“整形アイドル”プロデューサー、自身の整形に2500万円以上をかけて気づいた外見への限界「生き方を変えることが、真の自己成長に」
ORICON NEWS / 2024年12月25日 11時30分
所属アイドルの全身の整形費用を全額無料で負担するという前代未聞のオーディション「整形アイドルプロジェクト」。そこで誕生した整形アイドルグループ「私+ism(わたしイズム)」のプロデューサーであり、現在までに総額2500万円50ヵ所の整形をしたわかにゃんさんは自身の整形体験や整形情報を発信して話題を集めている。今年7月には自身もアイドルに復帰しながら、会社経営やプロデュース業など多方面で活躍が予定されているという。長期的に整形で自身をアップデートしていくことで、どうマインドが変化したのか。「整形アイドルグループ」に託す想いまで、話を聞いた。
【写真】顎下ラインが見違えるように変貌…わかにゃん、顎下の筋肉を絞るペリカン手術を実施したビフォーアフター
■年々減少していく整形の費用対効果、それでも続ける理由は後進への想いから
──整形の総費用が2500万円を突破し、数ヵ月前には渡韓して10日で8ヵ所整形したとご自身のYouTubeチャンネルで報告されていましたが、今回はどのような施術をされたのでしょうか?
【わかにゃん】最も大きな手術だとふくらはぎの神経を切断する手術を行いました。ふくらはぎの筋肉が再び発達して大きくなるのを阻害する施術です。筋肉にボトックスを注入すると発達した筋肉は小さくなりますが、これは1年後には元に戻ってしまうので、筋肉を発達させる神経を切断して、筋肉が成長しにくくなるようにしました。
あとは、大きなところでいえば、顎の下。私は顎の骨を削っているのでその分、顎の下の肉がどうしても垂れ下がってきてしまう。そこで、顎下の筋肉を絞って輪郭に合わせて引き上げるペリカン手術を行いました。
──なるほど。整形したことによるデメリットの解消や再調整の手術を行ったというわけですね。
【わかにゃん】この規模になってくると、手術で大きな変化をもたらすというより、微調整や、無理をしたところの改善が多くなってきます。例えば一重が二重になったという分かりやすさがないので、手術に対する満足度は年々少なくなってくるんですよ。
無理をした分の修正やしわ寄せの回収で細かく金額がかさんでいくので…。年齢を重ねるにつれ、整形の結果からくる副作用や修正の必要性を感じることが増え、費用対効果や見た目が変わることで得られる満足感は徐々に減少していくのを感じています。
──それでも、整形を続けようと思うのはなぜでしょうか?
【わかにゃん】ネット上には、最近でこそダウンタイムなどを公開する方々は増えましたが、こと“長期的”な整形の影響に関する情報が少なく、クリニックでは術後10年どうなるかなどの現実には蓋をしてなかなか教えてくれません。ゆえに自身の経験を基に「整形の後のメンテナンスや課題」について後の世代に伝えたいという想いが今のモチベーションになっています。自らのために整形を続けていくというより、皆が役立つ情報を集めていきたいという想いです。
■比較対象が“全国”に広まったSNS世代、変化した整形へのハードルの低さ
──整形を始めた10代のころと現在では“整形”に対する精神的な変化はありましたか?
【わかにゃん】10代の頃は、外見や内面に強いコンプレックスを抱えており、自分自身に自信がありませんでした。生活の中で、他人と比べて容姿に対する劣等感を強く感じ、15歳の頃、整形を通じてそのコンプレックスを解消したいと考えました。若い頃は怖いもの知らずだったので、自分の容姿に変化を加えることで、人生が大きく変わると信じていたんです。例えば、二重手術をすれば、より自分に自信が持てて、生きやすくなると期待していました。
当初は「外見が変わればすべてが良くなる」と単純に考えていましたが、様々な整形を経て、実際に整形だけで得られる満足感には限界があると気づきました。自分の外見だけでなく、内面的な自己評価や生き方を変えることが、真の自己成長に繋がると知り、そういった意味で私は“整形を武器にする”という考え方を持つようになりました。
──“整形を武器にする”。今、整形をするか悩んでいる方がいたらすごく励みになる言葉ですね。ご自身が整形をする過程で得た知識や経験をSNSで共有するようになったのはこの考え方が影響していますか?
