『キンキーブーツ』出演で話題の東啓介、デビュー10周年の集大成を飾るソロコンサートでファンを魅了
ORICON NEWS / 2024年10月30日 19時9分
俳優の東啓介が10月29日、デビュー10周年の集大成となるソロコンサート『Connecting Puzzles vol.2』を東京・有楽町 I'M A SHOW(アイマショウ)にて開催した。
【写真】かぼちゃの帽子をかぶって「ハクナ・マタタ」を披露するチャーミングな東啓介
現在上演中のミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』や、『VIOLET』、『ラグタイム』、『ジャージー・ボーイズ』などのミュージカルや舞台をはじめ、THK/CX『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』、TBS『ファイトソング』など幅広く活躍中。2025年4月からは、ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』チャーリー・プライス役での出演が控えているなど、さらなる飛躍が期待される東。
今年2月によみうり大手町ホールで開催された第一弾に続き、2回目となる今回のソロコンサート。ミュージカルの名曲から、邦楽に洋楽、弾き語り、そしてダンスまで、多岐にわたる魅力が光った同コンサートのオフィシャルレポートが到着した。
ハロウィンらしく、鮮やかなオレンジ色のシャツが印象的な衣装で登場した東。まずは今年4月に上演され、東自身も出演したミュージカル『VIOLET』から、「Let It Sing」を披露。東の生の歌声が発せられると客席側はクラップで応え、一体感が生まれた。役としてではなく、東本人の感情と伝えようという意思を乗せて、パワフルにソウルフルな歌声が響き渡る。
そして、「前回の『Connecting Puzzles vol.1』のときにこのタイトル(Connecting Puzzles)をつけまして。ライブのタイトルが決まっていると、2回目、 3回目と積み重ねて密度の濃い時間になり、みんなと共有するものがたくさんできていく。パズルをどんどんつなげていって最終的には大きな絵になるように、これから一緒に育んでいきたいので、ぜひよろしくお願いいたします!」と挨拶。
ライブを通した交流が楽しくて仕方ないといったテンションで、「一緒に楽しみたいというのがひとつテーマで、『〜 vol.2』で新たなライブをお届けできたらなと思っていますので、ミュージカルの名曲を2曲続けて歌います」と、曲の紹介&解説などを挟みながら進行していく。
「Corner of the Sky 」(ミュージカル『ピピン』)はしっとりとピアノ伴奏に乗せて歌い出し、伸びやかに力を増していった。「過去に2回歌ったことがあって、自分に合っている気がするので、勝手に持ち曲にしようかと思っています(笑)」と語り、続く「Cry for Me」(ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』)はコーラスワークの映えるアレンジで披露。「何度目かの転機となった作品で、とても大切な役でした。今回はコーラス入りで本番により近い形で届けることができたのもうれしかった。みなさんも2020年と2022年公演の記憶が少しでも蘇ったのでは!?」と客席に問いかけると拍手が沸き起こった。
続いてのブロックでは「Go The Distance 」(映画『ヘラクレス』)、「ハクナ・マタタ」(ミュージカル『ライオンキング』)とディズニー作品からの名ナンバーをセレクト 。「ハクナ・マタタ」では、ハロウィン風のかぼちゃの帽子をかぶり 、ダンサー とともにコミカルでポップなステージを展開した。耳に手を当てて拍手をリクエストする茶目っ気あふれるポーズに、ファンも喝采で返すなど、温かな交流場面も。
また、今回は「自由を求めて」(ミュージカル『ウィキッド』)をはじめ、女性が歌う曲を意識的にセットリストに加えたという。「舞台上では演じられない役であり曲なので、こういう場所でしかお届けできない特別な曲として歌わせてもらいました」と明かす。
歌唱力、表現力ともに成長し続けてきた証をミュージカルナンバーで、さらにバンド曲、女性ボーカル曲に洋楽とジャンルに縛られずに音楽の楽しさを体感しながら伝えて、共有する。中盤は「有心論」(RADWINPS)をキーボードの弾き語りで熱唱。ピンスポットが当たる中、ワンフレーズ歌ったところでバンドが入り、言葉数の多い曲をしっかりと、力強く鍵盤を叩きながら歌い終えた。高校時代、怪我でテニスをやめ、途中から軽音部に入りたいと思ったものの、バンドには入れずに一人でやっていたから、こうして一緒に奏でられるのが嬉しいと振り返り、「バンドと一緒に弾き語りができるなんて、夢が叶っちゃった」と語った。
その後、バンド曲から一転、ピアノとバイオリンのイントロでしっとりと歌い始めたのは、クリスティーナ・アギレラの「Beautiful」。原曲の持つエモーショナルさに加えて、東の伸びやかな声で爽やかに届ける。さらに、ソロコンサートのために作詞を担当した新曲「ものがたり」では、美しく力強いメロディーに乗せて、これまでの軌跡で感じたことが素直に言葉にされていた。「みんなでアイデアを出して何かを作り上げていくという、こんなに幸せなことってないなと。いろんなたくさんの人と出会うことによって、どんどん僕の“本”ができあがっていく。その本をみなさんが読んで、東ってこういう人なんだと知ってくれたらと、そんな思いで作詞をしました」と、新たに増えた大切な曲について説明。
コンサートも盛り上がりを見せるなか、現在上演中のミュージカル『DEATH TAKES A HOLIDAY』で共演している内藤大希がゲストとして登場(15時公演のみの出演)。まずは内藤がソロで「So Close」(映画『魔法にかけられて』)を高らかに歌い上げる。その後、東が再登場し、この場でしか味わえないスペシャルなデュエット曲として選曲した、HYの名曲「366日」を披露。ピアノに深みのある声で東が歌いだし、内藤へつなぐ。向かい合って歌い、声を重ね合わせながら、観客を引き込んでいった。
終盤もかなりワイルドにアレンジした「Automatic」(宇多田ヒカル)に「丸の内サディスティック」(椎名林檎)と、攻めたセットリストを展開。誰もが知る歌だからこそ、斬新さも際立つというもの。間奏ではダンスも披露し、クールな表情で客席を酔わせる仕掛けも。「絶対に知っている曲を選びたかったのと、女性アーティストのカバーをやってみたかった。一緒に歌いたくなるような、そんな一秒一秒を作っていきたいと思っていたので!」と笑顔で語る。
本編ラストを飾ったオリジナル曲「こえ」では、歌に込められたメッセージが、しなやかで厚みのある歌唱によって届けられ、心地よい余韻を残した。来春上演のブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』では念願叶ってチャーリー・プライス役をオーディションで射止めた東。今後のミュージカル界を担う人物として注目される実力者ならではのミュージカルナンバーにポップスのカバー、そして自ら作詞したオリジナル曲など、全15曲を披露。アンコールの「陽ざしの中へ」(ミュージカル『ノートルダムの鐘』)では、すべての音と声がひとつにまとまり、温かく笑顔にあふれたコンサートは終演を迎えた。
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