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阿部寛、東日本大震災の現実との狭間で生まれた演技「ドラマだってこと忘れて」 異例の演出試みた撮影現場を回顧

ORICON NEWS / 2025年2月5日 5時0分

NHKドラマ『水平線のうた』より (C)NHK

 俳優の阿部寛(60)が3日、NHKで3月1日、8日の2週連続で放送される土曜ドラマ『水平線のうた』(総合 後10:00)合同取材会に出席した。2011年に発生した東日本大震災を題材にしたドラマの難しさ、撮影現場で感じた思いなどを語った。

【場面カット】不思議な空気感をまとった白鳥玉季

 震災から14年。同作は宮城県石巻を舞台に、阿部主演で描くヒューマンドラマ。 震災ドラマの名作「ラジオ」を手掛けた岸善幸氏が演出を手掛けた。タクシー運転手(阿部)のもとに乗車した少女(白鳥玉季)。2人の出会いが“音楽を通して愛(いと)しい人の思いをつなごうとする”人々の感動の物語へとつながる。

 震災で家族を失い、タクシー運転手として働く男を演じた阿部は「この役は泣くシーンが多いんですけども、 すごく難しいなと思って」と率直な思いを吐露。脚本を読んだ当初は「メソメソしすぎじゃないかと思った」とし、「悲しみを表現するのに涙って台本に書いてあると、やっぱり涙することよりも、なんか心が動くこととか、涙を耐えていることとか、そういうことがすごく悲しかったり、深かったりする」と自身の経験値から感じとったことを明かした。



 そのため阿部は岸氏に演技について相談を持ちかけたというが、岸氏からは震災の記憶が薄い子どもに比べ、大人たちは深い悲しみから逃れられない現実があるということを聞いたという。これに阿部は「この僕の役はそういうことを忘れられずにずっと苦しんでいる姿を若い世代に見せてしまっている大人、そういうことの表現の1つだっていう理解しました。だから涙のシーンは慎重に僕もやりたいと思って、(岸)監督に相談しながらやっていましたね」と語った。

 また震災という大きなテーマがある中、震災経験者からさまざまな話を聞いたり、被災地を訪れたりする中で、自身の役作りを進めていったという阿部は「いろんなお話を聞いたりとかすると、僕がいくら想像してもわからないようなことが 色々起きてるわけですよね。人と人との間に。そういう話を聞いて、すごく複雑な感情になった」と語った。

 さらに今作には震災で最愛の子ども3人を亡くした宮城県石巻市の木工作家・遠藤伸一さんが本人役で出演する。この遠藤さんの出演シーンについてはセリフは決められておらず、ドラマでありながらも、ドキュメンタリー調の場面を取り入れながら撮影するという異例の試みが行われていた。

 このシーンを振り返った阿部は「あの部分はドラマだってこと忘れてましたね」と一言。「直にご本人から聞くってことはすごく衝撃的なことだったし、遠藤さんの目を見て、その経験なさったことをできるだけ受け止めるようにしたいなって思って演じました」と話す一方、「ドラマの中でご一緒してるんだけども、セリフじゃない会話をかわすっていうのはすごいなと思ったんですよね。遠藤さんの目、 繊細な感情の動きとも、僕を見る眼差しのまっすぐさを感じて、自分も『演技じゃなくて、ここはいいんだな』と思って多分やれたんだと思います」と明かした。

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