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中村勘九郎、父・勘三郎さんの十三回忌で感じたこと「みんな、まだ実感がない」 七之助は年を重ねてより近く

ORICON NEWS / 2024年12月12日 11時27分

父・勘三郎さんの十三回忌で感じたことを明かした中村勘九郎 (C)ORICON NewS inc.

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(43)、中村七之助(41)が12日、都内で松竹創業百三十年 歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』の取材会に参加した。

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 2012年に57歳の若さで亡くなった父の十八代目中村勘三郎さんの十三回忌追善興行を、今年は全国各地で行った。勘九郎は「本当に皆様のおかげで全国各地で追善イヤーとなりました。2月の歌舞伎座を皮切りに各地で行って、本当にお客様たくさん入ってくださいまして、父のことを偲んでくれた。また、父の舞台を見られなかった方たちも本当に多く見てくれて、私たちの肉体を通して父の魂というものを感じ取っていただけた1年になったと思います。十三回忌追善と銘打たない月も、何か父や中村屋ゆかりの演目が並んだ年になったなと思いました。本当にいい経験もさせていただきましたし、この後もどんどん力をつけて、お客様に楽しんでいただきたたいなと改めて思った年になったかなと思います。その思いを、続けて2月の『猿若祭』にぶつけていけたら」とする。



 七之助も「いろいろな地で十三回忌追善ということをやらせていただいた。歌舞伎座を皮切りに、全国巡業で芝居小屋をめぐったり、最後は鬼界ケ島、硫黄島に行って、うちの兄が1日だけですけど俊寛を初役でやらせていた。いろいろな努力が身を結んだ1年だったんではないかなと深く思っております」と振り返る。そして「父が上で喜んでくれてるなという1年間でございました。父のことも常に思い出してますし、お客様も私たちを通して父を思い出してくださった。思い出に残るような1年だったなと思っております。2025年もこの感謝の気持ちを忘れずに、1日1日一生懸命努力していきたいなと思っております」と語った。

 5日は命日だった。勘九郎は「十三回忌の法要をさせていただきまして、親族もそうですけれども、いろいろな方たちが来てくださいました。法要ができたのもよかったですけれども、その時に僕もあいさつに行って、たぶんまだみんな実感ないんですよ。12年という実感がない。生きててもまだ60代ですから。まだ実感わかないなって感じです」とぽつり。七之助は「十三回忌ということもあったのか、不思議な人で、年数を重ねていけば重ねていくほど、どんどん近くなっていくというか。いるんじゃないかな、と。毎日ではないですけれども、3日に1回、2日に1回ぐらいは夢に出てきますし。どんどん死んでから距離が近くなっていく感覚なんです。どんどん年を取ってきたっていうこともあるのかもしれませんけど」と感覚を語るも「だから法要ってなかなか残酷で。死んだんだ、という現実を突きつけられている感覚でした。うちの父を好きな愛してくれてる皆様が来てくださった。その思い出もありつつ、法要っていうのはちょっと残酷なものなんだなって…」とぽつり。それでも「感謝です。父のおかげで、十三回忌追善を乗り越えられたなというのはありますし。あとは未来に向かって、父がいたら、こういうことを喜んでくだけただろうなっていうのを常に考えて、1年1年を生きていこうかなっていう感じです」と前を向いていた。

 今回、昼の部では、1988年3月に銀座セゾン劇場で上演された『きらら浮世伝(うきよでん)』が歌舞伎となって歌舞伎座に登場。劇団『善人会議(現・扉座)』の横内謙介が脚本を執筆、河合義隆さんが演出を手掛け、勘九郎時代の勘三郎さんが主演の蔦屋重三郎を演じた『きらら浮世伝』。タイトルの「きらら」は、蔦屋重三郎が世に送り出した謎の絵師・写楽が浮世絵の背景に好んで用いた「黒雲母(きらら)摺」から連想され、“江戸のメディア王”とも称される、“蔦重”こと蔦屋重三郎を中心に、江戸の若き才能たちが熱い魂を張らせて時代を駆け抜ける青春群像を展開し大きな話題を呼んだ。喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、恋川春町、太田南畝ら芸術家たち、吉原の遊女お篠が蔦屋重三郎と絡み合う。

 今回の歌舞伎座での上演では、初演で脚本を手掛けた横内謙介が脚本・演出をつとめ、父・勘三郎が勘九郎時代に演じた蔦屋重三郎に勘九郎が挑む新作。2025年はNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で主人公としても描かれる蔦屋重三郎。2月の歌舞伎座では、勘九郎の蔦屋重三郎に、七之助が遊女お篠で出演。中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の花形がそろった。

 歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』は、来年2月2日から25日まで。

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