古市憲寿氏『週刊文春』に厳しい見解 社内の実態や“訂正問題”を指摘…「社会的役割を終えた」と厳しい主張も
ORICON NEWS / 2025年1月31日 22時33分
社会学者の古市憲寿氏(40)が1月31日、自身のXを更新。「週刊文春」電子版が、芸能界を引退した中居正広氏(52)をめぐる女性トラブル報道の一部内容を訂正したことを受け、改めて持論を展開した。
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古市氏は、同日放送のカンテレ『とれたてっ!』(後1:50)に出演。番組では、フジテレビの2回目会見を振り返る流れから、文春の記事訂正・謝罪に触れ、週刊誌報道の影響力の変容などをめぐって議論。古市氏は「週刊文春、廃刊した方がいいと思います。文藝春秋の社員もかわいそう。やっぱり文芸局の人とか、めちゃくちゃ、割を食っているわけで、週刊文春が暴走するせいで。ほんと小説作りたくて真面目にやっている記者もたくさんいるのに、その人たちが一番、割を食っている」と指摘。
「フジテレビのガバナンスの問題に、一石を投じたという意味もある?」と向けられるも、古市氏は「社会的意義はあったと思います。でも問題起こしちゃった以上、週刊文春のこと、誰も信じないじゃないですか。ウソをつく媒体なんだなってことがみんなわかっちゃった以上、使命を終えたのかなとは思います」などと話していた。
番組放送後、古市氏はXを更新。「『#とれたてっ』という番組で『週刊文春』は廃刊にした方がいいとコメントしました。それは今回のフジテレビ問題の『修正』に関して責任を取るという意味もありますが、文藝春秋社で働く社員を含めて、『週刊文春』が多くの人を不幸にする仕組みだと思うからです」と考えを記した。
「『週刊文春』編集部と聞けば、ハイエナのようにスキャンダルを探すひどい記者の巣窟というイメージを持つ人がいるかも知れません。でも実態は全然違います。大きく分けて編集部には、文藝春秋社の社員と専属の記者がいます。何も社員は『週刊文春』の編集部で働きたくて入社してきたわけではありません(皆無とは言わない)」。
「文藝春秋社は直木賞・芥川賞を有するくらい、格式ある出版社です。たくさんの良質な文芸作品を出版してきました。だけど『いい小説を作りたい』と入社してきた社員が必ずしも文藝部に配属される訳ではありません。特に新入社員は『修行』のような形で『週刊文春』の編集部で働かされる、という慣習がありました。僕の友人でも、『週刊文春』時代に嫌な思いをした編集者がたくさんいます」と説明した。
続けて「文藝春秋社内でも、『週刊文春』は異質な存在です。同時期に他の部署で仕事をしている人のスキャンダルを平気で記事にする。本当に社会的に意味がある内容なら許容されるとしても、どうでもいいゴシップ記事を出して、他部署が翻弄されるということがよくあります」とし、「真面目に仕事をしてきた文藝部の編集者で、『週刊文春』に困らされてきた人は少なくないと思います」と、社内の実態についてもつづった。
さらに経営面についても「紙の雑誌は高コストです。もともと文藝春秋社では、『週刊文春』をスリム化して、文春オンラインなどネットを拡充するという構想がありました」という古市氏。「それでもなお、文藝春秋社として社会的使命のために『週刊文春』を残したいというのなら、それは一つの経営判断です。ただ今回の一件で、『週刊文春』への信用は地に落ちたと思います。実はこれまでも裁判で認定されるような誤報も複数ありました」と、改めて厳しく指摘した。
また、一方で「僕は文藝春秋でも仕事をしてきたし、いい編集者をたくさん知っています。『平成くん、さようなら』も『ヒノマル』も文藝春秋社から出した小説です。だからこそ、『週刊文春』のために、文藝春秋社のイメージがこれ以上悪くなることがとても悲しい。もしこのまま『週刊文春』が暴走を続けて、文藝春秋社がなくなるなんてことになったら、もっと悲しいんです」という思いも明かした。
最後は「たとえば政治へタブーなく切り込む存在は必要です。それを含めてメディアのあり方を考え直す時期にきているのではないかと思います。その意味でも、信用力が落ちた『週刊文春』は、社会的役割を終えた、というのが僕の意見です」とし「最後に一つ。もしも『週刊文春』を残すのなら、フジテレビ問題の『修正』を詳しく検証するのみならず、これまで文藝春秋社内で起こってきた性加害事件や、不倫問題についても報じないとフェアではないですよね。今やフジテレビでさえ自社のことをここまで報じているわけですから。そこまでしないと『週刊文春』の信用回復は無理だと思います」との意見を示した。
なお、今回訂正された記事は「中居正広9000万円SEXスキャンダルの全貌 X子さんは取材に『今でも許せない』と…」。記事掲載ページの冒頭の文章の下に太い黒字で訂正箇所を掲載している。
訂正の文章では「【訂正】本記事(12月26日発売号掲載)では事件当日の会食について『X子さんはフジ編成幹部A氏に誘われた』としていましたが、その後の取材により『X子さんは中居に誘われた』『A氏がセッティングしている会の“延長”と認識していた』ということがわかりました。お詫びして訂正いたします」と謝罪。「また、続報の#2記事(1月8日発売号掲載)以降はその後の取材成果を踏まえた内容を報じています」とした。
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