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SUPER EIGHT、“最高で最強”な成人式 涙と笑いの20周年ドームツアーを完走【詳細レポート】

ORICON NEWS / 2025年1月14日 13時44分

『超DOME TOUR 二十祭』最終公演より

 5人組グループ・SUPER EIGHTが、1月13日の“成人の日”に自らの20周年を祝うかのように、ドームツアー『SUPER EIGHT 超 DOME TOUR 二十祭』を京セラドーム大阪で完走した。公演時間は脅威の4時間超え。“最高で最強”をここに証明した“成人式”の模様をリポートする。

【ライブ写真】ステージ高!ムビステで楽器を奏でるSUPER EIGHT

 ツアーのファイナルは、グループの原点でもあるデビュー曲「浪花いろは節」で開幕した。袴(はかま)姿のSUPER EIGHTがステージにそびえ立つビル群の上に登場すると、ビル屋上で行われたデビュー会見を彷彿させる演出に、待ちわびたEIGHTER(SUPER EIGHTのファン名称)から大歓声が上がる。



 「NOROSHI」「キング オブ 男!」などSUPER EIGHTらしい泥臭く熱い楽曲は、ド派手な炎の特攻とともに会場の熱気を急上昇させ、「無責任ヒーロー」へ。最新曲であろうと、懐かしいナンバーであろうと、イントロが流れれば会場のペンライトが同じ動きをする。ライブ中、何度も広がったその光景に5人とファンが積み重ねてきた時間と絆を証明するようだ。

 村上信五が「男EIGHTER!」と呼びかけると、男性ファンの野太い声が響く。キャリアを重ねるごとに幅広い層からの支持を得て、年々増え続けてきた男EIGHTERの声も彼らの歴史を物語っているようだった。そして、ライブ定番曲の「ズッコケ男道」へ。2007年の47都道府県ツアーで着用した特攻服に身を包み、当時のドーム公演でも使用したポケバイにまたがって会場中を駆け回る、懐かしい演出の再現に会場も大いに盛り上がった。

 約14年ぶりに、2010年のLIVE TOUR『8UPPERS』の演出も復活。メンバーがタイトな黒スーツをまとう映像が映し出されると、会場にざわめきが起こる。そして「Jackhammer」で横山裕がたばこに火をつけ、床に叩きつけるように投げる演出は過去のオマージュ。その瞬間、ステージに炎が上がり、ドームが揺れるほどの歓声が響いた。

 センチメンタルなメロディーが印象的な「夢列車」で感情たっぷりに歌い上げる5人。“最高の仲間たち”とアイコンタクトを取りながら、昔と変わらずわちゃわちゃする姿をEIGHTERが見守る光景は、何とも言えない温かさに満ちていた。

 ファンにとって、うれしいサプライズとなったのがユニット曲&ソロ曲。横山作詞、安田章大作曲の「Kicyu」は、当時の衣装を思わせる新衣装をまとい、昔のままの振付で再現。一方、大倉忠義は16年ぶりに、ソロ曲「だってアイドルだもん!!」を披露。当時グッズとして生まれたクマのぬいぐるみ“オオクマ”のビッグサイズとパジャマ姿の大倉がステージに登場すると、振り切っていて、かつ、チャーミングな姿にEIGHTERはメロメロ。村上と丸山隆平が、しっとり色っぽく歌い踊るユニット曲「YOU CAN SEE」はまた大人の哀愁と色気の増した今だからこそできるパフォーマンスで魅了した。

 SUPER EIGHTのライブといえばバンド演奏も欠かせない。中盤ではバックステージ上に大倉のドラムが置かれ、安田と横山はギターを、丸山はベースを、村上はショルダーキーボードを抱え、花道を歩きながらアグレッシブに演奏。「Do you agree?」や「強情にGO!」など初期の楽曲は青春感もあふれ、近年のバンド定番曲とは、また違った雰囲気で楽しませる。楽器についた傷と擦れた跡は、表には出さない彼らの努力の痕跡ともいえる。

 後半戦はダイナミックにポップアップで登場し、グループ唯一のメンバー紹介曲「SUPER ∞ o’clock 」でスタート。「“超”前向きスクリーム!」では笑福亭鶴瓶や古田新太、南原清隆、東京スカパラダイスオーケストラ、マツコ・デラックス、Perfumeらも映像でダンスに参加。お世話になってきた著名人にメンバー自らオファーし、実現したスペシャルな映像に会場も大興奮だった。

 EIGHTからのサプライズは、まだまだ終わらない。2014年-2015年のツアーで人気を博した楽曲「三十路少年」が、約10年のときを経て復活。大倉以外が40代となったこのタイミングで、リアレンジした「四十路少年」に会場が沸く。四十路アイドルの決意を込めた全力のパフォーマンスは、“これぞSUPER EIGHT”という魅力にあふれる。

 一転、「Water Drop」では、初の5大ドームツアー『EIGHT×EIGHTER おもんなかったらドームすいません』の演出を13年ぶりによみがえらせた。花道にかかった噴水のアーチをくぐり抜けながら、歌い踊るメンバーたち。懐かしくも美しい、幻想的な世界に観客もグッと引き込まれた。

 静まり返った会場にピアノの音色が響く。現れたのはスポットライトに照らされ、グランドピアノで繊細なメロディーを紡ぐ村上。やがて「大阪ロマネスク」のフレーズへとつながり、メンバーがピアノの周りに集まってくる。SUPER EIGHTとEIGHTERの大切なラブソングが、しっとりとドームに響き渡った。

