが、そういった反響に対して「みんな良い反応してくれて嬉しかった」と話す。

 そもそも彼が自身の長いアゴを“武器”と捉えたのは、服のモデルをしたことがきっかけだ。

「自分で服のデザインしてる人が友達のストーリーに載ってた僕を見て衝撃を受けたらしく…(笑)。『攻めたデザインの服に見合うくらいインパクトある人を探してて、モデルしてみない?』と声をかけられました。実際反響も良くて、『アゴが長いのが武器になる』という成功体験がかなり背中を押してくれました」

 小学5年生くらいから伸び始めたという城之内さんのアゴ。成長期や姿勢の悪さが原因ではないかと本人は分析するが、「『身長伸ばそうと牛乳飲んだらアゴだけ伸びた』って言うと、わりとウケるので、そんなふうに言うことが多いです」とあっけらかんと話す。コンプレックスというよりもポジティブに捉えている姿が印象的だ。

「「自分が元々アゴをいじって笑いを取るタイプだし、(アゴを活かして活動することについて)僕にしかできないと思っています。

 人間誰しも長所と短所があるので、気持ちの大小あれど、コンプレックスがない人間ってなかなかいないと思うんですよね。だからこそ、自分の良いところをもっと見て自分を好きになるのが一番だと思ってます。そうならないくらいコンプレックスが大きい人がいるのもわかるのですが、なんでもいいから自分を好きになるべきだと思います」

 両者の取材から見えたのは、“アゴ”が長いという特徴をどう捉えるかは、他者からの見られ方、受けとめられ方によるところが大きいことだ。ルッキズムへの価値観が問われ、SNSが日常の一部となった今だからこそ、容姿への評価はその人の一生を左右する凶器になりうることを留意しなければならない。

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