【わかにゃん】はい。この経験を経て、整形を検討する際には、リスクや長期的な影響を十分に理解する必要があると感じました。私も当初は若さの勢いがあったからできただけであり、ためらいがないわけではありませんでした。当時は情報も相談する人もなく、なかなか家族や友達や彼氏に相談できるものでもない。ただ整形の公表を始めて、フォロワーさんから「ためになった」や「きっかけになった」などのコメントや、整形をしたら写真つきで報告してくれる方も増えてきて。話せる相手がいるだけでも安心するというのは身をもって知っているので、私のチャンネルが、そういう不安などを言い合える場になってくれたらいいなという気持ちです。
──今年1月にはご自身がプロデュースされた整形アイドル「私+ism」がデビューしました。自分自身にコンプレックスを持ち、整形を考える若い世代を間近で見ていて、何か感じたことはありますか?
【わかにゃん】昔に比べて、容姿などにコンプレックスを感じる人が多くなったのかなと思います。SNSがなかった頃は、せいぜい学校の美人の同級生や先輩と自分を比べるといった狭い世界だったのが、比べる対象がSNSになり、比較対象が“全国”に広まりました。インフルエンサーは芸能人と比べて身近だからこそ、「この子は同じ高校生なのに、こんなにキラキラして私とぜんぜん違う」みたいな。SNS世代は余計にコンプレックスを抱きやすいと思います。
──コンプレックスを抱きやすいからこそ、整形を考える人も増えているのでしょうか?
【わかにゃん】私が整形した15歳頃の時代と比べ、今は手術の映像、どんな工程でカンセリングするか、ダウンタイム、症状などネットで調べればどんどん出てくるので、整形に対するハードルは低くなったと感じますね。インフルエンサーの方々も整形される方が多いので、地元で周りに誰も整形した人がいない私の若い頃と比べて一歩踏み出しやすいかなと思います。その代わりに、かつての私と同じように「整形をして外見が変わればすべてが良くなる」と単純に考えている人も多い。だからこそ、「整形アイドルプロジェクト」を通じて内面的な自己評価や生き方を変えることが必要だと伝えていきたいと思っています。
■“整形アイドル”というオンリーワンの存在で「整形の“その先”を伝えたい」
──「私+ism」のメンバーが、実際に美容整形を通して成長されていく過程をどうご覧になっていますか?
【わかにゃん】整形アイドル「私+ism」の大きなコンセプトは「果たして整形をしたら幸せになれるのか」なんです。大金をかけて整形しているので、医学的には間違いなく可愛く、格好よくなっているはずなんです。でも、自分の生き様や、歩いていくレールは誰かが動かしてくれる訳ではなくて、自分で舵を切らなければならないということは整形を経ても変わらない。このことは私自身も整形を通して学びました。「整形をして幸せになる」、「整形を“武器”にする」には、そこから自分がどう変わるかなので、今この壁にぶち当たっているメンバーを通して、世の中にも、整形をした後のその先の内面の成長を見せていきたいです。
──「私+ism」だけではなく、今後も「全身整形グラビアアイドルグループ」、「整形インフルエンサー集団」をプロデュースされると拝見しました。“整形”と付けるとどうしても色眼鏡で見られる可能性もありますが、ここまでプロジェクトを大きくしていく原動力は何でしょうか?
【わかにゃん】よくオタクの方からは、「『整形』という言葉をつけなくてもいいじゃないか」「わざわざマイナスを出す必要がない」という声もいただくのですが、プロデューサーをするにあたって、世の中にこんなにも多くのアイドルグループがあるなかでは、普通のアイドルグループを作って、真正面から戦っても勝てないと気付いたんです。なので、自分の“武器”である整形を生かして、他のグループと同じ土俵で戦わずともナンバーワンになれる“整形アイドル”でオンリーワンのグループを目指したいと思っています。
──経営者、プロデューサーとして活躍されながらも、今年7月にはご自身もアイドルに復帰されました。最後に、今後の展望について教えてください。
【わかにゃん】プロデューサーとしては若い世代を育て、整形を武器にする方法を教える役割がありますが、自身がプレイヤーとして挑戦し、困難を乗り越える姿を見せることで、メンバーたちの成長を促したいと考えています。アイドル、経営者、プロデューサーと様々な職業を通じて、「何かを人に伝えること」に対して、やっと自信が持てるようになったので、今後は、色んな人に自分の経験や思いを伝えるような“歩く自己啓発本”になりたいです(笑)。本を書くなど、自分の発信の視野やジャンルを広げていき、1人でも多くの整形に悩む人などを救えたらと思います。
(取材・文:衣輪晋一)
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