 さらに、あふれ出しそうな涙をこらえるように「ツブサニコイ」を感情たっぷりに歌ったあと、10周年に「10年後またここで会おうよ」と約束した「象」を、まさに“10年後”のこのタイミングに届ける意味は大きい。そしてSUPER EIGHTのバンドスタイルを世の中に定着させたともにいえる「LIFE ~目の前の向こうへ~」の全身全霊の演奏は、会場中のEIGHTERの心を震わせる。

 終盤、興奮冷めやらぬドームに、やさしいまなざしを向けるメンバーたち。ひとりひとりが真っ直ぐな言葉で、EIGHTERに思いを届けた。

 村上は「根拠のない自信だけがずっと自分を支えてて…それが、今日確信に変わりました。これから20年って想像もつかないし、待ち受けてのは難しいことの方が多いんでしょうけど、それでも過去の20年、乗り越えられないことがなかったのがSUPER EIGHTですから。今までは(ファンに)連れてきてくれてありがとうって言ってきましたけど、これからは安心して引っ張っていける5人でいたいと思います」と涙ながら決意を込めた。

 安田は「(ファンが)立ち止まりそうになったとき、支えてあげられるのが僕たちでありたいなって思うんです。これまで支えてもらってきたし、連れてきてもらったから、あなたたちの背中をさすりたいし、松葉杖になりたい。骨折してないときも、松葉杖使ってください(笑)」と彼らしい優しすぎる“たとえ話”はあたたかさと笑いで会場を和ます。

 そして、「ここ数年、試練かなって思うくらい辛いことが続いて。でも、くじけてしまうと一歩を踏み出せないような気がして。それが…ひとりで飲んでるとき、ポロっと泣けたんですよね。“俺、辛かったんや”って。それでも走らなと思ってやってきたけど、このライブで清算されたような気がします」と大倉。「4万5000人って言葉にすると一つの画に聞こえるけど、4万5000人通りの人生があると思ってます。その中に俺らを参加させてくれて、自分のことだけでも大変なのに俺らの活動を1コ1コ応援してくれて。そのひとりひとりの声が、ここまで連れてきてくれた気がします」と見据えた。

 また、丸山は今までのメンバーひとりひとりとの出会いを語りながら「同じ時代で、(それぞれの)人生は続いてますから。いろんな形があっていいと思うし、それぞれが力強く生きてる。(出会いを語りたくなるような)そんな気持ちにさせてくれる、セットリストのライブでした。みんなが思い切り声を上げて楽しんでくれて、本当に感謝しています。これからも…SUPER EIGHTに刮目(かつもく)せよ!」と丸山らしく明るく締めた。

 最後に「20年前の自分に、頑張ったらこんなすごい景色見られんねんでって言ってあげたい」と話し始めた横山は、「月日が流れる中で、いろんな気持ちが整理されて、浄化されて。(過去のことが話せるようになったのは)5人のSUPER EIGHTが、今めちゃくちゃカッコいいって思えるからやと思います」「当たり前なんてないんです。永遠なんてないんです。でも、僕はこのメンバーやったら信じてもいいかなって思ってます」と実感を込めた。さらに、照れながらも「こういうときじゃないと、あんまり感謝の気持ちなんて言われへんから」とメンバー5人ひとりひとりへ素直な気持ちでいっぱいの感謝の想いを伝えた。

 ラストソングは、『二十祭』のために書き下ろされた新たなバラード「LIFE GOES ON」。5人は肩を組み、ときに目を合わせながら、共に歩んできたEIGHTERへの感謝、これからも無限大∞に続いていく未来に思いを馳せた。

 アンコールでは、トロッコに乗るメンバーが登場すると、松竹座時代から歌ってきた懐かしい楽曲など12曲を詰め込んだメドレーで会場を盛り上げた。さらに、SUPER EIGHTが紡いで来た楽曲達を歌詞やメロディーに散りばめた「軌跡とキセキ」を披露。ここでライブは終演かと思われたが、流石は地元・大阪。鳴り止まない「EIGHTコール」に応えた5人が再登場し、Wアンコールとして、「無限大」を会場中で大合唱した。

 覚悟と信念をもって20年を駆け抜けた5人。ときには困難もあったし、葛藤もあった。ただ20年彼らはあきらめることなくステージに立ち、音楽を届け、たくさんの人々を笑顔にしながら未来へと希望をつないできた。道の途中には、一度だけではない、ともに歩んできた仲間との別離もあった。

 さらには20周年のアニバーサリーイヤーの冒頭に「この名前を大きくするんだ」と背負ってきたグループ名を手放すという衝撃的なニュースもあった。彼らにとって、体の一部を失うような痛みがあったはず。それはメンバーだけでなく、その名を愛してきたファンを思うとその覚悟と勇気は計り知れない。

 だが「SUPER」というもっと大きな看板を掲げ、自分たちの思いも歴史も全部詰め込んで、20周年の瞬間を迎える決意だった。深い友情で結ばれた“最強”の5人さえいれば、大切なファンと、大切な仲間と紡いできた過去は、何ひとつ消えないし、真実となる。夢と希望にあふれ、幸せと笑顔に満ちた“最高”の未来を掴むことができるのだ。そんな勇気あふれる新たな旅立ちの詰まったステージとなった。

 なお、本公演のセットリストをプレイリストにした「ENCORE ‐ SUPER EIGHT/AFTER THE SHOW」が公開されている。

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