齊藤なぎさ×原菜乃華×あの、作中アイドルとして異例の活動で絆深まる「本当にグループみたい」【インタビュー後編】

ドラマ＆映画『【推しの子】』でB小町を演じた（左から）原菜乃華、齊藤なぎさ、あの　撮影：大野代樹

　Amazonと東映の共同制作による実写映像化プロジェクト『【推しの子】』でアイドルグループ“B小町”を演じた俳優の齊藤なぎさ、原菜乃華、あの。17年から23年までアイドルグループ「＝LOVE」に所属していた齊藤は、本作で伝説のアイドル・アイ（齋藤飛鳥）の娘役・ルビーに抜てき。同じく「ゆるめるモ!」としてアイドルを経験したあのは、人気インフルエンサー・MEMちょ（めむちょ）を、09年に子役として芸能界デビューした原は、元・天才子役女優の有馬かなを演じ、アイドル役に初挑戦した。

【インタビュー動画】“B小町”齊藤なぎさ×原菜乃華×あの、原作と向き合った役作りを告白

　累計発行部数2000万部（2024年11月現在）を突破するコミックのドラマ＆映画化キャストに選ばれた3人は、どのような想いで撮影に臨んだのか。齊藤、原、あのによる合同インタビューを実施。前編ではオファーを受けたときの心境から役作りについて語ってもらったが、後編ではB小町としてオリジナル楽曲3曲に挑戦し、原作ありの作中アイドルとして異例ともいえる活動の中で絆が深まった3人の関係性、そしてアイ役・齋藤飛鳥への印象についても聞いた。

■ムードメーカーは齊藤なぎさ「2人に『私のこと好き？』って聞いて（笑）」

――皆さんは作品の撮影はもちろん、B小町としてレコーディングやパフォーマンスのレッスン、MVの撮影、さらにはYouTube収録まで、作中アイドルとして幅広く活動されてきました。一緒にいる時間はすごく長かったかと思いますが、3人でいらっしゃる時の関係性は？

あの：みんなバラバラだけどどこか似ている気がして、いろんなことを共有した気がします。好きな音楽や美容のこと、香水やサプリの話も共有したので、お互いのことをすごく知れた気がします。本当にアイドルグループみたいな感じでした。

齊藤：2人ともすごく優しくて面白くて、私がばーとしゃべっても、すごく聞いてくれますし、ちゃんと話にも乗ってくれるので、話しててめっちゃ楽しいです。本当に一緒にいて楽しかったので、それがB小町の空気感のよさを作り上げられていたんじゃないかなって思うぐらい、裏ではいろいろな話をして、和気あいあいとやっていました。あと、私は2人に「私のこと好き？」って聞いて、好きって言わせることにハマっていました（笑）。

原：（齊藤は）現場のムードメーカーでした。本当に楽しかった。「何話そうかな。沈黙だどうしよう。なにか話さなきゃ」ってことをあまり考えなかったと思いますね。カットが終わるごとに何か話して、もう常に笑い声が響いていて。お肉の話とかしてました。「お肉食べたいね！」って（笑）。

――原さんは作中ではツッコミ役でしたが、撮影裏でもそうでしたか？

齊藤：ツッコみはあのちゃんじゃない!?（原と）2人でボケて、あのちゃんがツッコミながら面白いこと言ってくれるみたいな！（笑）。

原：パワーワードを出してくれる感じでしたね。

――撮影裏での印象に残っている話はありますか？

齊藤：菜乃華ちゃんに「今からなーたんの昔のMVを見てもいいですか？」って言われました（笑）。「許可制!?」と思って（笑）。面白かったです。初めて確認されました。

原：本人の前で堂々と見るなら、一言了承を得といた方がいいかなと思って「ごめん、今から見てもいいかな」と聞いてから見ていました（笑）。やっぱり目の前にご本人がいると、交互に見ながらニヤニヤしてしまうので「何してるんだろうこの人…」って思われたくなくて…。

■ドラマ＆映画で3曲の新曲を制作「実写ならではの良さがすごく詰まってる」

――齊藤さんのMVを見て学ばれていたんですね。ドラマ、映画含めて3曲の新曲が作られましたが、特に印象に残っている曲を選ぶとしたらどの曲ですか？

3人：『SHINING SONG』！

原：聴いてるだけで涙出てきそうになる。

あの：切ないし、けど希望がめちゃくちゃ詰まってる感じがいいんです。

齊藤：そう！歌詞もめちゃくちゃリンクしていて、私が好きなのは、ルビーが歌う「生まれ変わることができたのなら、再びあなたに会えること信じてるよ」っていう歌詞！感動して泣きそうになっちゃって…。その歌詞がすごく好きで、この曲は本当にぎゅって入り込みました。

原：でも、それで言うと『トワイライト』のルビーの1人セリフも大好き。あそこだけ何回も巻き戻して聴いちゃうくらい、どの曲にもちゃんと思い入れがあります。

あの：『我ら完全無敵のアイドル!!』は最初の方に振り付けを覚えたので、印象深いなと思いますし、ザ・アイドルって感じがして元気になりますね。

――皆さんが本作にかけていた想いが伝わってきます。B小町として、3人はアイがいた頃の“初代「B小町」”の姿を追うことになりますが、齊藤（なぎさ）さんは役的に推しであり母親でもあるアイ役・齋藤飛鳥さんの印象はいかがでしたか？

齊藤：オーラなのか「本当にアイだな」と思わせてくださって、お会いしたときはびっくりしました。私がアイドルになる前から飛鳥さんのことを見させていただいてたので、こうやって共演させていただけてすごくうれしかったです。

――ありがとうございます！最後に、ドラマ、映画を楽しみにしている方々に向けてメッセージをお願いします。

原：この作品は「何でこんなことを知ってるんだろう」と思ってしまうくらい、すごくリアルな芸能界を描いてるところも注目ポイントだと思いますし、何よりスタッフ、キャストの皆さんが、原作への愛とリスペクトを持って全力でドラマ＆映画化に挑んだ作品なので、実写ならではの良さがすごく詰まってる作品だと思います。ぜひ楽しみにしていていただけたらうれしいです。

齊藤：私も本当に『【推しの子】』の1ファンとして、ドラマ、映画に愛を注いでみんなと一緒に頑張ってきたので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらうれしく思います。アイドルの尊さをたくさん感じてください！

あの：綺麗事がないので、それぞれすごく刺さるものがあるんじゃないかなと思います。ぜひ見てください。

■『【推しの子】』とは
20年から24年まで『週刊ヤングジャンプ』で連載された赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏によるコラボ漫画。主人公の青年・アクア（櫻井海音）が前世の記憶を持ったまま、生前推していたアイドル・アイの子どもに生まれ変わるというファンタジー設定でありながら、登場人物の心情を鮮明に表したサスペンス要素や、SNSによる現代社会性の表現、芸能界の裏側に切り込んだストーリーなどリアルさも特徴の1つとなっている。

実写映像化プロジェクトはAmazonと東映の共同で行われ、11月28日よりPrime Videoにてドラマ1話から6話が公開され、7、8話は12月5日（木）21時より配信スタート。映画『【推しの子】-The Final Act-』は、12月20日（金）に全国で公開される。