櫻井翔、日テレ戦後80年プロジェクト『いまを、戦前にさせない』メッセンジャー就任「遠い過去の話にしないように」【コメント全文】
ORICON NEWS / 2024年12月10日 0時0分
5人組グループ・嵐の櫻井翔が、日本テレビ系(NNN各局)戦後80年プロジェクト『いまを、戦前にさせない』のメッセンジャーに就任したことが9日、発表された。
【写真】スーツ姿で…前を見据える櫻井翔
80年前の8月15日、日本人の犠牲者は310万人にのぼった戦争が終わった。広島の原爆死没者慰霊碑には「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と、戦争という過ちを繰り返さないことへの誓いが刻まれた。しかし、世界では戦争が起きている。日本のすぐそばでは、中国と台湾の関係が緊張感を増し、北朝鮮が核の脅威をちらつかせている。同局では、NNN各局とともに「いまを、戦前にさせない」という思いを胸に、改めて「戦争」と向き合う。
メッセンジャーを務める櫻井は、2006年の『news zero』スタートからキャスターを務め、現在19年目。ライフワークとして数多くの戦争体験者の生の声を取材し、40本以上の「戦争企画」をオンエアしてきた。自身の大伯父(祖父の兄)は、海軍士官としてベトナム沖で戦死していて、3年前には『Newsweek』誌でその生涯をたどった記事を“記者”として発表している。戦後80年を迎えるにあたって、このプロジェクトのメッセージ「いまを、戦前にさせない」を世の中に発信してゆく“旗印”となる。
櫻井は「あの時代を、白黒写真の遠い過去の話にしないように。いまと同じような“日常”の中にいたと感じられるように。そして、いまの自分たちは、その地続きにあるのだと感じられるように。記憶に深く刻まれるような記録を積み重ねてまいります」と意気込みコメントを寄せた。
同プロジェクトは、2025年1月3日から連日放送する。3日放送『news every.』(後5:30)では日本がなぜ戦争に踏み切ったのか、当時の出来事を振り返り、2度と惨禍を起こさない教訓としていくヒントを報道局長解説と共に探る。4日放送『news every.サタデー』(後5:00~後5:30)では、「新しい戦前」とは何か、台湾有事が起きると私たちの生活にどのような影響があるのか、80年前の出来事から学ぶ。5日放送『NNNニュース』(後6:00~後6:30)では櫻井が取材してきた戦争企画の中から、戦後80年に改めて届けたい「語り継ぐべき戦争の記憶」のVTRをオンエアする。
6日以降は『Oha!4 NEWS LIVE』『news every.』『news zero』『真相報道バンキシャ!』、BS日テレ『深層NEWS』など同局系の報道番組が総力を挙げて「いまを、戦前にさせない」を考え、取材し、伝える。
【コメント】
■櫻井翔
「戦争っていうのはね。始めたら戻れないんですよ。だから、始めたらダメなの。
やっているうちになんで戦争しているかも分からなくなる」
これまでの取材の中でも、強く印象に残る言葉です。始まってしまった。止めることができなかった。戻れなかった。引き返せなかった。
戦争が始まり行く様子を知る方の、後悔にも近い思いが滲み出る言葉でした。雨の神宮外苑競技場で学徒出陣を見送ったこと。戦中、戦後のこと。目の前に景色が広がるかのようなお話を伺ったのは3年前。そして、昨年、旅立たれました。
2009年8月、長崎での取材から始まり、およそ15年。多くの方に戦争についてのお話を伺ってきました。
目に涙を浮かべながら伝えてくださる方。眼球を動かしながら、まるでいまその景色を見ているかのように伝えてくださる方。橋の手前でお話を聞いた妹さんの先には、見送ったお兄さんが見えているかのような時もありました。
思い出すのもつらいことを必死に伝えてくださった方々。すべての方に共通する強い想いがあります。
「二度とあのようなことがないように」
1945年から80年が経とうとしています。
あの時代を、白黒写真の遠い過去の話にしないように。いまと同じような“日常”の中にいたと感じられるように。そして、いまの自分たちは、その地続きにあるのだと感じられるように。
記憶に深く刻まれるような記録を積み重ねてまいります。
■伊佐治健氏(日本テレビ報道局長)
3年前の12月、ヨーロッパの国際会議から戻った政府関係者が、声を潜めて口にした言葉はいささか大げさに聞こえました。
「ロシアは本気だ。“第3次世界大戦”になるかも知れない」
翌年、ウクライナ侵攻は想像をはるかに超える全面的な攻撃で始まりました。国際社会の平和と安定を守るはずの国連安全保障理事会・常任理事国のロシアが、武力による領土侵略を堂々と行い、第2次世界大戦後の国際秩序は根底から揺らいでいます。3年目にはついにアジアから、北朝鮮兵士も戦闘に加わって、世界戦争の恐れは現実味を帯びてきました。
そんな緊張感のもとで迎える戦後80年。
“力による現状変更”の試みは私たちのすぐ近くでも進んでいます。台湾、フィリピンの近海で、中国が軍事的威圧を強め、武力衝突の危機に日本の平和も脅かされています。軍事的つばぜり合いが、やがて偶発的な衝突を招き、最後は意図しない戦争に突き進んでしまう事があることも、歴史の教訓です。
“いまを、戦前にさせない”ために、報道の仕事にたずさわる私たちが今やるべきことは何か。戦争体験者に取材を続けると同時に、戦争の予兆を毅然として見逃さない。80年前、事実を隠し、戦争をあおり立てたメディアの罪もよく心に刻んで、伝えるべきこと、残すべき映像を力の限り発信したいと考えます。
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