八木勇征、“狂気に堕ちた教師”役 『最期の授業』4日間で撮影「夢を見ているような濃い時間」
ORICON NEWS / 2024年11月26日 17時0分
ダンス&ボーカルグループ・FANTASTICSの八木勇征が主演を務めるショートドラマ『最期の授業―生き残った者だけが卒業―』が、きょう26日午後5時から配信スタートした。八木が撮影を振り返り、作品への思いを語った。
【写真】日本刀を手に「狂気に堕ちた教師」を演じる八木勇征
今作は、新ショートドラマアプリ「UniReel」(ユニリール)にて全話一挙配信された。日本テレビが企画・制作する初の縦型課金ショートドラマで、ショートドラマ史上初の本格学園ドラマとなる。
主人公は、八木が演じる音楽教師の丸山武。丸山は、同僚であり恋人の今泉理恵(堀未央奈)を死に追い込んだ未来高校3年F組の担任となり、“音楽狂師”へと変貌する。卒業式の前日、“最期の授業”としてクラス全員を音楽室に閉じ込め、デスゲームを敢行する完全オリジナルストーリー。
撮影は4日間で行ったという。八木は「4日間だけ別世界にいたといいますか、夢を見てるような濃い時間を過ごしたなと感じています」と回想。そして“狂気に堕ちた教師”を演じるにあたって「生徒役の子たちとの関係を一切断つことにしました」と明かし、「いい意味で緊張感を生み出していたと思います。あまり深く話していないからこそ初めて生まれる感覚や、素のリアクションが出ていたのではないかなと思います」と手応えを語った。
【コメント】
――撮影を終えた率直な感想は。
4日間というタイトなスケジュールの中でハイボリュームな撮影をしたなという印象です。撮影時間も長く、撮影期間中は八木勇征として普通に生きている時間よりも丸山の人生を生きている時間の方が長かったので、自分の時間の記憶があまりありません。その4日間だけ別世界にいたといいますか、夢を見てるような濃い時間を過ごしたなと感じています。
命というものに向き合い続けた4日間だったので、撮影が終わって自分の時間を過ごしているときに、ふと「何気ない日常がいかに平和なのか」と感じました。普通に過ごしている時間の流れがすごくゆっくりしていると感じて、不思議な感覚になりました。
――「日本刀を持つビジュアル」や「返り血を浴びた姿で銃を構えるシーン」が予告編などで公開されていますが、丸山はどんな先生なのでしょうか。
担任になった丸山が生徒たちに最初のあいさつをするシーンがあるのですが、誠実だし、優しいし、思いやりもあるし、もし本当にこんな先生がいたらすごく人気のある先生だと思います。その丸山が憎しみを持つようになるのですが、それでも優しい部分は残っていて、生徒たちと本音で向き合うので、やはり愛が本当に深い人なのだなと僕は思いました。
――「狂気に堕ちた教師」を演じるにあたり、心掛けたことを教えてください。
僕は今まで共演者の方と積極的に会話をしてしっかりとコミュニケーションを取ってきました。その方独自の会話のリズム感などもあるので、空気感をつかむためにも、相手の人となりを知ることを大切にしていました。ただ今回は、クランクインする前にプロデューサーの方や監督と話し合い、生徒役の子たちとの関係を一切断つことにしました。4日間の撮影は地方ロケを行ったのですが、クランクアップするまではより深く役に入り込むためにカメラが回っていないときもあまり会話をしないようにしていました。僕にとって初めての挑戦だったのですが、それがいい意味で緊張感を生み出していたと思います。あまり深く話していないからこそ初めて生まれる感覚や、素のリアクションが出ていたのではないかなと思います。寂しかった面もあるのですが、意識してよかったなと思っています。
――FANTASTICSのメンバーからどんな反応がありましたか。
ファンタのメンバーは縦型ドラマという新しいスタイルにすごく興味を持ってくれました。いつも作品が決まった時は声を掛けてくれるのですが、教師役という僕がこれまでに演じたことのない役柄に挑戦することもあってより気になっている様子でした。
特に(佐藤)大樹くんは「縦型って、どういう感じになるの?」と前のめりになって聞いてくれました。みんなUniReelをダウンロードして見てくれると思います。
――「スマホで撮りスマホで見る縦型本格ドラマ」ということで、撮影で特に気を付けたことはありますか。
