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『ラストマイル』脚本・野木亜紀子氏、ハードな撮影裏を告白「巨大倉庫なんて存在しないので…」

ORICON NEWS / 2024年12月16日 16時0分

『ラストマイル』のハードな撮影裏を明かした(左から)野木亜紀子、塚原あゆ子 (C)ORICON NewS inc.

 映画『ラストマイル』の監督を務めた塚原あゆ子氏が『第49回報知映画賞』で監督賞を受賞し、16日に都内で行われた表彰式に登壇。脚本を務めた野木亜紀子氏がサプライズで祝福に駆けつけ、撮影裏を明かした。

【写真】特別賞を授賞した平泉成をサプライズ登壇で祝福した佐野晶哉

 同作は、ドラマ『アンナチュラル』、『MIU404』と世界線を共にする“シェアード・ユニバース・ムービー”。『アンナチュラル』や『MIU404』の続編を待ち望んでいたファンがを取り込みつつ、自由度の高いオリジナル脚本で、より多くの人がシェアできるような社会派エンターテインメントをつくり上げ、単なる人気ドラマの続編映画以上の反響を呼んでいる。



 脚本を務めた野木氏が、プレゼンターとしてサプライズで登場。塚原氏と目を合わせてほほ笑んだ野木氏は「今、一緒に連ドラを作っていて毎日のように連絡を取り合っているので、何の新鮮味もなく、すみません」とこぼしつつ、「このバイタリティーと根性と、ガツガツ行くのですが、それでいてすごく繊細な映像を撮られる」と塚原氏の仕事ぶりを絶賛した。

 そして「『ラストマイル』も一見豪華に見せますが、(撮影裏はスケジュールなどが)結構厳しく、巨大倉庫なんて存在しないので、7ヶ所の倉庫で(組み合わせて)撮っていたりしました」と告白。「役者さんの魅力を余すことなく映し出し、過去のそうそうたる役者さんたちが『塚原監督の現場に行けるものなら、演出してもらった方がいい』とよく言っていると聞いています。それにもかかわらず、馬車馬のように働いていまして、映画の撮影所時代の監督を見ている気持ちになります。体にだけは気を付けて頑張ってください」とエールを送った。

 また、塚原氏は「『ラストマイル』という作品は、6年前に『アンナチュラル』をやらせていただき、『MIU404』も同じチームで作った作品で世界線は一緒なのですが、オリジナル作品として映画にするという形でした。物流を中央に置いたオリジナルの映画というハードルをなかなか越えられなかったのですが『やっていいよ』と言っていただいたことに感謝いたします」と一礼した。

 同賞は、スポーツ新聞が単独開催する初の映画賞として、1976年に誕生した。2023年12月1日から2024年11月30日までに国内で1週間以上、一般公開、もしくは公開予定の新作。新人賞は原則として3年以内に本格デビューした俳優、監督となる。

 主演男優賞は『正体』の演技が評価された横浜流星が昨年に続き受賞。主演女優賞は『ミッシング』の演技が評価された石原さとみが初受賞した。作品賞・邦画部門は横浜が主演した藤井道人監督の『正体』が受賞した。各賞の受賞者・受賞作品は以下のとおり。

■受賞一覧

作品賞・邦画部門:『正体』
作品賞・海外部門:『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
アニメ作品賞 :『ルックバック』

主演男優賞:横浜流星(『正体』の演技に対して)
主演女優賞:石原さとみ(『ミッシング』の演技に対して)
助演男優賞:奥田瑛二(『かくしごと』の演技に対して)
助演女優賞:吉岡里帆(『正体』の演技に対して)
監督賞: 塚原あゆ子(『ラストマイル』の演出に対して)

新人賞:越山敬達(『ぼくのお日さま』の演技に対して)
新人賞:中西希亜良(『ぼくのお日さま』の演技に対して)

特別賞:平泉成(『明日を綴る写真館』の演技と長年の映画界への貢献に対して)
特別賞:草笛光子(『九十歳。何がめでたい』の演技と長年の映画界への貢献に対して)

■選考委員
荒木久文(映画評論家)、木村直子(読売新聞文化部映画担当)、見城徹(幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(敬称略、五十音順)と報知新聞映画担当。

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