2025年ハリウッド映画のキーワードは<復活>と<体当たり> 90年代ブレイク俳優たちに注目
ORICON NEWS / 2025年1月3日 10時30分
第97回アカデミー賞の予想が本格的に始まる2025年初頭。フレッシュな顔ぶれと並んで、90年代にブレイクしたハリウッドのスター俳優たちが、今また賞レースを中心に注目を集め始めている。ブレイクのキーワードは<復活>と<体当たり>だ。筆頭株は、いずれも90年代にロマンティックな作品で人気を博したヒュー・グラント、デミ・ムーア、キャメロン・ディアス、ニコール・キッドマンの4人。
【動画】ニコール・キッドマン健在『ベイビーガール』予告編
■ヒュー・グラント:64歳にして全盛期ばりに再ブレイク中
『フォー・ウェディング』(1994年)、『ノッティングヒルの恋人』(99年)や『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズ(2001年、04年)、『ラブ・アクチュアリー』(03年)など、元祖“ロマンティック・コメディの帝王”と評されるパブリックイメージがあるヒュー・グラント。
そんな彼が、A24×『クワイエット・プレイス』の脚本コンビが手がける脱出サイコスリラー『HERETIC(原題)』(4月25日公開、配給:ハピネットファントム・スタジオ)では、<温厚でウィットに富んだ魅力>を完全に封印した演技で、アカデミー賞の前哨戦と言われる「第82回ゴールデングローブ賞」(主演男優賞/コメディ・ミュージカル部門)にノミネートされるなど、64歳にして新境地を切り開いた。
2023年12月公開の映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ではオレンジ色の小さな紳士“ウンパルンパ”を演じ、「かわいかった」「愛着湧く」「歌が頭から離れない!」と人気に。
それが一転、『HERETIC(原題)』では、天才的なIQを誇り、全ての宗教に精通、迷宮のような家に2人の女性を誘い込む謎の男ミスター・リードを全身で怪演。「ヒュー・グラントが死ぬほど恐ろしい」(Rolling Stones)、「『パディントン2』を二度と同じようには観られないだろう」(Time Out)、「グラントのキャリア史上、最も印象に残る演技の一つになるだろう」(San Francisco Chronicle)などと絶賛されている。昨年11月8日に北米で封切られると、初登場2位を記録した。
さらにヒューは、主人公を永遠に惑わす色男のダニエル・クリーヴァー役で、シリーズ4作目『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(4月11日公開)にも出演。全盛期ばりの再ブレイクを果たしている。
■デミ・ムーア:60歳を過ぎて「自分をさらけ出す」熱演
死んだ恋人と身体を重ねてろくろを回す――日本でもパロディ化されるほどの知名度を誇る『ゴースト ニューヨークの幻』(1990年)での劇中シーンが印象に強いデミ・ムーア。本作のヒロイン役でブレイクした彼女も、その後は、『素顔のままで』(96年)のストリッパー役や、劇中で自らバリカンを手にスキンヘッドになった『G.I. ジェーン』(97年)、そして全身整形で世間をざわつかせた『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003年)など、“色物“としての扱いが続いてしまい、俳優としてのキャリアよりも何かと<お騒がせ>のイメージが付きまとっていた。
だが、最新作『The Substance(原題)』(5月16日公開/配給:ギャガ)で、その評価を自ら覆すことに成功。彼女の圧倒的な演技力と存在感で、「第77回カンヌ国際映画祭」(2004年)で行われたワールドプレミアでは最長13分間にわたるスタンディングオベーションを受け、ヒュー・グラントと同じく、「第82回ゴールデングローブ賞(主演女優賞/コメディ・ミュージカル部門)にノミネートされている。
本作でデミが演じたのは、観客が思わず彼女自身の人生と重ね合わせてしまうような、狂気的に<美と若さに執着する>ピークが過ぎた50代女優。想像のはるか斜め上をいく展開、全人類の前に襲いかかる現実を“これでもか、これでもか“とに突きつける物語を、文字通り<身体を張って>熱演している。
出演に際して「完全に自分をさらけ出すことに、より大きな価値があった」と語る今年62歳を迎えたばかりのデミが、本作を起点にして、また新たな俳優キャリアをスタートさせることが期待されている。
■キャメロン・ディアス:10年ぶりの復帰作で豪快アクション
『メリーに首ったけ』(1998年)、『チャーリーズ・エンジェル』シリーズ(2000年、03年)など、キュートな魅力で世界中を魅了していたキャメロン・ディアス。その後も、『イン・ハー・シューズ』(2005年)や『ホリデイ』(06年)など、良質な作品への出演が続いていたが、14年の『ANNIE/アニー』を最後に「自分の生活を取り戻すため」と事実上の引退となっていた。
そんな彼女が、Netflix映画『バック・イン・アクション』(1月17日から配信スタート)で10年ぶりに復帰。家庭を築くため、15年前にCIAとの関わりを絶った元敏腕エージェントのマット(ジェイミー・フォックス)とエミリー(キャメロン・ディアス)。だが、生きていることがバレてしまい、2人はスパイの世界へと引き戻されてしまう。
バイク、カーアクションのみならずスカイアクションまで!?52歳での<復活>となったキャメロンだが全くブランクを感じさせてない肉弾アクションをぶちまける。
■ニコール・キッドマン:57歳を迎えたとは思えない官能的な姿で魅了
トム・クルーズと運命の出会いを果たした『デイズ・オブ・サンダー』が1990年に公開され、一躍その名が世界に広まったニコール・キッドマン。その後も、トム・クルーズと共演、鬼才スタンリーキューブリック監督による『アイズ ワイド シャット』(1999年)、バズ・ラーマン監督のミュージカル映画『ムーラン・ルージュ』(2001年)、バージニア・ウルフの小説「ダロウェイ婦人」をモチーフにした文芸大作『めぐりあう時間たち』(2002年)ではアカデミー主演女優賞を受賞するなど、多彩なジャンルに幅広く挑戦してきた。
50代に入ってもニコールの演技への旺盛な意欲は衰えることはなく、『ストレイ・ドッグ』(18年)では酒浸りの中年刑事などの汚れ役、アメリカで実際に起こった女性キャスターへのセクハラ騒動を元にした『スキャンダル』(19年)では、シャーリーズ・セロン、マーゴット・ロビーとの共演が話題になった。
そんな彼女が選んだ最新作は「A24史上、“最高に挑発的!”」(米・TIME誌)と評価も高い『ベイビーガール』(3月28日公開/ 配給:ハピネットファントム・スタジオ)。大企業のCEOとして美貌、財力すべてを兼ね備えながらも、満たされない渇きを抱える主人公のロミー(ニコール・キッドマン)が、年下インターンと<遊ぶ>つもりが、いつしかその刺激と駆け引きに溺れ、翻ろうされていく。
セクシーで大胆な描写が話題の本作は、「全てをさらけ出した」とニコール自身が明かした言葉通り、昨年に57歳を迎えたとは思えないニコールの官能的な姿を余すところなく披露。ヒュー・グラント、デミ・ムーアと同じく、「第82回ゴールデングローブ賞」(主演女優賞/ドラマ部門)にノミネートされている。
なお、「第82回ゴールデングローブ賞」授賞式は、現地時間1月5日に行われる。
『HERETIC(原題)』(C)2024 BLUEBERRY PIE LLC. All Rights Reserved.
『The Substance(原題)』(C)The Match Factory
『バック・イン・アクション』1月17日よりNetflixで世界独占配信
『ベイビーガール』(C)2024 MISS GABLER RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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