横内謙介、初演の中村勘三郎は「体当たりだった」 勘九郎も類似エピソード語る
ORICON NEWS / 2025年1月22日 19時32分
歌舞伎俳優の中村勘九郎、脚本・演出を務めた横内謙介が22日、都内で歌舞伎座・松竹創業百三十周年『猿若祭二月大歌舞伎』の取材会に参加した。
【写真】モノトーンな着物姿で取材会に登場した中村勘九郎&中村七之助ら
『猿若祭二月大歌舞伎』の昼の部では、昭和63(1988)年に銀座セゾン劇場で十八世中村勘三郎(当時五代目勘九郎)が蔦屋重三郎を演じた『きらら浮世伝』を上演。初演で脚本を書いた横内謙介が今回の歌舞伎座上演に向け新たに脚本に手を入れ、演出も手掛ける。父勘三郎が勘九郎時代に演じた“蔦重”こと蔦屋重三郎を勘九郎が、遊女お篠を七之助が務める。
横内は初演を「時代考証とかそんなんいらないから、熱い青春グラフィティを作る」という方針のもと、「かなり雑な芝居だったと思います。映像が残ってるんですけども、もう体当たりもいいとこ」と回顧。「勘三郎さんのすごい頑張り。歌舞伎の演じ方を1つもしないで、 もう本当に体当たりでやって」とし、「ある時かつらが飛んじゃったんですけども」と初演本番中のエピソードを披露した。「そのかつらをですね、掴んで、その時僕は見てないんだけど、六角精児が黒子で喧嘩に行く勘三郎さんを押さえる役だったけど、(勘三郎は)かつらを握りしめて投げ捨てたと」とし、共演者も舞台上で吹き出してしまったなかで「全く笑いもしなかった」と明かした。
勘九郎は、「僕もパルコ歌舞伎のときに頭(かつら)を飛ばして」と続け、「最後のところですごく大事なとこだったので、僕も羽二重をとってやったっていうのを、多分人づてに聞いたんでしょうね。父はすっごい喜んでました」と振り返った。
「猿若祭」は、寛永元(1624)年に初代猿若(中村)勘三郎が猿若座(後の中村座)の櫓をあげ、江戸で初めて歌舞伎興行を創始したことを記念して始まった公演で、本年も勘九郎・七之助が中村屋ゆかりの作品に臨む。
取材会には、ほかに七之助が参加した。
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