アングルや画角の調整はありますが、基本的に僕はカメラをあまり意識しない方です。スマホで本格ドラマを撮ったのは初めてなのですが、今回もほとんど意識していなかったです。
ただ、撮る側であるスタッフのみなさんはすごく難しいのだろうなと思う部分はたくさんありました。スマホを縦にして撮ると画面の横幅の部分が極端に狭くなるので、普段のドラマ撮影とは違うのだろうなと感じていました。
――完成した作品を見て「縦型動画」という点で感じたことを教えてください。
横型の動画に比べていきなりバッと全体の映像が入ってくるなと感じました。シンプルに画力がすごいです。あとは、今作はストーリーが次々と進むので、次の展開がものすごく気になりました。
――命を絶った同僚教師で元恋人役の堀未央奈さんと共演した感想を教えてください。
堀さんをはじめ全員が初共演でした。堀さんのお芝居を見ていて「本当につらいんだろうな」と思いました。背中越しにそのつらさや、学校側に訴えても取り合ってもらえないという苦悩が伝わってきたからこそ、僕もより役に感情移入ができましたし、寄り添いたいという気持ちになりました。
――生徒役で印象に残った方を教えてください。
男子生徒だと「一軍男子」の斉藤勇治役を演じた加部亜門くんです。亜門くんは子役から活動されていて経験豊富ということもあると思うのですが、生徒全体のバランスを取ってくれていたと感じました。たとえば「一軍チーム」と「それ以外のチーム」で対立する場面では、全員が一堂にしゃべってしまうとまとまらない状態になってしまうのですが、言葉を挟むタイミングだったり、せりふの強弱だったりなど言葉でうまくバランスを取ってくれていたなと思いました。あれだけ緊迫した空間の中で、本当だったらもう斉藤勇治という役に入っている亜門くん自身、叫びちらかしているぐらいだと思うんです。でも、そんな中で全体のバランスを取っていたのはすごいなと思いました。
女子生徒では菊池日菜子さんです。菊池さんが演じる星野くるみは物語のキーパーソンでつらい過去を抱えているという設定なのですが、その星野くるみのキャラクターを体現されていたと思います。それぞれのシーンで見せていた表情は菊池日菜子さんではなく、100パーセント星野くるみでした。その表情を見ることができて、俳優としての経験の中でも「ものすごくいいものを見せてもらえたな」と感じました。
――今作で俳優としてどんな経験をされましたか。
普段から役に向き合い、キャラクターの人生を生きさせてもらえることに感謝の気持ちを持っています。今回はそれに加え、丸山を通していろいろな感情に出会うことができました。丸山は、僕の引き出しを増やしてくれたと思えるキャラクターでした。
初めての教師役でもありましたし、20人という人数と向き合うお芝居も初めてでした。あれだけの大人数と向き合ってずっと相手を意識し続けるお芝居は「この先またあるのかな?」と思うくらいです。すごく貴重な経験だったなと感じています。
――現在20代後半で俳優としての幅もこれからどんどん広がっていくと思います。今作の経験は俳優としてのキャリアの中でどんな意味を持つと思いますか。
僕の役の幅を広げてくれた作品で、自分自身がこれまで出してこなかった表情や、出してこなかった“心の叫び”のようなものを引き出してくれた作品です。一度出したものって覚えているものだと思うので、今後お芝居をするときにも今回の経験から引っ張り出していくようになると思います。
――ひと言で表すなら、今作はどんな作品ですか。
デスゲームを描いた作品で予告編でも衝撃的な映像が流れます。もちろんそれも見どころのひとつですが、「今この社会で失われているものを取り戻せる作品」であることも見どころだと感じています。
――視聴者へのメッセージをお願いします。
一人ひとりの生徒役の子たちもしっかりとキャラクターが立っていますので、その子たちの表情にも注目してほしいです。もちろん、僕も本気で向き合いました。
衝撃的な描写が苦手という方もいるかもしれませんが、制作陣の思いとそれを理解して体現している演者のみんながいるので、見ていただけたらうれしいです。
第1話から最終話まで全部、とにかく続きが気になる作品になっていると思います。この物語を最後まで見届けていただきたいなと思います。
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