市村正親、昭和の喜劇王“エノケン”榎本健一に 脚本は又吉直樹「息吹をお届けしたい」【コメントあり】
ORICON NEWS / 2025年1月16日 12時5分
人を笑わせることに命をかけた喜劇俳優・榎本健一の波乱の人生を お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が新作戯曲として書下ろし、俳優の市村正親が主演する新作舞台・音楽劇『エノケン』の上演が決定した。この度、メインキャストと公演情報が発表となった。
【写真】“喜劇王”エノケンに挑戦する市村正親
戦前・戦中・戦後……と、昭和の日本をとびきりの笑いで照らしつづけ、“エノケン”の愛称で親しまれた榎本健一。彼は、東京・浅草の小さなレビュー劇団「カジノ・フォーリー」の舞台に登場し、一躍注目されると、わずか数年ののちに、座員150名、オーケストラ25名を擁する日本一大きな劇団「ピエル・ブリヤント(エノケン一座)」の座長となった。当時流行していたジャズと、スピーディーでナンセンスなギャグにあふれたその舞台は、エノケンの天賦の感性と体技、音楽性なくしては実現できない、まったく新しい喜劇だった。浅草のエノケンは、やがて、数々の喜劇映画を通じて、全国区の人気者となった。
晩年は病魔におそわれるなど、過酷な現実に直面したが、不自由な身体をおして舞台に立ち、映画やテレビにも出演。また、後進の育成にも励み、喜劇に対する情熱は絶えることがなかった。人生のすべてを喜劇に捧げ、「日本の喜劇王」と謳われたエノケン。そして、彼を愛し、支えつづけた、家族や仲間、ライバルたち…。
エノケンの波乱の人生を又吉直樹が新作戯曲として書下ろし、市村正親が主演する新作舞台。市村に加え、松雪泰子が花島喜世子・榎本よしゑ 役、本田響矢が榎本えい一役で出演することが決定。10月7日~26日に東京・シアタークリエにて上演されるほか、大阪、佐賀、愛知、川越公演も予定している。
■出演者等コメント
■市村正親
エノケンという喜劇俳優は、私生活における生き方は非常にストイックでまじめで神経質で「本当にこの人が喜劇やるのかな」と思うような感じの人だったそうです。彼の人間的な魅力を又吉くんが脚本にして、僕らが演じる。こういう喜劇王がいたんだなということをしっかりとお見せでできればいいなと思っています。
僕は昔「笑わせよう」と意識して演じていましたが、今は「笑ってもらえる」ように、真剣に生きる芝居をしてみたいと思っています。エノケンと彼にまつわるいろんな物語をお客様に楽しんでいただくことはもちろんですが、大正の終わりから昭和の初期にかけて、僕の親父とおふくろが生きていたころのにおいを感じてもらえるような舞台を作れたらいいなと。
今までとはちょっと違った新しい舞台をお届けできると感じています。お楽しみに。
■松雪泰子
音楽劇『エノケン』に出演させて頂くことになりました。
私はエノケンさんを支える二人の妻、前妻の花島喜世子さんと後妻の榎本よしゑさんを演じます。舞台で二人の女性を一人で演じるのは初めての経験で、性質が異なる二人の女性、それぞれの視点から彼をどう見つめ、支えていたのか深く分析してるところです。
又吉さんの脚本作品への参加、そして演出のシライさんとも初めてご一緒するので、新たな挑戦となります。また市村さんいう大先輩と共にエノケンさんの世界を舞台で立ち上げることが楽しみです。
喜劇にはあまり縁がなかったのですが、喜劇人としてのエノケンさんの苦悩や生きる力を感じてもらえる作品になると思います。
皆様に楽しんで頂けますよう、懸命に務めたいと思っております。是非劇場でご覧ください。
■本田響矢
7年ぶりに舞台に立たせていただく機会をいただき、緊張と同時にワクワクした気持ちでいっぱいです。そして市村さん、松雪さんと共演させて頂けることをとても嬉しく思っています。
僕が演じるエノケンの息子、榎本えい一は病弱だったそうですが、頂いた資料からは落ち着いていて礼儀正しいという印象を持っています。又吉さんがどのようにえい一を描いてくださるのか、とても楽しみです。
最近は映像作品に出演させていただく機会が多かったので、舞台で、お客様の目の前でお芝居をできることが一番の楽しみです。とても面白い作品になると思いますので、是非皆さん劇場にお越しください。お待ちしています!
■又吉直樹
「昭和の喜劇王」と呼ばれた榎本健一。
その名にふさわしく、彼は戦前から戦後にかけて、多くの人々を笑いで楽しませてきました。現在でも、映像を通じてエノケンの軽妙でリズミカルな芝居に触れることができ、書籍を通じて彼の言葉や哲学を感じ取ることができます。 しかし、ただその記録をなぞるだけではなく、彼の生き様や表現の本質に改めて光を当てることで、時代を超えた普遍的な魅力をより鮮明に描き出せるのではないかと考えています。
今回の舞台では、大先輩である彼の笑いそのものだけでなく、彼の人生からも目を逸らさず、観る人々にエノケンの息吹をお届けしたいと思っています。
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