矢本悠馬、赤楚衛二を絶賛「どこに出しても恥ずかしくない好青年」【オリコン ライターズ】
ORICON NEWS / 2025年1月19日 18時0分
顔出しNGの敏腕ライターたちが、いま注目のタレントの素顔に迫る『ライターズ!』(日本テレビ系)。19日放送(深1:30)では、25日からスタートするドラマ『相続探偵』(日本テレビ系 後9:00)から俳優の矢本悠馬が登場。抜群の演技力で存在感を発揮する注目の34歳に、本作の見どころから俳優人生の転機まで、たっぷりと聞いた。
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■漫画“実写化”の難しさ「自分の中では“挑戦”でもあります」
新ドラマ『相続探偵』は、「相続」をめぐる奇想天外なトラブルを、元エリート弁護士のクセ強探偵・灰江七生(はいえ・なお)が、休学中の医大生・三富令子(みとみ・れいこ)と元警視庁科捜研のエース研究員・朝永秀樹(ともなが・ひでき)とともに解決していく1話完結型のミステリー。講談社の『イブニング』で連載された漫画が原作で、その原作に引き続き、今回のドラマ脚本を担当するのが『ケイゾク』や『SPEC』を生み出した西荻弓絵氏とあって、放送開始前から注目を集めている。
ただ、相続をめぐるトラブルを解決するミステリーと耳にして、すぐには想像がつきづらい。そこで、まずはドラマの見どころを聞いた。
「『相続』って若い方は経験したことがないだろうし、自分も最初はイメージできていなかったんです。でも、原作を読み進めるうちに、まず灰江をはじめとする登場人物のキャラクターが魅力的で、特に灰江と令子と朝永の3人の掛け合いが面白くて、引き込まれました。物語に関しても、もちろん専門的な用語は出てくるのですが、『遺言に込められた故人の思いを紐解く』という部分が大きくて、とっつきづらさはなく、最後にはちょっとほっこりできる素敵な物語です」
朝永役でオファーを受けた時の当時の気持ちをこう語る。
「真っ先に『難しそうな役だな』と思いました。というのも、朝永は声が小さくて早口なのが特徴なんです。それって、漫画のような2次元の場合は、読み手が頭の中でイメージしながらすらすらと読み進められるけれど、3次元になった場合、たとえば灰江と令子が朝永の言葉を『聞く』という行為が生まれるので、そこで会話のリズムやテンポが停滞してしまう。それは、ある種のストレスになるんじゃないかと感じたんです。また、そもそも声が小さいと、映像的にテンションが下がるんじゃないかと心配もしました。本当は、朝永は女性好きだったり、ミーハーな性格なんですが、声が小さいことで映像だと暗い人間に見えてしまうかもしれない。そうした2次元を3次元に翻訳する際の問題や矛盾をどう解決すればいいのか、ただ『声が小さくて早口』という芝居をするだけでは要素として足りないんじゃないかと、かなり悩みましたね。自分は割とすぐに役のイメージが湧くタイプなのですが、ここまでひとつの役に対して悩んだのは初めてで、自分の中では“挑戦”でもあります」
「遺言書は愛する人に出す最後の手紙」という信念にもとづき、その遺志をしっかりと届けるべく3人が謎を解いていく物語。
「故人がシャイなのかなんなのか、『なんでこんなにややこしい遺言を残すんだ!』っていうのが最初のツッコミどころです(笑)。でも、だからこそさまざまなトラブルや解釈が生まれ、3人が推理や科学を駆使して故人の遺志を明らかにしていく。ただ、普通のミステリーと異なるのは、『あくまで仮説の積み重ねでしかない』という点で、そこがこの物語のおもしろい所でもあります」
故人が亡くなっているので、遺言書に残された遺志が真実であるかどうかは、どこまでいってもわからない。「真犯人」や「真相」といった、わかりやすい答えがあるわけでもない。
「あくまで仮説の積み重ねによって生まれた『真相らしきもの』を、遺族にパスするまでが相続探偵の役割で、あとは遺族の方々がそれをどう受け止めるかに委ねる。そのあたりの曖昧さが、すごく新しい切り口で、自分は好きですね。灰江は飄々(ひょうひょう)としている男で、令子は身体能力が高い万能型、朝永は自分が関心のあることだけには前のめり。基本的にはそれくらいの距離感だけど、たまに発する言葉や推理で、遺族の人たちの心を動かしていき、最後には故人の遺志を生きている遺族が受け止める。温度感としてちょうどよくて、逆に現実味を感じられます」
■22歳・桜田ひよりの演技に圧倒「甘え倒していますね(笑)」
俳優として注目作に立て続けに出演している矢本。実は子役として朝ドラに出演経験などがあるが、俳優という職業に向き合い始めたのは去年からだという。
「子どもの頃のことはほとんど覚えていなくて、俳優は21歳から始めたようなものです。でも、20代の頃はぼんやり生きていましたね(笑)。去年くらいからいろいろ真剣に考え始めて、それをまとめるために日記もつけるようになりました。振り返ると遅すぎたような気もしますが、ぼんやり生きている時であっても、当時の友人や経験は自分の中に生きているので、無駄ではなかったと思います。というか、思いたいです(笑)」
共演する灰江役の赤楚衛二は30歳、令子役の桜田ひよりは22歳といずれも年下だ。
「赤楚君は共演2回目ですが、自分が父親なら誇らしくなるような、どこに出しても恥ずかしくない好青年ですね。今回の灰江役はクセがあるので、本読みの段階ではかなり苦戦していて、相談に乗ったりもしましたが、いざ本番が始まると高い壁を軽々と越えていくので、『ああ、これが主演の器か』と痛感します。もちろん本人は努力しているはずですが、成長のスピードが速すぎて、置いて行かれるんじゃないかと焦りますよ。かっこよくて、才能もあって、性格もよくて、『もう、なんなんだよ!』って思いつつも、好きにならざるを得ない、そんな人です」
一方、22歳の桜田には、甘え倒しているという矢本。
「今回の作品は灰江と朝永がかなりの変人で、いい意味で気持ち悪いリズムで芝居をしていくのですが、そこを冷静に受け止めて、形を整えてくれる。だから、実は令子がキーパーソンなんです。灰江と朝永のセリフを拾って、きちんとリアクションしてというだけでも相当なカロリーなのに、さらに令子自身のキャラクターも魅力的に乗っけていくから、毎回、圧倒されています。桜田さんがしっかり受けてくれるので、自分と赤楚君はかなり自由に芝居できていると思います。普段、使わない技を使ったりして、もう甘え倒していますね(笑)」
(取材・文/マイティ・M)
※取材の模様は、19日深夜放送の『ライターズ!』(日本テレビ系/日曜 深1:30)でもご覧いただけます。
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