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有村架純×坂口健太郎:4度目の共演『さよならのつづき』がもたらす新たなラブストーリー

ORICON NEWS / 2024年11月16日 8時30分

有村架純、坂口健太郎(撮影:吉原朱美) (C)ORICON NewS inc.

 ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ)、映画『ナラタージュ』、劇場公開もされたWOWOWのドラマ『そして、生きる』、そして、動画配信サービス「Netflix」で独占配信中のNetflixシリーズ「さよならのつづき」で4作目の共演となる有村架純と坂口健太郎にインタビュー。

【画像】幸せいっぱいのふたりの姿が切ない場面写真

――4作目の共演となると、安心して撮影に臨めたのでは?

【坂口】安心感は抜群でしたね。信頼もあり、どこか戦友のような関係でもあります。今回の作品は、単に2人の男女が出会って恋に落ちるラブストーリーではなく、難しい表現が求められました。4度目の共演ということもあって、信頼関係があったからこそスムーズに進んだ部分は多かったと思います。前回の共演から数年の間にそれぞれ経験したことや学んだことを、今回の現場で共有できたのではないかと思います。



【有村】一緒に過ごす時間が増えると、その人の良い面も悪い面も見えてきますよね。でも、坂口さんとは何度共演しても、そうした悪い面が見当たらないんです。むしろ良いところが増えていくばかりです。

【坂口】そんな風に言ってくれるなんて、ありがたいです。

【有村】本当は褒めたくないんですけど……

【坂口】遠慮なく褒めてください(笑)。

【有村】今回は本当に現場にいてくれて助かりました。


 「さよならのつづき」は、脚本家の岡田惠和氏による完全オリジナルストーリー。恋人の雄介(生田斗真)を、プロポーズされたその日に事故で亡くしたさえ子(有村)と、その雄介の心臓を提供されて命を救われた成瀬が、何かに導かれるように出会う。

 やがて、成瀬の中に雄介の記憶が“生きている”ことを知り、「雄介がそこにいる」と成瀬の傍にいたいと願うさえ子。「さえ子に会いたい」と“心”が思ってしまう成瀬は、命をくれた雄介が残した思いを叶えてあげたいと思うようになる。成瀬を支え続けてきた妻のミキ(中村ゆり)も巻き込み、思いもしなかった運命に翻ろうされていく3人は、どのようなラストシーンに着地するのか。

――脚本を読んでいかがでしたか?

【坂口】記憶転移もそうだし、ただ単に2人の男女が出会って恋に落ちるという話ではなく、それぞれに将来を誓い合った相手がいる中で出会うというのもいままでにないラブストーリーだな、と思いました。

――心臓移植で臓器提供者の記憶が移る、というレアな設定の物語ですが、どのように演じましたか?

【有村】医学的なエビデンスはないとしながらも、臓器移植での心身の不可解な変化を経験した実例が、たくさん報告されているそうなので、成瀬に起きる変化も現実にあり得るのかな、と思いました。物語はフィクションではありますが、リアリティを意識しながら演じました。

【坂口】成瀬がさえ子に「会いたい」と思ってしまうのは、雄介の記憶がそう思わせているのかもしれないし、そこの説明はつかないかもしれないし、ファンタジーなのかもしれないけれど、「会いたい」というのはリアルな気持ちなんですよね。

 ただ、僕が演じた成瀬は、物語が進むにつれ、自分の中に芽生えた雄介の記憶でさえ子が好きなのか、それとも自分自身が好きになってしまったのか、これまで尽くしてくれた妻もいて、自分は誰を愛しているのかわからなくなる。ものすごい葛藤の中で成瀬という役の時間を生きた感覚がまだ残っています。さえ子への感情がどの程度、成瀬として表現されるべきか、監督やスタッフ、共演者の有村さんと話し合いながらバランスを決めていきましたが、微妙な感情を表現するのは非常に難しかったです。

――有村さんが演じたさえ子は、勝ち気なところもありますが、とてもチャーミングな女性ですね。

【有村】今まで演じたことのないキャラクターで、無邪気でエネルギッシュな面もあり、猪突猛進で、気持ちを素直に表に出すタイプの女性です。彼女の喜怒哀楽をしっかりと表現できればと思いました。また、物語の中でみんなが「さえ子、さえ子」と親しみを持って接してくれる人物像を目指したいと思ったので、みんなから愛され、慕われる人ってどんな感じだろう、と考えながら、自分なりに肉付けして演じました。

――有村さんにもさえ子のような一面があるのではないですか?

【有村】さえ子ほどエネルギッシュではないですが、私も日常で笑ったりふざけたりすることはありますので、そういう面は自然と出せたと思います。

 第1話で、ハワイの空港でさえ子はストリートピアノを弾いている雄介と初めて出会う。第2話では、同じハワイの空港で成瀬が“まるで雄介のように”ピアノを弾くシーンがある。2人が弾いた曲はジャクソン5の「I Want You Back」。クランクインの1年前から猛レッスンし、自ら演奏。手元もすべて吹き替えなしの本人の映像で、迫真かつ感動的な演奏シーンとなっている。

――ピアノ、ご自身で弾いていたんですね。

【坂口】本当に死ぬほど練習しました。弾けそうになのに、どうしてもスムーズに弾けないのが、悔しくて。つらかったですね。

【有村】ピアノを弾くシーンを撮影する前に、たまたま支度場にピアノがあって、そこで披露してくれたことがあったのですが、その時はもう完璧でした。でも、本編で初めて聴きたかったかなぁ。

【坂口】架純ちゃんが演奏シーンのことをすごく楽しみにしていたことを後から知ったんです。僕としてはどれくらい上達したか見てほしくて、練習中に撮った動画を「見て、見て」って、見せびらかしていたから。申し訳なかったなぁ。

【有村】いえいえ、本編でもしっかり感動できました。

――今回、岡田さんは有村さんと坂口さんの意見も聞きながら脚本を完成させたと聞いています。

【坂口】さえ子、成瀬、ミキ、雄介をさまざまな角度から検討していた段階で、「僕はこう思います」と、お話させていただいたことがありました。

【有村】私もとても良い経験になりました。与えられたものをただ受け入れるだけではなく、自分の意思表示をすることも大切だと思いました。自分も積極的に関わることで、作品作りに一緒に参加しているという気持ちが高まりますし、自分の発言に責任と自覚を持って臨むことはプラスになると思います。

――最後に、視聴者にメッセージをお願いします。

【有村】タイトルの「つづき」という言葉に希望を感じます。生きていればつらいことに直面することもあるけれど、それでも、明日はやってくるし、人生は続いていく。この作品が、悲しみや別れの先にも前に進む力が人にはあることを伝え、一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。

【坂口】心臓の移植というテーマは特別なことかもしれませんが、さえ子や成瀬の人生や経験がリアルに描かれています。彼らの生き様を感じてもらい、見届けてほしいです。観てくださった人の人生の一部として記憶に刻まれる作品になったらいいなと思います。

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