市川團十郎、来年は菊五郎襲名の菊之助の側に 同い年の絆「お声がけいただければ、いつでも出る」
ORICON NEWS / 2024年11月21日 13時23分
歌舞伎俳優の市川團十郎(46)が21日、都内で2024年1月新橋演舞場公演『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』の取材会に登壇した。
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團十郎は、14年から毎年、新橋演舞場の1月公演に出演し、今回でお正月公演への出演は15回目となる。外題となっている『裏表忠臣蔵』は、七世團十郎が『仮名手本忠臣蔵』の全十一段を「表」とし、一段一段それぞれに創作場面をつけ「裏」として、全二十二幕で天保4(1833)年に初演した作品で、その後八世團十郎、九世團十郎へと代々受け継がれた。今回は『仮名手本忠臣蔵』を表、現代に合う新たな形で練り上げられる場面を裏として、忠臣蔵の世界にさまざまな方向から光をあて、現代の観客に古典歌舞伎の名作をより楽しんでもらえるような新たな『裏表忠臣蔵』を作り上げる。
取材会で團十郎は「私が子どものころの歌舞伎界の『忠臣蔵』は最も重たい通し狂言と言っても過言ではない。そして『忠臣蔵』は、どんな時でもお客さんが入るっていうのが歌舞伎の中での暗黙の了解だったんですけども、やはり近年、『忠臣蔵』をやってもお客さんが入らない月が出ている。なんでかと思ったら、歌舞伎の問題や役者の問題もあるんですけど、『忠臣蔵』は基本的に仇討ちで、名前は全部変わってますけど、大星由良之助の塩冶判官に対する主君を思う気持ちを一貫として貫く人間、日本人の魂みたいなものの理解度というものが薄れてきているんじゃないのかな」と推察。そして「その気持ちを古典で丁寧に表現することの重要性も大事なんですけど、私も改めて見てると、私ですら『難しいな、理解しづらいだろうな今の人には』って思うことが何個か出てくるんです。そういうところも、ちょっとなんとかしたいなっていう気持ちとか、そういう思いが強い。だから『仮名手本忠臣蔵』いうものは素晴らしいし、変えてはいけないですし、来年の3月には歌舞伎座ちゃんと通しもするわけですから。そういう意味では1つこういう提案もあるではないのっていうような気持ちで挑みたい」と意気込んだ。
また、22年11月に十三代目市川團十郎白猿を襲名。約2年にわたる襲名披露興行を終えたばかりとなる。来年について問われると「来年は菊之助さんの襲名に、できる限りそばにいたい。だって、それは同級生ですし。やっぱり困った時に呼ばれたらば参加できるような友達というか、生まれた時からずっと一緒なんで」と、来年5月と6月の東京・歌舞伎座から八代目尾上菊五郎の襲名披露興行を行う尾上菊之助(47)の側にいると宣言。「やっぱり、いろんなことがあるのかもしれないんですけど、彼も大変な時期に入ってくわけですから。僕もみんなに支えてもらった2年間がある。ですから、そういうものを恩返しできるような方には、しっかり恩返しをする男でありたい。5月からの襲名なので、襲名に出て、何のお役でも承って、で6月も襲名というんで、なんかあれば出ますし。お声がけいただければ、いつでも出る」ときっぱり。すでに2人では話し合いを持っているが、まだ詳細は発表できる段階にないことも付け加えていた。
上演は、来年1月3日から26日まで新橋演舞場で。
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