【東京国際映画祭】エシカル・フィルム賞に『ダホメ』 植民地主義を美術品の返還通じて考察
ORICON NEWS / 2024年11月5日 15時39分
『第37回東京国際映画祭(TIFF)』のエシカル・フィルム賞の受賞式が5日、都内で行われ、ワールド・フォーカス部門出品『ダホメ』(マティ・ディオップ監督、ベナン・フランス・セネガル)がグランプリに輝いた。
【写真】監督の一面も…エシカルの理念について語った齊藤工
同作は西アフリカのベナン共和国にかつて存在したダホメ王国からフランスに接収された美術品が返還される過程を追い、植民地主義について考察するドキュメンタリー。同作について審査委員長を務めた俳優の斎藤工は「ヨーロッパがこの映画の制作に関わり、評価したりするっていうことに、ある種皮肉めいたもの、映画のジャーナリズムみたいなものをとても強く感じました」と講評した。
加えて、同作品が映画祭のエシカル・フィルム賞として受賞することの意味合いについて、「この作品をアジアで、日本で賞を与えるっていうことの意味合いですね。この作品のベナンの方、監督含めて、ヨーロッパとアフリカで関係するんじゃなくて、やっぱり映画を通して世界に届くっていうことの意味合いを、もしかしたらエシカル・フィルム賞として関わらせていただくことになるんじゃないかな」と振り返った。
同賞は、映画を通して環境、貧困、差別といった社会課題への意識や多様性への理解を広げることを目的として昨年新設。「人や社会・環境を思いやる考え方・行動」という「エシカル」の理念に照らしてノミネートした3作品『ダホメ』(ワールド・フォーカス部門出品)、『ダイレクト・アクション』(ワールド・フォーカス部門出品)、『Flow』(アニメーション部門出品)がノミネートされた。
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